Music Review P

[Paula Cole]This FireTHIS FIRE
Paula Cole
★★★☆

ポーラ・コール2枚目のアルバムにして、国内初リリース。特別ゲストとして、ピター・ガブリエル、ベーシストとしてトニー・レヴィン、ホイッスルでSeamus Egan(Ex.ブラザー・マクマレンのサウンドトラック)などが参加しています。

ポーラ・コールという女性を初めて知ったのは、ピター・ガブリエルのライブ・ビデオ「シークレット・ワールド・ライブ」でのこと。ガブリエルの特徴ある声に負けることなく、豊かな声量で透明感溢れる歌声を会場中に響かせていたことは強く印象に残っています。そして、彼女は気に懸かる女性アーティストの一人になりました。
その後、彼女のアルバムが発売されていることを知りましたが、CD店に行くとつい忘れてしまうという大失態を続けてきました。しかし、彼女のアルバムの国内発売が決まったということで、これは買わないわけにはいけません。忘れないようにと予約をし、購入したのがこのアルバムです。

アルバムを聞いてみると、予想していたものとは全く異なるので驚かされました。母性溢れ、聞いている者を優しく包み込んでくれるよな作品を想像していたのですが、そこにいたのは戦う女性の姿でした。自立していて、誰に対しても対等に接っすることを要求し、時には相手を挑発する女性。これが僕がこのアルバムを聞いた後に描いたポーラ像です。ですから、聞いていて安らぎを感じるというよりは、心臓をチクチク刺されるような痛みを感じます。そしてそれは、彼女の卓越したヴォーカル・テクニックと、作曲能力で倍加するんです。と、ここまで読んで「なんだかなぁ」と、ネガティブな印象を抱いた方、早まってはいけません。作品としてはかなり高品質です。フィーメール・ヴォーカルの愛好者は必須のアイテムです。

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[Pearl Jam]Pearl JamPearl Jam
Pearl Jam
★★★☆

パールジャム通算8枚目のフルレンスアルバム。

アルバムタイトルにバンド名を冠してのリリースである。某かのの決意を持ってのことなのだろうか?

前作である「Riot Act」は良い曲もあるのだが、聞き通していると途中で暗鬱とした気分になってくる。今作はというと最後まで聞いても聴き疲れはしない。歌詞の内容はネガティブなものもあるのだが、前作とは異なりエディ・ヴェダーが能動的に歌い上げているため、鬱な展開にはならない(明るいわけでも無いが)。 バックの演奏が歌詞の重さには引きずられていないことも撃つにならない一因だろう。これまであまり作曲には関与してこなかったマイク・マクレディが13曲中5曲に参加していることも特筆しておくべきことだろう。マクレディの音楽的背景はハードロック・ヘヴィーメタルで、作曲した曲にその要素は少ないが。

アメリカの現状とそれを取り巻く世界の未来は暗い。そのような国で活動するバンドであり、かつ感化されやすいナイーブな性格のエディ・ヴェッダーの描き出す歌詞世界が明るくなるわけがない。しかし、あいつは酷い最低な奴だとか、世界は腐っていると轟音をバックに歌っても、実際のところメッセージは轟音にかき消されて聴衆には届かない。その辺のことを前作で学習した後に制作された今作は厳しいメッセージを持ちながらも、楽曲として聞き込める要素を持つ。また、曲の出来も良い。曲調もストレートなものばかりだ。前作で引いてしまったファンは勿論、アメリカンのロックを愛する人にお勧めする一枚だ。

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[Pearl Jam]Riot ActRIOT ACT
Pearl Jam
★★★

マット・キャメロンを正式ドラマーとして迎えて制作された、パールジャム7枚目のフルレンスアルバム。

タイトルが「RIOT ACT」となっているように、現状のアメリカを批判した曲がある一方、直接的な表現で「LOVE」と歌う曲もある。しかし、何処か煮え切らぬ印象を受ける。それはヴォーカルに覇気が無いということもあるし、楽曲のテンポが全体的に遅いということもあるわけだけれど、どうもそれだけでは無いような気がする。

どうにも枯れた印象を受けてしまう、地味目な作品。もう少しバンドとしての内圧が高まってきてからアルバムを制作して欲しかった。パールジャムの作品中、聞いていて最も楽しめないアルバムといえる。

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[Pearl Jam]BinauralBINAURAL
Pearl Jam
★★★☆

通算6枚目にあたるフルレンスアルバム。

ドラムのジャック・アイアンズは病気治療中のため、「イルード」ツアーにも同行していた元サウンドガーデンのマット・キャメロンが継続して参加となっています。彼はテンプル・オブ・ザ・ドッグなどのプロジェクトなどでパールジャムの面子とは交流も深いので、バンドに上手く馴染んでいます。

パールジャムというバンドは、これまでにも様々な問題に悩まされてきました。それは、チケットの販売問題であったり、マスコミからの取材攻勢であったりとするわけですが、最も大きいものは、時代の代弁者的存在として求められたことではないでしょうか。バンドの中心であるエディ・ヴェダーは、そのことでかなりの精神的重圧を受けてきたと思います。彼の発言、行動の一つ一つが注目されていたわけですから。
しかし、そのような重圧もバンドがデビューから10年近くを経た今では軽くなってきたのでしょう。また、彼らも次第にその圧力から逃れる術を得てきたのだと思います。その結果、今作ではどこか吹っ切れたかのような印象を受けます。バンドが一回り大きくなったような安定感も伺えます。

もちろん、彼らの演奏する音楽はいつものようにロックです。ポップになったり、身かけだけのロックスターを演じるわけでもありません。相変わらず、ロックに誠実な連中です。アコースティック楽器の大量導入に新境地を見いだすことも出来ます。

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[Pearl Jam]On Two LegsLive On Two Legs
Pearl Jam
★★★★

パールジャム初のライブアルバム。16曲を収録。

パールジャムのライブ盤って、これが初めてのリリースなんですよね。実は、彼等のライブを収録したブート盤を、結構な枚数(6枚以上はあります)所有していまして、ちっとも初な感じがしません。しかもブートの大半はライン録音(しかもデジタル)だったりするので、音質が良いんですよ。で、このブート盤の中にはドアーズの面々とエディーが「ブレイク・オン・スルー」や「ハートに火を点けて」をプレイした際のライブも収録したものもあります。これはかなり面白く、ジム・モリスンがエディに乗り移ったのでは?と感じてしまうほど。実際、これはかなりスピリチャルな体験であったとエディは語っていました。
ということで、彼等のライブは、前述のブートやこれまたブートのビデオ、一度だけ行われた日本公演で体験しているので、その凄さは知っています。楽曲は、アルバムで収録されたものより格段に躍動感が増し、感情にダイレクトに繋がったかのように、熱く伝わってきます。メジャーになったり、時を経ることで次第に失われていくロックすることへの情熱、彼等はいまでもそれをもち続けています。スタイルだけではなく、血肉をともなったリアルなロック。これこそが、彼等が今も支持されている大きな理由であり、私が彼等を支持する理由でもあります。
彼等のファンの多くが、このアルバムにて彼等のライブに初めて触れることになるのではないかと思います。この作品は現在の彼等のスナップショットであり、彼等のベストショットでもあります。いずれの日にか来るであろう彼等の来日公演を想い、聴いてみて下さい。

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[Pearl Jam]YieldYIELD
Pearl Jam
★★★★

パール・ジャム、通算5枚目のフルレンス・アルバム。

前作にあたる4枚目のアルバム「NO CODE」は、バンドの持つ様々な要素を、とにかく放射してみようという意思が感じられた。それは可能性の追求であり、バンドの進む方向としては至極真っ当な選択だった。そして今作では前作と一転し、音楽性を絞り込み、得意なことを更に磨きをかけてやってみようという方向で制作されたように見受けられる。路線としては、1st、2ndの延長線上あると言えるだろう。しかし、勢いのある曲でも、遮二無二突き進むという形から、演奏に余裕すら感じられるというあたりには、バンドとしての成長が如実に現れていると言えるだろう。

対訳だが、ブックレットに記載されている文章を翻訳したらしく、実際のものとはかなり異なる。1曲目など、対訳だけに目を通すとポジティブソングとして捉えることも出来るが、実際は痛烈な批判ソングである。「教え込まれた 望ましい形に」は「杓子定規に教え込まれた」であろうし、「奴らに与えられた名前によって格付けされる」という一節も欠落している。イタリア版の対訳ではエディーによる入念なチェックが行われているという。日本版もエディー本人にとはまでは言わないが、信頼の置ける人間に翻訳のチェックを行って頂きたいものだ。
ということで、訳詞を信用せず、自分で翻訳してみましょう。大変ですが、曲に近づくことも出来ますし、英語の勉強にもなると一石二鳥ですから。

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[Pearl Jam]NO CODENO CODE
Pearl Jam
★★★★

パール・ジャム4枚目のフルレンス・アルバム。

ニール・ヤングとの競演により、彼等は年を取っても死ぬまでロックし続ける生き方を学んだ。この作品はおそらくバンドとしての死までに何十枚と出されるであろうアルバムの一枚にすぎない。しかし、これは現時点での彼等の想いを込めた最良の結果である。この作品に対して、あまり言葉はいらない。同時代を生きる者として、彼等と同じように悩みを抱える者として、じっくりと聞き込み、自分なりの評価を下す。それがこの作品に接する最良の方法だ。

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[Pearl Jam]tenten
Pearl Jam
★★★★★

パール・ジャムの記念すべきデビューアルバム。

そう、パールジャムの歴史はここから始まった。前身となるバンド、グリーンリヴァーやマザー・ラブ・ボーンとは明らかに異なる質。荒削りに聞こえながら、その実、完成された楽曲。そして、エディ・ヴェダーの手による詩。その当時、シーンを席巻していた派手なだけの馬鹿ロックもどきとは異なる、切実に訴えかけてくるその歌詞は、明らかに他とは違った。

「ALIVE」では、ある少年の心情を描いている。母親に見捨てられた少年の話だ。少年の心は真空で、自分の存在を肯定するすべさえわからない。そして、こう疑問を抱くのだ。「俺は生きていて良いのかな?」と。
「JEREMY」では両親に疎んじられ、心を病んだ少年が描写される。
「WHY GO?」は病院に押し込められた少女の叫びだ。

その他の楽曲を解説するまでもなく、この作品は病んだ子供の叫び声で満たされている。そして彼らの要求することは一つに集約される。

私を見てください。
私の存在を認めて下さい。

このようなことを訴えなければいけない状況は、想像するだけで胸が締め付けられる。そして、これは少年時代のエディー自身の叫びでもあったのだろう。そうでもなければ、このような詩を書けるとは思えない。事実、この当時のライブを見ると、そのパフォーマンスは真に迫っており、心にダイレクトにメッセージを訴えかけてくる。

幼児虐待ほど目立たないまでも、幼児期に親に疎んじられた子供は、心に疵を持つ。心に負ったぞれは、目に見えないだけに悪化しやすく、癒すことが難しい。やがて成長した彼、彼女の精神(こころ)は病んでしまうかもしれない。パールジャムのこのアルバムは、若者達に圧倒的支持を得た。彼らの多くは、その心の奥深くに癒しきれない闇を抱えていたのだろう。パールジャムに心頭していった。それが、爆発的な大ヒットを支えたのだと考える。しかし、このような若者達の熱狂は、やがてエディ・ヴェダー自身を苦しめることになる。若者達に教祖的存在として求められていったのだった…。

このアルバムは、昔の表現で言う、それこそレコードが擦り切れるぐらい何度も聞き返した。紛れもなく、生涯のベストアルバムの中の1枚である。

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[Peter Gabriel]OVOOVO
Peter Gabriel
★★★

スタジオ録音としては8年ぶりとなるピーター・ガブリエルのフルレンスアルバム。ロンドンに建造されたミレニアムタワーのための視覚的プロジェクトのサウンドトラックというのが、今回のアルバムの性格。
また、本作はEnhanced-CD仕様となっているので、WindowsやMACなどに入れると、MACROMEDIAのディレクターによって制作されたプログラムが再生されます。内容は、OVOのストーリーと、ムービー、関連サイトへのリンクとなっています。


参加ミュージシャンは、いつものトニー・レヴィン、マヌ・カッチェ、デヴィッド・ローズ等。そして、ゲストとしてコクトーツインズのDIVA、エリザベス・フレイザーやポール・ブキャナン、イアーラ・オリオネアード、ネナ・チェリー、リッチー・ヘヴンスなどが参加しています。

今作「OVO」は3世代の家族を主軸に、自然との共生、科学一辺倒主義への警告、両親と子供達の諍いなどが、イノセントな視点から語られています。この辺は、ブルジョア育ちのピータ・ガブリエルらしいと言いましょうか。ワーキングクラスから馬鹿にされたり非難される要因ですね。

サウンドの方はというと、ミレニアムなイベントのためということなのか、最近のクラブミュージックやトラッドミュージック、アフリカンビート、中近東的旋律など、様々なとことから引用しています。前作「US」や前々作「SO」の系統にあるものは2,3曲程度になっています。

聞いていて、結構ネガティブな感想も浮かんでくるのですが、音楽シーンの表舞台に久々に顔を出したのですから、ひとまず歓迎してあげたいと思います。

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[Peter Gabriel]UPUP
Peter Gabriel
★★★

前作である「OVO」は特殊なイベントのために制作されたアルバムなので、これを除くと10年ぶりとなる通算7枚目のソロアルバム(OVOや、映画のサントラは除く)。

前作である「US」はそれまでのピーター・ガブリエルにして珍しく全体的にポジティブシンキングなアルバムで、これまでは叙事的な歌詞が多かったのだけれど、この作品では叙情的な歌詞が多く。愛の賛歌と言えるような、純粋なラブソングも数曲収められいる。サウンドの面も強力なリズム隊の素晴らしい活躍で、実に躍動感溢れるアルバムだった。

翻って今作「UP」である。のっけから3rdアルバムの「INTRUDER(侵入者)」のような強迫観念に満ちた楽曲「darkness」で始まる。2曲目はニューエイジ思想丸出しの歌詞世界。暗い歌ではないが内省的な、あくまで個のことを歌ったものだ。「US」で多く見られたような外(他者)に向かって発信するようなものではない。3曲目も個の発露。4、5曲目は続いたような内容で愛する者を喪失感を歌っている。6曲目は低俗なTV番組をシニカルに表現したもの。昔のソロアルバムに収められていたような楽曲(サウンドアプローチは異なるけれど)。7曲目は無為な日々と、それに疲れた心を描いてる。また、単調なサウンドが一転して騒々しいサウンドになるあたりは、心に狂気が芽生えた瞬間を絶妙に表現している。8曲目は「SO」(5枚目のソロアルバム)あたりに収められていてもそれほど違和感の無いような楽曲。9曲目はスーフィズム(イスラム密教)の音楽であるカッワーリーの巨匠、ヌスラット・ファテ・アリ・ハーン(1997年に逝去)のバックコーラスが印象的な作品。アルバムラストの10曲目はピアノがメインの弾き語りのような静かな作品。歌詞も「終わり」を印象付けるようなもの。

大まかな印象を列挙してみたが、アルバムを概して見た印象はSO以前の作風に戻っているということになるだろうか。サウンドにもあまり新奇さは感じられない。歌詞世界も「US」こそがイレギュラーな作品で、今作は以前の路線により戻したと言える。
では、作品としてつまらないかというと、そんなことは無い。引きは弱いが、聞き込むとなかなか味わい深いアルバムだ。ただ、ここ数作品で見られた女性シンガーとのデュエットが無いことが寂しい。

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[PHOTEK]The Hidden CameraThe Hidden Camera EP
PHOTEK
★★★☆

96年にリリースされた「THE HIDDEN CAMERA」に新曲2曲、「二天一流」「五輪書」を加えた、日本独自のミニアルバム。

DRUM’N BASS界で天才の称号を冠されるPHOTEKこと、ルバート・パークス。なるほど、その称号に恥じないミニ・アルバムだ。
その印象は、アーバンなジャズといったところだろうか。その洗練されたスタイリッシュな音楽性は、耳に馴染みやすい。それでいて、「七人の侍」あたりからセリフのサンプリングをするなど、遊び心も満載だ。かなりの層にアピールする作品では無いだろうか?
ドラムンベースの入門にも丁度良い。

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[PHOTEK]Modus OperandiMODUS OPERANDI
PHOTEK
★★★☆

一部では天才と噂されるドラムン・ベース界の若手クリエイターPHOTEKこと、ルパート・パークス。万を期して、1stフルレンス・アルバムをリリース。
全11曲(内ボーナスが1曲)ですが、何曲かがミニアルバム「Hidden Camera」と重複しています。

PHOTEKのサウンドは、3次元的な広がりを常に意識させる。そう、非常に立体空間的な音楽なのだ。そしてこれは、感情より理性を優先させる作曲方によって生まれてくる。これは、ミニマルな音楽に通じてきたりして、興味深い。
また、PRODIGYあたりが、プリミティブな衝動に頼っているのとは、とても対照的だと言える。

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[PIG]SinsationSINSATION
PIG
★★★

「この解りやすさは何?」まさに、インダストリアル・メタルの入門にうってつけ。しかも、曲はかっこいい!これなら、メタル・キッズにも受け入られること間違いなし!ただし、彼等の耳に入ればの事だけれど・・・。
日本のメタル専門誌(そんなに数は無いけれど)の多くが、新しい音楽を紹介するという役目を放棄していうるからなぁ

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[PIG]WreckedWRECKED
PIG
★★☆

PIGことレイモンド・ワッツ、ほぼ一年ぶりのニューアルバム。今回はNINのトレント・レズナー主宰するレーベルからのリリース。

今までとサポート体制が替わり、どうやら全米でのメジャー化を狙っているらしい。収録曲は新曲を7曲、前作から2曲、2ndから1曲をリミックスしての再録で、計10曲。

うーん、最近この手のインダストリアル・メタルって悪い意味で様式美化してない?どの曲から聞いても同じような気がする。で、歌詩の方も豚とか死とかで血生ぐさい・・・。悪感情だけを訴えるってのは、あまりにも非建設的で不毛だぞ。もし、世界が人々の想いを具象化した存在だとすると、この種の歌ばかり聞く人で世の中が満たされれば、滅びの道を大爆進ってことになってしまう。私はそんなの嫌だから、レイモンドさん世界を悲観(それとも卑下?)するのはやめて、もうちょっと救いの光が差す歌を歌おうよ。ほんのちょっとの光明で良いからさ。って、今回はちょっと説教(宗教?)臭い(笑)

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[Pterre Vervloesem]Fi asc ofi asc o
Pierre Vervloesem
★★★★

X-LEGGED SALLYのメンバー、dEUSのプロデューサーとして知られるピエール・ヴェルヴローゼン、2枚目のソロ・アルバム。

危いっすよ。めちゃくちゃ格好良いっすよ、コレ。前から評価しているプレイヤーでしたけれど、再評価どころか要注目っすよ!
ちょっとフリップの入ったEギターの印象的なメロディーに、アコギのいかしたカッティング。で、曲の表層を撫でるように絡み着くエロティックなサックスとパンキッシュなヴォーカル。もうメロメロっす。そんでもって、アルバムはまだ1曲目。2曲目以降も、曲調を換え、様々な角度から魅惑の楽曲が奏でられていくっす。もう、アルバム聞き終わったころには昇天っす。マジで。
買ってみてよ。コレ。難解さは無いし、適度にポップ。心底からお勧め。特にクリムゾン好きって人に最適かも。

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[plug]drum'n' bass for papadrum’n’ bass for papa
plug
★★★☆

トータスのリミックスアルバム等で知られる、ルーク・ヴァーヴァートことplug。多分、フルレングスのアルバムとしては1st。

暗黒系Drum’n Bassとでも言った感じか?このフィールドの多様性を示す好作品。
果たして、これ聞いて踊る人がいるのでしょうか?私は鑑賞用として楽しむから良いけれど、どうなんでしょう?
ええっ、鑑賞するには面白い作品です。音響は凝りに凝り、受ける印象も硬質・硬派で好感度大。Drum’n’ Bassの入門には異端過ぎる一枚ですけれど、お勧めです。

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[Porcupine Trees]Fear of a Blank PlanetFear of a Blank Planet
Porcupine Tree
★★★☆

イギリスのハードプログレバンドPorcupine Treeの15枚目となるフルレンスアルバム。ゲストとしてRushのAlexやKing CrimsonのRobert Frippが参加。18分近い大作「Anesthetize」を含め、全6曲で構成されている。内容は「引きこもり」というなんともタイムリーなテーマを持ったコンセプトアルバム。

前作である「Deadwing」は曲のバリエーションに飛んだ良作だったのだが、今作はコンセプトアルバム、かつ、テーマも暗いために全体のトーンも暗めで重苦しい。美しい旋律も数多く奏でられるが、それでも重い。とはいえ、その暗さも含めて好きな人にはたまらないであろう。曲の構成力は相変わらず巧く、聞き流すつもりが、つい聞き込んでしまう。

プログレ好きならば、手元に置いておきたい1枚だ。お勧め。

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[Porcupine Trees]Dead WingsDead Wings
Porcupine Tree
★★★☆

イギリスのハードプログレバンドPorcupine Treeの13枚目となるフルレンスアルバム。今作はWHDエンタテインメントより初の国内盤がリリースされました。

知り合っていてもおかしくない程近いところに何年も一緒に居て、お互い共通の友人が何人もいながら常にすれ違っていたと言いましょうか、Steve Willson率いるPorcupine Treesはもの凄く近くにいたのにこれまで全く視覚に入ってきませんでした。しかし、Steveのことは彼が以前に演っていたno-manというバンドで知っているのです。彼がプロデュースしたバンド、Opethのアルバムも持っているのです。加えて、SteveのことをRobert Frippは高く評価していて、最近ではDGM(Dicipline Global Mobile)にても彼らのアルバムが発売されるまでになっています。このように何度もニアミスはしているのですが、ちっとも気がつきませんでした。存在を知り、アルバムを購入した今となっても何故なのか不思議でしょうが無かったりします。

さて、Porcupine Treesの話です。バンドのリーダーであるSteve Willsonは前述の通り元No-manのメンバーです。no-manはエレポップなハウスミュージックですが、1stのゲストにはシルヴィアン抜きのJapan組が参加し、2ndにはJapan組に加えてフリップとメル・コリンズといったCrimson組まで参加して、とんでもないことになりました。大物ゲストの参加が無くなった3rd以降は音楽的にパッとせず4thをリリースした後は活動が休止してしまいました(再活動しているようですが)。で、Steve Willsonは1989年にno-manとは別のプロジェクトとしてPorcupine Tree始めます。当初は企画的なバンドでしたが、次第にパーマネントなバンドへと変化し、メンバーにはno-manにもゲスト参加していた元JapanのRichard Barbieriも参加することになりました。当初はPink Floydよりなサウンドでしたが、近作ではハードプログレ寄りになっています。

今作「Dead Wings」でも前作「In Absentia」と同じ路線で、アメリカ市場を意識してハードな展開を見せます。そこにRushのGeddy Leeのように線の細いSteveのヴォーカルが乗ります。そういえば、Steveの見た目はGeddyに似ています。
収録された楽曲はハードプログレなものばかりではなく、no-manのような哀愁漂うセンチメンタルな曲もあり、飽きさせません。Dream Theaterのようなテクニカルなインタープレイの応酬ということも無いので、ハードプログレを苦手とする人にも聞きやすいのでは無いかと思います。

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[PFM]The World Became The WorldTHE WORLD BECAME THE WORLD 甦る世界
Premiata Forneria Marconi (P.F.M.)
★★★☆

英語圏向けに制作されたアルバムとしては2枚目に当たる「甦る世界(邦題)」が、世界初CD化。プロデュース&歌詞はキング・クリムゾンのピート・シンフィールド。
同タイトルでイタリア語盤がありますが、微妙に異なります。まず、英語盤の方が1曲多い。そして、その曲こそがタイトルにもなっている「THE WORLD BECAME THE WORLD(甦る世界)」。(1st「STORIA DI UNMINUTO(幻想物語)」に収録の「Iimage/mpRESSIONI DI SETTEMBRE(九月の情景)」が元曲)そして、見た目の違いとして、イタリア盤はジャケの色が緑で、英語盤は青。

これで、CDでのPFMコレクションの最後のピースが揃ったと、ホッとした方も多いのでは?かく言う私もその一人。イタリア語盤も決して悪いわけでは無いのだけれど、キングクリムゾンのピート・シンフィールドがプロデュースをしているということがきっかけでこのバンドを聞き始めた者にとっては、どうしても英語版はそろえておきたいというマストアイテムだ。
うーん、感無量。長い間の望みの一つが叶い、言うこと無し。ダイナミックかつ繊細、リリシズム溢れるメロディーの数々は、あなたを魂の故郷へと連れていってくれることでしょう。ああっ、PFM。我が心のパライソ。

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[PFM]10 ANNI Live10 ANNI Live
Premiata Forneria Marconi (P.F.M.)
コレクターズ・アイテムとして★★★★☆
音楽に対する評価として★★★☆

突如リリースされたPFMの未発表ライブを納めたBOXセット(4枚組)。
以下に簡単な収録曲の説明を

<DISK-1>
’71~72年のメジャー・デビュー以前、Quelliというバンド名にてイタリアをツアーした際のパフォーマンスを収録。オリジナル曲も収録されていますが、1曲目からいきなりクリムゾンの「21世紀の精神異常者」、以降もジェスロ・タルの「MY GOD」、またクリムゾンで「PICTURE OF THE CITY」なんてのも入っています。

<DISK-2>
’73~74年、元クリムゾンのピート・シンフィールドと共に作り上げた、海外向けのアルバムとしては「PHOTO OF GHOST」に続いての第2弾となる「the world became the world」発表時のアメリカ・ツアーの模様を収録。今回のBOXでは、1枚目とこれが目玉でしょう!

<DISK-3>
’75~76年、「CHOCOLATE KINGS」ツアー時の模様を収録。この当時の模様はブートが出回っていますが、それらと比較して音質は正規版だけあって、かなり良い(というより、比較するのが馬鹿?)。

<DISK-4>
’77~78年の「JET LAG」ツアー、’80~81年の「PERFORMANCE」ツアー時の音原。「CHOCOKATE KINGS」で、ヴァイオリンのマウロ・パガーニが脱退したこともあり、日本では急速に評価が落ちたあたりのライブ。

<感想>
近所のCD店でも入荷するだろうと、安易に考えていたら入荷せず、追加を出したら限定版のために次回のプレスは未定と注文を断られてしまい、冷や汗タラリ。しかし、なんとかイタリア版を入手することができて、胸をなで下ろしました。しかも、国内版(と言っても、輸入版にライナー付けただけだと思うけれど)より二千円近く安かったので、気分も上々(笑)内容のほうも素晴らしいので、顔も思わずほころんできます。
PFMとはなんぞや?と言うプログレ超初心者を除き、聞いたことのある人でPFMを数枚でも持っているのなら買いなさい!はずれじゃありません。当たりです。
超初心者は、とりあえず「PHOTO OF GHOST(幻の映像)」を購入し、気にいったのなら、翌日購入しなさい。必須・アイテムです。

(注)
国内版はキングレコードより「Absolutely Live」というタイトルで発売されましたが、予約限定のため入手出来ず、イタリア直輸入版にての評価となります。

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[Procect X]Heaven And EarthHEAVEN AND EARTH
PROJEKCT X
★★★★

新生キング・クリムゾンのためのプロジェクトシリーズの最後を飾るのが、このプロジェクトX。プロジェクトI~IVから一気にXに進んでいる。これまでのプロジェクトを総括するとともに、さらに先へと進んでいる。

楽曲の大半がインプロヴァイゼーションでインストゥルメンタルということで、クリムゾンよりもアルバムの焦点が絞られており、そこから受ける印象は硬質だ。楽曲もHEAVYなものが多くを占め、その展開はスリリングで、ひたすらに格好良い。トータルで72分を超える大作だが、長いと感じることは無い。

全クリムゾンファンは必聴のアルバムだ。

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[PRODIGY]The Fat of The LandTHE FAT OF THE LAND
PRODIGY
★★★★

プロディジー待望の3rdアルバム。

分かり易くノリの良い楽曲に加え、個性的なメンバーのヴィジュアルによる印象付けが成功をおさめ、世界的に知名度を上げたプロディジー。先行シングルの大ヒットにより、今作の成功も約束されたようなものだろう。あとは世界規模でどれだけ成功するかが見所と言える。7月末、富士山にて行われるイベントの最終日にトリを飾るということも、このバンドの勢いを象徴していると言えよう。

(上記のレビューを書いたのはアルバム発売直後。公表するのを忘れておりました。しかし、今読むと少々陳腐化した感も有ります。で、新しいレビューも追加しておきました。)

頭の中では、この音楽を安易に迎合し、絶賛するメディアの風潮に異を唱えるため、ちょっと否定したことを書いてみたいのだけれど、まずはフィジカルに訴えてくるこのアルバムの前にそのような思い粉微塵に砕かれてしまった。

ダンス・ミュージックの特徴である身体に直接作用する力と分かり易さと、パンクのアナーキズム等を、高次元にてハイブリッド化し、かつ普遍的な魅力を兼ね備える。こんな荒技は、そうそう出来るもんじゃない。しかし、こいつらは見事にそれを実現している。これは、時代に魅入られた者達のみが可能な、特権的才能によってのみ成し得ることだろう。
時代の要請がさらに先をと望み、彼らがその要求に応えられなくなるまで、この連中の勢いは留まるところが無いだろう。

余談ですが、このアルバムをかけていたときに、知り合いの幼稚園児&小学生が突然遊びにやってきました。しばらくすると強力なリズムに堪らなくなったらしく、突然踊り始めてしまいました(^^;この年齢の子供にも作用するとは、「恐るべしPRODIGY!」と実感した瞬間でした。

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[PRONG]Rude AwakeingRUDE AWAKENING
PRONG
★★★☆

PRONG通算5枚目のフルレンス。

切れ味鋭いけれど、どこか耳になじむリフ。格好良いぞこのアルバム!ミニストリーの新作に物足りなさを感じたインダストリアル・ファンやHELMETなんかが好きなNYハードコア・ファンに超お勧め!

ちなみに輸入版はCDエキストラ仕様になってますので、MACやWINDOWSをお使いの人はマシンに入れてみて下さい。クイックタイム・ムービーやバンドのプロフが入ってます(国内版は未確認)

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