●原案・脚本・監督:山賀博之
1962年3月23日生まれ。新潟県出身。大阪芸術大学中退。GAINAX現社
長(代表取締役)。外見的にはまったくオタクらしからぬ健康に日焼けした好
男子であるとか。
大阪芸大在学中、庵野秀明氏と出会い、アマチュア8o映像製作集団DAI
CON FILM(その主なメンバーは後のGAINAXの中核となった)に
参加、1983年の日本SF大会DAICONVオープニングアニメーション、翌
年のDAICONWオープニングアニメを手がける。
淀川長治氏の文章で「映画監督になりたかったら同じ映画を10回観ろ」と書
いてあるのを読んで丸飲みし、よりにもよって『がんばれベアーズ 特訓中』
を10回繰り返し観て、そんでホントーに映画監督になってしまったとゆーエピ
ソードは、本ページ製作者の畏友・河田拓也氏がデータ集めをした『スギゾ・
エヴァンゲリオン』『パラノ・エヴァンゲリオン』(太田出版)に、よって多
くの人々に知れ渡るところとなった。
『王立』における異世界オネアミスの風景が、山賀氏の故郷、新潟の情景を
反映している、という事実は、本ページ製作者の知人の新潟県出身者の某氏も
大いに認めている(笑)。
『王立』の監督後は長らく何も仕事をしていないかのよーに思われていたが
(実際、「ふしぎの海のナディア」放送開始前の頃は新潟から会社に通ってい
たとか?)、OVA「トップをねらえ」第二話の脚本などを手掛けている。
一部では誤解があるようだが、本来はアニメオタ出身ではない。しかし、自
他共に認める重傷のアニメ&特撮オタの庵野秀明カントクを初めとするGAI
NAXの現在のスタッフ陣が最も信頼を置くのがこの山賀氏である、というこ
とは明記しておくべき事実である。
ここ数年は『王立』と同じ世界の数十年後を舞台とした続編的作品『蒼きウ
ル』(仮)の構想を練っていると伝えられ、監督業復帰が期待される。
それから『ふしぎの海のナディア』の登場人物の一人エアトン伯爵のモデル
ともいわれるが(笑)詳細は不明。
P.S.97年年頭のGAINAXホームページじゃ自ら「監督廃業10周年」
などと悲しいことを書いてましたが、ぜひとも復帰を目指して下さい、期待し
てますよぉ。
●企画・プロデューサー:岡田斗司夫
1958年7月1日生まれ。大阪府出身。自称「オタキング」。GAINAX初
代社長。1982年「日本最初のSF専門店」ゼネラルプロダクツを創設(同社は
後に兄弟企業の株式会社GAINAXと合併)。現・東京大学非常勤講師、株
式会社オタキング社長。著作に『ぼくたちの洗脳社会』『オタク学入門』。
「オタク界」をかつての共産主義に例え、その中でのGAINAXを「革命
家の祖国」ソヴィエト連邦共和国になぞらえるなら(笑)、現在のGAINA
Xの経営の中心にある山賀・庵野両氏はさしずめ、オタク界を代表して「資本
主義諸国(つまり外部社会のコト)との取り引きによる共存を目指す」という
意味合いに置いてスターリニストであり、一方、岡田氏は、そのソ連から出て
「資本主義諸国を蹴散らし(オタクの)世界革命を目指す」という意味合いに
置いてまさにトロツキストであると言える。
『王立』製作から公開までに、この人物が一介のアマチュア集団であった発
足当時のGAINAXをまとめ上げ、当時映像事業に乗り出さんと意気を挙げ
ていた天下の大バンダイと掛け合ってきた、という業績は無視できない。
オタキング・岡田斗司夫のページによれば、製作会社の東宝東和サイドか
ら上映時間の短縮を求められ「フィルムを切るんだったら俺の腕を切れ」とタ
ンカを切って119分58秒という長尺での公開を実現させたという。
●キャクターデザイン・作画監督:貞本義行
1962年1月29日生まれ。山口県出身。東京造形大学卒。はじめ「少年チャン
ピオン」で漫画家としてデビュー、バイク漫画を描いていたとか。
『ふしぎの海のナディア』『新世紀エヴァンゲリオン』でもキャラクターデ
ザインを担当。『ナディア』では作画監督も務めた。『オネアミスの翼 王立
宇宙軍』での絵柄は本来の画風とは違っており、本人はシンプルなタッチの方
が好きだともいう。『王立』の絵柄も他のアニメにはなかなかない味が出てい
るとも感じるが………。
一説によれば、『蒼きウル』の企画が中断されたことをきっかけに、しばら
くアニメに仕事のウェイトを置くことから身を退くつもりでマンガに転じたと
もいう(それだけ乗り気だったってことなんでしょうかね)。
現在、月刊『少年エース』(角川書店)にマンガ版『新世紀エヴァンゲリオ
ン』を連載中。
●作画監督・原画・スペシャルエフェクト担当:庵野秀明
1960年5月22日生まれ。山口県出身。監督としての代表作は、OVA『トッ
プをねらえ』、TVシリーズ『ふしぎの海のナディア』『新世紀エヴァンゲリ
オン』。
アマチュア時代に「DAICON FILM」で作製した8ミリ映画『帰っ
てきたウルトラマン』では総監督のほか自ら主演(素面でウルトラマン役!)
を務めた。
『オネアミスの翼 王立宇宙軍』での代表的な仕事は、ロケット離陸時に剥
がれ落ちる氷片の描写。ヴィデオで観ると本当に恐ろしくクソ細かく凄い。
アニメ業界の中では、思想的には富野由悠季カントクを最も尊敬しているそ
うである。
「エヴァンゲリオン」のヒット以来、「庵野はしょせん一生懸命背伸びして
も一介のアニメオタなんだから思想的に大したことなはい」と矮小化する向き
もいれば、作中での登場人物の不幸に自分を投影して、同作を被害者意識で自
己正当化する道具にする向きも出ているようだが、本人に関する限り、間違っ
ても苦悩するフリをすることが自己目的化した太宰治的ナルシズムには行かな
いで頂きたい人物だ。
最近、一部では「声優の日高のり子を口説いてフラれたことがある」「『エ
ヴァ』最終回放送直前には本気で放送事故によるオンエァ中止を願ってた」だ
のというしょーのないゴシップ(実話らしいけど)で、鬼の首取ったみたいに
この人物を批判する輩もいるらしいが、大体、昔から映像作品の監督という職
業人にはそれぐらいの人間はいただろうに。
要は優れた作品を作ってみせれば良いのでだから、今後はアニメバカ一代男
として是非とも「勝新太郎だからコカイン吸っても許す」「アントニオ猪木だ
からフセインやカストロと仲良くしても許す」とゆー域まで走って頂きたい。
●助監督:赤井孝美
1963年11月21日生まれ。鳥取県米子出身。現・ゲーム制作会社「ラインライ
ブス」会長。映像作品としての代表作は、故郷、出雲の地を舞台とした実写特
撮怪獣映画『八岐之大蛇の逆襲』を監督。
「王立」公開直後に刊行された「Bクラブ」別冊のスタッフインタビューの
中では、他のメンバーの多くが、照れ隠しなのかどうもふざけた文章を書いて
いる中、好きな映像作品の筆頭に「いろいろあるけど今は『王立』」と書いて
たり、「後で第1稿を読みましたが、感動しました」「見れば見るほど味の出
るスルメのような映画」と、実にストレートな感慨を述べている。
現在はGAINAXゲーム部門の中心人物として「プリンセスメーカー」他
のヒット作を飛ばしている。奥さんは漫画家のひぐちきみこ女史であるとか。
●助監督:樋口真嗣
1965年9月22日生まれ。東京都出身。高校在学中にして東宝特撮映画『さよ
ならジュピター』(83年)にスタッフとして携わり、後『ゴジラ』(84年)に
も参加。その後DAICON FILM作品から『八岐之大蛇の逆襲』からT
Vシリーズ『ふしぎの海のナディア』まで幅広く関わり、最近では徳間の『ガ
メラ2 レギオン襲来』(96年)の特技監督で知られる。
GAINAXの中心にいる関係者の中では年齢がもっとも若いせいか、半ば
中核スタッフのマスコット的存在でもあったとも聞く(よくわかんないけど、
末っ子の弟的にからかわれたり可愛がられてたりしてたのかなぁ?)
ちなみに『新世紀エヴァンゲリオン』の主人公の名前の元となった人物であ
るというのは有名。
※著名な協力者
●音楽監督:坂本龍一
1952年生まれ。言うまでもなく、元YMOメンバーにして『戦場のメリーク
リスマス』の坂本龍一である。『オネアミスの翼 王立宇宙軍』のサントラC
Dは、でかいCDショップなら棚の坂本龍一の欄で見つかる!
※なお原画・動画・メカや衣装や小道具のデザインなどに携わった人間は膨大
に及ぶが、その中からGAINAX内外の人間で有名な人物を数名挙げておく。
●江川達也(原画)
1962年生まれ。愛知県出身。漫画家。代表作に『BE FREE!』『まじ
かるタルるーとくん』『東京大学物語』ほか。元中学校教師であり、「教育」
を重要なライトモチーフに置いている。近年では東京大学の「大学を面白くす
る会」に携わり、各種のイベントにも積極的に参加している模様。岡田斗司夫
氏とは暦年の友人関係にある。
『オネアミスの翼 王立宇宙軍』では、Cパートのシロツグ婦女暴行未遂
(リイクニを押し倒そうとして逆に殴られる)場面の原画を担当。
●園田健一(デザイン)/●藤原カムイ(デザイン)/●板野一郎(原画)
●結城信輝(原画)/●摩砂雪(原画)/●前田真宏(原画)
※主要参考文献
『B-CLUB SPECIL オネアミスの翼 王立宇宙軍 COMPLETED FILE』(バンダイ)
『オネアミスの翼 王立宇宙軍 パンフレット』(東宝)
『キネマ旬報』1987年3月下旬号
『ロマンアルバム ふしぎの海のナディア』」(徳間書店)
『月刊OUT』1987年7月号(みのり書房)
『月刊アニメージュ』1989年12月号(徳間書店)
『Quick Japan』1996年 Vol.9・Vol.10(太田出版)
『スキゾエヴァンゲリオン』「パラノエヴァンゲリオン」(太田出版)
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