Set Em Wild Set Em Free
Akron/Family (MySpace)
★★★★
アメリカのフォークロックバンドAkron/Familyが2009年にリリースした通算3枚目のフルレンスアルバム。
バンド構成は元々は4人だっただが、前作を最後にギターのRyan Vanderhoofが仏門に入るために脱退、トリオ編成となった。メンバーが減ると音数も減りそうなものだが、このバンドのメンバーは各々がかなりの楽器をこなすマルチ・ミュージシャンでもあり、以前より音数も音圧も増えることとなった。
ジャンルとしてはフォークロックになるのだろうが、かなり雑多に様々な音楽を取り込んでおり、その音楽性はプログレ的(どことなく、ドイツのAmon Dull IIあたりを彷彿とさせるところも)でもある。前作まではもう少し内向きな音楽だったのだが、今作ではリミッターが外れたのか、1曲目「Everyone is Guilty」(*)でこれまでとは違うことを強調するかのように爆発している。この曲はとくにプログレ者などにアピールする、面白い楽曲だと思う。私などはこれ1曲だけで、アルバム分の価値があるとさえ思う。
従来通りの牧歌的な曲も数多く収録されており(実際はその方が多いわけだが)、既存のファンでも十分楽しめると思う。このアルバムはかなりおすすめ。
(*)
Youtubeでライブ映像が色々と配信されているので、確認してみて下さい。メンバーのビジュアルはむさ苦しいが。
曲のタイトル「Everyone Is Guilty」は仏門に下ったRyanへのあてつけなのか、キリスト教的に全ての人間は原罪を背負った罪人であるということか?
元Guns'n'RosesのギタリストSlashのソロアルバム。曲毎に著名なヴォーカリストをゲストに迎えるゴージャスなアルバム(元Alter BridgeのMyles Kennedyのみ2曲参加でツアーにも参加)。多数の参加ヴォーカリストの中で、Ian Astbury(Ex.The Cult)、Ozzy Osbourne(Ex.Black Sabbath)、Chris Cornell(Ex.Soundgarden)、Andrew Stockdale(Ex.Wolfmother)、Lemmy Kilmeister(Ex.Motorhead)あたりが気に懸かり購入してみた。
どの楽曲もヴォーカリストの特性を生かした作りとなっており、ギタリストのソロアルバムとしては、ヴォーカリストの比重がかなり高い。スラッシュのギターが全面に出ることなく、引き立て役に徹していると感じる楽曲も少なくない。このへんが功を奏したものとそれなりのものに分かれ、最小公倍数と最大公約数といったところだろうか。
Slashのギタリストとしての多様性と職人的なプレイ、そして楽曲のコンポーザー、プロデューサーとしての才が良くわかる良作なアルバムだ。彼のファンならずとも、効いてみる価値がある作品だ。
Slash