[ NO.1171 ] [ 2000/07/24 02:17:08 ]  [ 投稿者:さとけん ]
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最近、図書館で「火の鳥」と「ブッダ」全巻読みました

手塚に石ノ森っすか。
わたしはガキの頃は、なぜか、主人公が人外の異形異類の者で疎外されて
る、ってヒーロー漫画ばっかり大好きで、手塚&石ノ森のそーいう作品な
ら沢山愛読してました(手塚作品なら「どろろ」「バンパイア」とか、石
ノ森作品なら「人造人間キカイダー」「仮面ライダー」原作版とか。あと
当然、永井豪の「デビルマン」原作版とか)当然、009もけっこう好き
でしたね、みんな各メンバーに疎外の動機とその昇華があるとこととか。

でも、なんか最近そういう作品ってねえよなあ、なんでだろ? とかって
思います。リアルじゃないからかな。でも、そんで勢い、かつてなら自分
を人外の異形異類のヒーローになぞらえるような疎外感持ってる奴が猟奇
犯罪に走る、ってのもねえ(江川達也「ラストマン」と新井英樹「ワール
ドイズマイン」を止揚するヒーロー漫画ができないかなあ)。

で、どっちかっていうと、石ノ森が本気でそーいう人外の異形異類のヒー
ローに思い入れて、そーいうものと人間の融和(のできなさの悲劇)を描
いたものが多いのに対し、手塚は、そーいう普通の人間から脱落した異形
人外の奴が、疎外感から本当にえげつない嫌な悪党になる残酷なパタンも
結構描いてる印象が強いです(「アラバスター」とか「MW(ムウ)」な
んかそう)。

そーいや、手塚だと、純朴なバカと意思のある奴という二人の主人公が出
てきて、後者がその理想ゆえに悪の道に……というパタンがやたら多い、
一番わかりやすいのは「アドルフに告ぐ」だろうけど、「火の鳥」シリー
ズとかそんな話が実によくありますね。

石ノ森では、悪役は亭々はじめからの悪役で、でも実は悪の道に進まざる
をえない事情があって、ってパタンが多いのだが(ヒーローのセコンド役
の博士と悪の首領が実は旧友とか兄弟、って王道)。

これは手塚の方がインテリの残酷さを持ってたとも言えるし、石ノ森の方
が、そういうハンデイキャップを背負いつつ、ひねくれてはいけない、そ
の疎外感を昇華し、愛のボランティアの戦うべし、って真摯さを描こうと
してたとも言えるか? まあ、現実そうは行かんのは周知。でも「しょせ
ん人間そんなもんさ」ってニヒリズムだけが勝って「かくあるべし」って
理想像もなけりゃ元気がなくなる。

そういう、自分を人外の異形異類のヒーローになぞらえる作風って、じつ
は案外、マンガ屋やアニメ屋がまだ世に認められない賎業だという矜持が
ぎりぎりあった時代の産物なのかも、とかいう気もします。



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