Music Review R

[Radiohead]IN RAIN_BOWSIN RAIN_BOWS
Radiohead
★★★★

前作の国内盤はコピーコントロールCDという腐った仕様だったが、今作は打って変わってアルバムの価格を購入者が自分で決めることが出来るという実験的な手法によるネットでの先行発売を行った(0円での購入も可能)。多分にプロモーション的な傾向の強い企画だが、ダウンロードを行った大半の人がお金を支払い、購入金額も良識的なものだったようだ。私はAmazonにて既にCDを注文済みだったので、100円を支払っておきました。

所属レーベルとの決別などのごたごたなどで前作より4年ぶりのリリースとなる今作は、これまでのアルバムとはかなり趣がことなる。内省的なサウンドの傾向は相も変わらずだが、ダウナーな鬱的なものではなく、アッパーな躁とまではいかないが、これまでとは比較にならないほどのオープンマインドなサウンドとなっている。聞いていても落ち込んでくるということが無い。それなりに高揚してくるものまである。EMIという大手レーベルと決別し、各国のインディーズレーベルと契約したことも影響しているのかもしれない。重苦しい軛から解き放たれたという…。

楽曲も初期作ほどケレン味のあるようなものではないが、とても良く練られたものでかなり出来が良い。エレクトロニカ色も前作以上になりを潜め、というより、バンドサウンドと完全に融合したといえるまでに混ざり合っている。それは、とても聞きやすいという効果を生み、何度でもリピートしていたいという気すらおこさせる。

今作は今後の彼らの代表作となるエポックメイキング的な作品であると同時に、Radioheadというバンドの入門作としても絶好の作品といえる。お勧め。

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[RADIOHEAD]Hail to The ThiefHail to the Thief
Radiohead
★★★☆

RADIOHEADの6枚目となるフルレンスアルバム。

「KID A」「AMNESIAC」の2作はリリースこそ間隔が空いていたが、同時に制作されたアルバムであり、そのサウンド傾向に差異ははあるけれどトーンの似た作品であった。しかし、今作は完全新作である。前二作からどのようなサウンドに昇華してくるのかが注目となる。

一聴してみると、今作のサウンドは前二作のようなエレクトロニカ指向のものと、それ以前のバンドサウンド指向のものに大別できることがわかる。勿論、完全に二種のサウンドに分かれるわけではなく、バンドサウンドにエレクトロニカな要素が入ったものや、その逆など、どちらの要素も内包したアマルガムなサウンドで、どちらの要素が強いのかということでの分類だ。ただ、バンドサウンド傾向の強い楽曲でも、2ndアルバム「the bends」に収録されていたようなケレン味たっぷりのドラマティックな構造を持った楽曲は無い。内省的で神経症的なサウンドが大半である。とはいえ、前二作よりは受け入れられやすいサウンドだ。今作ではエクスペリメンタル(実験)ロック要素を更に推し進めてくることを予測していたが、以前のサウンドに少し寄り戻ったというか、これまでのサウンドを集大成したような印象を受けた。次作ではこの路線のままでいくのか、更なる地平を目指して変化を遂げるのか、早くも期待が高まる。

最後に、国内盤はコピーコントロールCDという腐った仕様になっているので、購入を考えている方は北米版の輸入CDの方を勧める。国内盤より1000円近く安い上に、CCCDではないので。

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[RADIOHEAD]AmnesiacAMNESIAC
Radiohead
★★★★

前作「KID A」のリリースから8ヶ月という短い間隔でリリースされたRADIOHEAD5枚目となるフルレンスアルバム。

「KID A」でのインタビューで何度か言及されているが、あのアルバムは2枚組でのリリースも考えられていたという。しかし、アルバムに統一したトーンを与えるために、敢えて絞った選曲でリリースした。今作は、前作では収録されることが無かった曲によって構成されている。

単なるアウトテイク集では無い。前作と同傾向の路線ではあるが、そのサウンドはよりメロウである。

前作では敢えて感情の高揚を促さないよリミッターが付けられ、一定したトーンで曲が進行していた。今作は、そのリミッターの上限値を少し上に上げたようだ。サウンドの起伏が大きくなり、エモーショナルな面が顕れている。サウンドの傾向が少し違うという理由で収録されなかったわけがこれで良く分かる。また、楽曲のクオリティーの高さから、アウトテイク集ではないということも理解出来る。

今作のリリースに伴うインタビューにてセカンドアルバム「The Bends」に近い面があると言及されていた。たしかに、このアルバムの半分の要素は2ndにある。そして、残り半分は「KID A」 だ。発売された順番は逆になるが、このアルバムはこれまでのRADIOHEADと、「KID A」以降のRADIOHEADの橋渡し的アルバムになるだろう。

真にアーティスティックな音楽を想像し続けるRADIOHEAD。今後、彼らはどのような地平に向かって走っていくのだろう。想像がつけられないが、更にプログレッシブな展開をしてくれることと確信している。今後の彼らの動向からは、決して目が離せない。

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[RADIOHEAD]KID AKID A
Radiohead
★★★★☆

世界的な支持を集めた前作「OK COMPUTER」に続く、4枚目のフルレンスアルバム。

前作においても、ファンの予想を裏切るような斬新な作品を提示してきたRADIOHEADなわけだが、今作はそれを上回るような衝撃を与えるに違いない。

英・米のメインストリームに存在するロックミュージックはどこか似たようなスタイルを持っている。それは商業的な成功を収めることが第一義とされているからで、市場が確立されているもの、市場が要求するものを生産しようとする。

そういったしがらみから抜け出して新しいものを作り出したいとミュージシャンが指向したとき、その音楽性はジャーマンエクスペリメンタルロックに近づく。

1960年代後期あたりからドイツ(西ドイツ)にて同時多発的に発生した実験的音楽。サウンド上の共通点は特に無いけれど、ミュージシャン本位による楽曲制作を行い、楽曲単位より音の一つ一つや、音響といったものを大事に考えていた。

今回のRADIOHEADのアルバムには、このような音楽に近いものを感じる。バンドとしての姿勢、サウンドの傾向も近いものがある。何曲かは、ジャーマンロックそのものに限りなく近い波長を出している。

そう、このアルバムはとてもプログレッシブだ。プログレッシブロックのスタイルも一部で継承しているが、精神性がとにかくプログレだ。今年最高のプログレッシブロックかもしれない。

こんなアルバムが、20世紀が終焉を迎えようというこの土壇場にリリースされたのだ。それも全世界で何百万枚は売ろうと言うバンドの作品である。これがメインストリームとして流通していくのだ。ウッシッシ。ロックはまだまだ面白い。

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[RADIOHEAD]OK COMPUTEROK COMPUTER
Radiohead
★★★★

レディオヘッド、待望の3rdアルバム発売。日本は1カ月の先行発売。

90年代にデビューしたイギリスの一連のバンド群の中で、私はレディオヘッドを一番買っている。1stアルバムを出した当初はさほど注目をはらわなかったのだが、2ndアルバム「ザ・ベンズ」の完成度の高さには、心底驚かされた。アーティスティックなポップと言えば良いだろうか?下卑たポップでは無く、高潔なポップ性というものを感じたのだ。そしてこれほど高い完成度を持ったアルバムを作ってしまうと、次は大変だろう。もしかすると、解散するのでは?などと、余計な危惧まで抱いてしまった。しかし、新作を聞いてその思いは吹き飛んだ。
抑制され、隅ずみまで自覚的に意識をはりめぐらせた楽曲群。実験精神と楽曲至上主義の融和は、ここで花開かれ始めている。新たなテクノロジーの導入も、冗長さを伴わず、楽曲にとって不可欠とまで言える次元にまで昇華されている。トム・ヨークは今作の製作により、またも才能の幅を広げたようだ。今年度10指に入る傑作である。

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[Radiohead]The BendsThe Bends
Radiohead
★★★★☆

Radioheadの2枚目となるフルレンス・アルバム。

前作「PAblo HONEY」は新人らしからぬ巧いアルバムだったが、散漫な印象を受ける作品だった。しかし今作は統一感のとれた、とてもエモーショナルな作品に仕上がっている。

作品世界で歌われるのは、どうしようもなく疲れ切った日常の一ページ。夢はあっても高望みではなく手の届く範囲のもの。諦観が全体を覆い尽くしている。しかし、そんな歌詞世界でも悲しいくらい美しい曲に仕上がっている。とりわけ、「Fake Plastic trees」はバンド史にも残る名曲だ。ゴムで出来た偽物の木に水をやる女。そんなことをしても、その行為には何の意味も無い。しかし、水をやる。そして、その行為はたまらなく彼女を疲れさせる。無駄と分かっていることを繰り返し続ける日常。明日は良い日になるさと嘯いても、今日と変わりはしないさと信じている。虚無的で平凡な生活を見事にスケッチし、アコースティックなギターの旋律をメインにしたこの曲はとても切なく、美しい。

Radioheadのアルバム中、このアルバムには最も思い入れが強い。そして彼等のアルバムでは最も好きなアルバムだ。お勧め。

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[Radiohead]PAblo HONEYPAblo HONEY
Radiohead
★★★☆

Radioheadのデビュー作となるフルレンス・アルバム。収録曲「Creep」がMTVでヘヴィーローテーションされたことにより、本国イギリスより先に全米で火が付き大ヒットすることになった。

若年層特有の世界に対する異邦人感や鬱屈としたやり場のない怒りなど、どちらかというとネガティブな感情をこのバンドは器用にデコレートして楽曲に仕立てる。3コードパンクな曲からメロウで作り込んだ曲など、歌詞世界に併せて器用に楽曲のスタイルも変える。新人バンドながらとても器用なバンドだ。しかし、その器用さが災いして「Creep」以外の曲の印象は薄くなってしまっている。個々の楽曲の出来は良いのだけれど、アルバムトータルとして聞いた場合にはどうにも散漫な印象を受けてしまう。

名実共に世界でもトップクラスのバンドになったRadioheadのファーストアルバムは、新人らしからぬ完成度を持っているが、若さも感じさせる良い作品だ。Radioheadファンならコレクションしておきたいアルバムだ。

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[Rain Tree Crow]Rain Tree CrowRain Tree Crow
Rain Tree Crow
★★★★

元Japanのデヴィット・シルヴィアンが、同じく元Japanのメンバーであるスティーブ・ジャンセン、ミック・カーン、リチャード・バルビエリと結集し、Rain Tree Crow名義で制作したアルバム。アルバム発表当時はJapan再結成か?ということで話題になりましたが、バンドはアルバム1枚を制作しただけに終わりました。

制作に参加したメンバーは全てJapanのメンバーですが、サウンドはJapanのそれとは全く異なります。スタジオでインプロバイゼーション(即興)を行いながら制作された楽曲の印象ははデヴィッド・シルヴィアンのソロ作品の方に近いのですが、こちらの方が抑制されていてタイトと言いましょうか、とても醒めた音がします。

インプロによる作曲はともすると、楽器間のインタープレイに終始してしまったりしますが、このアルバムでは各々が抑制したプレイを行うことによりそのような愚を犯していません。普段なら前面に出て来て、その独特な音を聞かせるミック・カーンのベースまでもが音数少なくなっています。かといって、存在を感じさせないわけでもありません。まるで達観したかのように、楽曲にとって無駄な音は出さず、必要な時に最適のプレイをしています。これは他のメンバーにも言えます。

また、ゆったりとしたリズムで間の多いサウンドは、その間により空間的な広がりを持って聞こえてきます。普通の演奏と異なりインプロ(それもいつもとは異なる演奏形態での)なので、演奏者はかなり高いテンションと緊張感を持ってプレイしていると思われますが、聴いている方は落ち着いたリズムと抑制されたプレイによってリラックスして聴くことが出来ます。

このアルバムはJapan時代の作品は元より、その後のメンバー達の出した作品の中でもベストといえる出来の作品です。シルヴィアンにとってもですが、他のメンバーにとっても代表作と言える、エポックメイキング的な作品とも言えます。

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[Rebecka Tornqvist]TREMBLE MY HEARTTREMBLE MY HEART
Rebecka Törnqvist
★★★★

96年の秋口に発売された共同名義のアルバム「The Stocholm Kaza Session」は、ジャズのスタンダードばかりが収録された、企画盤だった。今回のアルバムは完全に彼女の主導下で制作された、レベッカ・トーンクイスト個人名義としては3枚目にあたる、フルレンスアルバム。

いま、世界的に女性のヴォーカリストの活躍が目立つ。サラ・マクラクランが主導する、女性アーティスト達だけのリリス・ツアーが盛況で、今年も行われるということなど、その良い証明になるだろう。レベッカはどうかというと、故郷であるスウェーデン本国を別にすると、それほど目立った存在ではない。友人達に聞かせても知らないという答えが帰ってくるばかりだ。しかし、知らないという答えと同時に、私も欲しいから品番教えてと聞かれることが多い。きっかけさえあれば、かなりメージャーな存在になる可能性を持っているのではないだろうか?

さて、今作である。収録曲は11曲であるが、トータルで38分ほどと最近の作品にしては小粒な感すらする。とはいえ、捨て曲なしの38分だから、密度は濃い。質より量ということだろう。
前作がこてこてのジャズのスタンダードばかりを収録したアルバムであったため、今作はどのような展開をするだろう?と考えていた。いざ蓋を開けると、驚くこともなく、いつものレベッカワールドが展開されていた。保守的というわけではない。音楽上の冒険はあちこちに散りばめられている。無理な変化をして曲の質を落とすよりは、適度な変化で曲の質を高めたいという配慮だろう。事実、楽曲のクォリティーは高い。発売を知らせたあげた友人達からは、早くも素晴らしい作品だとの感想も届いている。
レベッカのファンは迷うまでもなく、買いなさい。彼女を知らないという人でも、フィーメール・ヴォーカリストのファンならば買いなさい。お薦め。

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[Rebecka Tornqvist& Per 'Texas' Johansson]The Stockholm SessionTHE STOCKHOLM KAZA SESSION
Rebecka Törnqvist & Per 'Texas' Johansson
★★★★

KAZAというEMI傘下のレーベルが企画&リリースするアルバムの第1弾らしい。収録されている楽曲はジャズのスタンダードなナンバー。
参加メンバーでメインとなるのはREBECKA TORNQVIST(ヴォーカル、パーカッション)とPER'TEXAS'JOHANSSON(テナーサックス、バス・クラリネット)の二人。他には、レベッカのアルバムにも参加していて、同企画でアルバムもリリースするMAX SCHULTZ(ギター)、BOBO STENSON(ピアノ)、MARKUS WIKSTORM(アコースティック・ベース)、MAGNUS OSTORM(ドラム)の4名。

レベッカの1stをお聞きになった方にはおわかりでしょうが、レベッカの声にはスタンダードなジャズのナンバーが良く似合います。一度たっぷり聞いてみたいと思っていたところ、ピッタリのアルバムが出ていたので早速購入しました。
レコーディングはライブ形式で行われているのだと思いますが、バックの演奏陣の確かな技術を信頼したレベッカは、とても延び延びと、楽し気に歌っています。Rebecka Tornqvist
JAZZをファッションの文脈で語るのもどうかと思いますが、このアルバムはとびきりお洒落な作品です。ちょっとアダルトな気分に浸りたいときなどに最適ではないでしょうか?お薦めです。

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[Rebecka Tornqvist]Good ThingGOOD THING
Rebecka Törnqvist
★★★☆

スウェーデンのジャズ・シンガー、レベッカ・トーンクイストの(多分)2ndアルバム。

心境の変化でしょうか?曲から受ける彼女の印象がガラリと変わりました。以前は少し近寄り難い雰囲気が存在していたのだけれど、それが無くなっています(それがまた良かったのですが)。結果、曲に爽やかな清涼感を感じる事が出来ました。正直面食らいましたが、これはこれで面白く、楽しめます。
前作を気に入られた方はもちろんのこと、もっと広くお勧め出来る作品です。

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[Rebecka Tornqvist]A Night Like ThisA NIGHT LIKE THIS
Rebecka Törnqvist
★★★★

スウェーデン出身の女性ジャズ・シンガー、レベッカ・トーンクイストの1stアルバム。

外を眺めると、鬱っとうしく降り続く雨によって世界は霞がかかったよう。行き場を失った小鳥達が、公園の樅の梢で一休みしている。リクライニングシートに腰掛けながら、カップになみなみと注がれたロイヤルミルクティーを口にする。豊潤な香りと、柔らかい甘味が広がって心が落ち着いていく感じ。読みかけの小説を膝の上でそっと開く。恋人達の甘いささやきが、静かな眠りへと誘ってくれそうだ・・・。

こんな状況下では、レベッカのこのアルバムが聞きたくなる。少し鼻にかかったような魅力的な声と素晴らしい演奏で、ムーディーな空間を演出してくれるから・・・・。

フェイバリットな歌手として、マライアやホイットニーを出すのはちょっと恥ずかしい。けれど、彼女の名前を挙げてみるのはどうだろう?きっと、周りから貴方に対する評価が変わってくるはず。「へぇ、お洒落なのね」とでも。都会派OLを自認する人なら、持っていて損は無いアルバムだす。買うダス!

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[REEF]RIDERSRIDES
REEF
★★★☆

全英1位を記録したセカンドから2年ぶりにリリースされる、リーフの3rdアルバム。

3作目というと、1st、2ndの勢いもだいぶ落ち着き始めるころだ。そして、そろそろ新しい展開などをと、起承転結ではないが、転とでもいうべき変化なんてのも現れたりする。
リーフの3枚目である本作も、基本とする路線はこれまでと変わらないけれど、アコースティックギターを大々的に導入してみたりと、サウンドの幅を広げ始めた。グルーブに満ちたノリの良い楽曲群と、一歩引いたところから余韻を残すように響いてくる楽曲の対置は、バンドの個性を浮き彫りにしている。良く練られたアルバムであることが分かる。

しかし、相変わらず60,70年代を強烈に意識させる音を鳴らす。オアシスに代表されるようにイギリスのロックバンドにもこの傾向は多い。そして、これらのバンドをコピー的として切り捨てるのは容易い。だが、ロックンロールは楽曲が勝負。曲の出来がグレイトか否かで、バンドの評価は決まってくる。では、リーフの評価はというと、割と高い。4作目でZepの「天国への階段」ばりの名曲を生み出せば、音楽史に名を残すバンドになかも、等と思ったりもする。

年齢に関係なく、リズム&ブルース・ベースのロックンロールが好きな全ての人にお勧めします。

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[REEF]GLOWGLOW
REEF
★★★☆

イギリスはグラストンベリー出身のリーフ、2枚目のフルレンス・アルバム。

R&Bベースのロックを聞かせてくれるリーフ。今回は、一曲目でノック・アウト。前作から数段スケール・アップしている。
素直に「格好良いよ」と人に奨められる曲が多いってのが素晴らしい。そして、老若男女問わず、Rock’n Rollが好きな人なら「良いね」と気に入ると思う。これって、マスに向けて発信された音楽にはとても大事なこと。売れると思う。
また、他ジャンルへの接近も抜かり無く、「俺たちゃこういうことも出来るんだぜ、どうだい?」などと不敵な笑みを浮かべている様子が浮かんでくるよう。

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[REEF]ReplenishREPLENISH
REEF
★★☆

イギリスはグラストンベリー出身の4人組。R・ストーンズやP・ウェラーのツアーで前座を担当。収録曲の「NAKED」はソニーのMDのCMソングに使用されているので、聴いた人もいるかな。サウンドの方は60、70年代のロックを基調にしたブルース・ロック。メンバーは若いと思われるが、すでに良い味というか枯れた音を出してます。新しくも古いものが好きな方には御奨め。

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[RITUAL]RITUALRITUAL
RITUAL
★★★☆

スウェーデンからの現れたプログレッシブ・ロックの新星リチュアルの1st。

クイーンやイエス、ジェントル・ジャイアントを想起させるそのコーラス・ワークは若手でもピカ一では?さらに前述したバンドのように、複雑だけれど聞き易く、あくまで明るい音楽性は昨今では珍しいところ。個人的には暗鬱な音楽も嫌いじゃないのだけれど、そちらは同郷のアネクドテンさんあたりに任せて、こちらは清く正しく行きましょう!

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[ROLLINS BAND]Come in and BurnCOME IN AND BURN
Rollins Band
★★★☆

レーベルをドリームワークスに移し、3年ぶりのアルバム、満を期してリリース。

この男、武装する。鎧のように体を鍛えあげ、己が理論を構築する。それは外敵に対抗するためというより、己の内に潜むものに対して・・・。

今回のアルバムでは、彼の内に潜む、これまで頑なに隠されてきたものの片鱗が、ほんの僅かだが顔を出す。そしてそれは、このアルバムを魅力的なものにへと昇華させる装置としての機能を果たしている。
「鋼は剛性が増せば増すほど脆くなる。剛性と柔性のバランスが重要なのだ。」ということを、このアルバムを聞きながら考えた。

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[Rose Chronicles]Happily Ever AfterHappily Ever After
Rose Chronicles
★★★☆

カナダ生まれの4人組、ローズ・クロニクルズの2ndアルバム。

前作「shiver」は気に懸かりつつも買わずにすませた。今回は国内盤も発売され、入手し易くなったこともあり購入。

カナダという国は、女性ヴォーカルの宝庫である。このことはフィーメール・ヴォーカル・フェチにとっては常識以外のなにものでも無いが、一般にはまだ知られていない情報のようだ。ジョニ・ミッチェル、ジェーン・シベリー、K.D.ラング、サラ・マクラクランと枚挙に暇もない。そして、たんに歌が巧いというだけではなく、個性的なアーティストが多いというのは列挙した名前を見ただけで解ってもらえると思う。
で、今回は「薔薇の年代記」というなんとも蠱惑的な響きの名を持つバンドの2ndアルバム。金髪碧眼で見目麗しいクリスティ(Kristy Thirsk)嬢(美しい!)をヴォーカルに据えた4人組で、そのサウンドはクランベリズーの演奏隊をバックにエリザベス・シュー(Ex.コクトー・ツインズ)が凄んで歌うといった感じだろうか?(高音域や、コーラスのかけ方は、コクトーを連想する方が多いと思われる)
しっかし巧い!まるでクリスタルのようにバックの演奏にあわせてその歌声(&歌唱方)を変えていく。その変幻自在の持ち主、クリスティ嬢は今年度のフィーメール・ヴォーカル大賞に確実にノミネートしても良いと思う。

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[Roni Size=Reprazent]New FormsNEW FORMS
Roni Size = Reprazent
★★★★☆

97年にリリースされた、Reprazentの2枚組アルバム。国内版には、独自に編集した1枚物とオリジナル2枚組にボーナストラック1曲を付けた2種類があるので要注意!

その音は、ソリッドで無駄が無く、幾何学的な美しさを持ち、ため息が出るほどに格好良い。
彼らにとっては全ての音が同等であり、それをどこで、どのように、何と組み合わせて使うかにポイントがおかれている。故に、生楽器の音も、サンプリングした音も、シンセサイズした音も、同じ地平から鳴り響いてくる。
楽曲のヴァラエティーにも富んでおり、様々なタイプの、しかも新しくてオリジナルなDrum’n Bass世界を堪能できる。
破綻したところが無いというのが、ある意味欠点かもしれない。まとまりすぎているのだ。しかし、この連中の真価はライブにおいてこそ発揮すると聞く(ライブ行きそびれた・・・)。レプラゼントの6名にドラム、ベース奏者を加えた8人によるステージは、様々なジャンルの音楽を越境し、新たな地平を目指した強力な音楽を創作しているというのだ。それでいてストリート感覚に満ちているというから驚く。(<心底来日公演を見逃したことがおしくなる)
Drumn’n Bassというジャンルを超えて、広く評価されていくであろうRONI・SAIZE&REPRAZENT。今後、要注目のアーティスト集団だ。

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[RUSH]Vapor TrailsVapor Trails
RUSH
★★★☆

前作である「TSET FOR ECHO」より6年ぶりとなるフルレンスアルバム(ライブ盤は除く)。今作リリースまでの間にドラムのニール・パートは愛娘と愛妻を立て続けに無くし、解散説まで流れていましたが、ここに復活。

前作、前々作と続くにつけ、キーボードのパートが次第に減り始め、ギターサウンドが前面に出てきていたわけだが、今作では完全にキーボードを廃し、ギター、ベース、ドラムの3ピースサウンドとなっている。

そのサウンドはこれまとは比較にならないほどにアグレッシブである。キーボードを廃したことにより減ったサウンドを音圧で押し切ろうかのような勢いだ。
ギターはより前面に出てきており、サウンドもディストーション気味。ベースパートもこれまで以上に目立っており、主旋律を奏でる局面も数多く見られる。ベースサウンドが好きな私としては嬉しい展開が多い。そして、特筆すべきはドラムサウンドだろう。おかずも倍増しと言って良いほど多くなっているが、その音質がこれまでの作品とは決定的に異なる。非常に硬質な音で、叩き方もかなり力強く行っているように感じられる。メタル系パワードラムばりのサウンドだ。しかし、音数が多いというテクニカルなもの(楽曲にもよるけれど)。もともと、ドラムのニール・パートはハイ・テクニックなドラマーとして知られていたわけだが、今作での突き抜け方は凄い。結構いい年なはずなのだが、体力的に大丈夫なのかと心配までしてしまう。再婚して回春したのだろうかと勘ぐってましまう。

これまでの延長線上にある作品ではあるが、半歩は進んだ野心的なアルバムだ。新生RUSHが誕生したと言っても過言ではない。
RUSHファンはもちろん必聴のアルバムだが、ドリームシアターなどのハードプログレサウンドが好きな人も必聴だろう。

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[RUSH]Test for EchoTEST FOR ECHO
RUSH
★★★

何枚目になるのかは忘れたけれど、RUSHの新作。

演奏だけに注意をして聞くと、今までのRUSHの創り出した音像と異なる感じを受けた。楽曲は前作同様、シンセサイザーの目立った使用は抑えられ、ギター、ベース、ドラムの基本3ピースをメインにして、緻密に創り込まれている。そして、各楽器共にアグレッシブだ。しかし、RUSH節とも言うべきゲディー・リーの独特な歌唱法と歌声により、結果として、いつもと同じ印象しか与えかねない。ヴォーカル・ラインにも顕著な変化が見られれば、もっと積極的に評価するのだが、惜しい。
とはいえ、ここ数年のRUSH作品の中では際立って良い。90年代RUSHのマスター・ピース的作品かもしれない。

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