Music Review N

[Neil Young]Mirror BallMIRROR BALL
NEIL YOUNG(& PARL JAM)
★★★

契約上、クレジットはされていませんが、バックで演奏しているのはパール・ジャム。年齢差を越え、熱い想いを抱えた同士達による珠玉の名作。
エディー・ファンの私としては、彼の声が前面に出ていないことで、すこし食い足りない気もしますが、熱い男たちの想いがそれを補ってくれました(なんか凄い文章)。

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[Nirvana]From The Muddy Banks of WishkahFROM THE MUDDY BANKS OF WISHKAH
NIRVANA
★★★★

メジャー・デビュー以前の’89年から’94年までのライブの模様を納めたライブ・アルバム(全16曲)。

カートの衝撃的な死から、もう2年の月日が流れてしまった。そしてその後も、ブラインド・メロンのシャノン・フーンのような若き天才が何人も逝ってしまった。しかし、カート率いるニルヴァーナほど音楽世界に衝撃を与えたバンドはいなかったであろう。
たしかに、彼等以前にも多くのバンドが強烈な作品を産み出している。THIS HEAT、THE POP GROUP、ART BEARS、etc・・・。だが、彼等の創り出したものはそれほどマスに作用したわけでは無かった。あくまで、先鋭的な感性を持つ少数の人達に支持されたにすぎない。
しかし、彼等はコアでいながら、大衆に対しても共感を呼んだ。メジャーとマイナーの境界をひっかきまわし、新しい音楽のフィールドを作り出した。これにより、今までは予想だにしなかったようなバンド群が次々とメジャー・デビューすることになった。この功績は非常に大きく、価値がある。
ニルヴァーナ以前、音楽業界はダイナソア的バンドがその中心をしめていた。巨大なだけの空虚なステージ・セットに、歪な衣装をきてポーズをとる道化師達。イメージのみを売り、中身の詰まっていないバンド群に私は僻易していたし、存在が疎ましかった。しかし、彼等の出現でそんな世界は一気に崩壊し、世界同時多発的に面白い音楽が生まれる状況となった。もはや、アメリカやイギリスだけが音楽世界の中心ではありえなくなった。そして、インターネットの一般化である。様々なアーティスト達が、地元から世界に向けて情報を発信することが可能なとなった。玉石混合ではある。しかし、音楽世界の裾野は広がった。これから、面白いことになるだろう。
全てニルヴァーナのお陰とは言わないけれど、かなり大きな起爆剤の一つであるとは言える。ここは彼等の偉業を讃えつつ、じっくり聞き込んでみて下さい。

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[no-man]Loveblows&Lovecries - A ConfessionLoveblows & Lovecries - A Confession
no-man
★★★☆

誰が名付けたかアンビエント歌謡の雄、NO-MANの1stフルレンス・アルバム。
私が購入したこの盤は、ミニアルバム「Lovesighs - A Confession」をカップリングした、2枚組仕様。全世界2000枚の限定盤。って、そんなこと知らずに買いましたが。

テクノとロックの融合などが騒がれる昨今ですが、90年初頭に歌謡曲的メロディーとテクノの融合を目指した連中がいました。それが今回紹介するノーマンです。

基本のメンバーは、ヴォーカル&作詞担当のTim Bowness、ヴァイオリン奏者のBen Coleman、プログラミング&その他のSteve Wilsonの3人となります。また、目立ったゲストとして、デヴィッド・シルヴィアン抜きのJAPAN組みが参加しています。(また、この作品が縁となり、その後親密に共同作業を続けるようになります)

楽曲の基本構成は「アンビエントなリズムに、爽やかなストリングス系のサウンドが絡み、そこにウィスパー系のヴォーカルが乗る」と言ったところです。そしてジャパン組みが参加することによって、曲の魅力がさらに増加します。ミック・カーンのフレットレスベースによる独特なフレージングは、曲に絶妙なフックを与えます。「RAIN TREE CROW」以降は、悟ったかのように最小限で効果的なリズムを刻むスティーブ・ジャンセンのドラムは、曲に空間的な広がりを与えます。そして、リチャード・バルビエリのキーボードによる音のデコレーションによって、曲の彩りが豊かになっています。
と、JAPAN組の話ばかりしても仕方ありませんね。肝心のno-manの話に戻しましょう。
彼らのサウンドには、特に斬新性があるとは言えません。しかし、メージャーに通じるポップセンスと、独特のアート感覚の共存は、楽曲を聴いている者に心地よい酩酊感を与えてくれます。BGMとして聞いていたつもりが、いつの間にか聞き込んでしまうことがよくあります。

次作では、さらに多彩なゲストの参加により飛躍的な成長を遂げるノーマンですが、このアルバムもとても魅力的です。充分にお薦めの出来る作品でかと思います。

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[no-man]flowermouthflowermouth
no-man
★★★★

イギリスのハウスユニット、no-manの2ndフルレンス・アルバム。
前作までは3人組のトリオでしたが、ヴァイオリンのBen Colemanは抜けてしまい、ユニット+ゲストミュージシャンという構成になりました(Ben Colemanもゲストとして参加しています)。

まず特筆すべきことに、ゲスト陣の豪華さがあげられます。前作に参加していたJAPAN組(ミック・カーンは不参加)は基本として、デッド・カンダンスのリサ嬢(コーラスとして1曲)、そしてなにより、クリムゾン組から頭領Frippと、懐かしきMel Collinsも参加しているのです!
フリップのゲスト参加は最近でこそ珍しくありませんが、このアルバムがリリースされた時期は活動停滞期間でしたので、とても驚くべきことでした。しかも、派手で能動的なプレイを行ってるのです。更に、メル・コリンズのフルートやソプラノ・サックスとのからみまで聴けてしまうのです!クリムゾンファンは勿論のこととして、シンフォニックロックの愛好家にも涙無しでは聞くことの出来ない、夢の競演です。

収録された楽曲群は、どれも以前の作品から飛躍的にレベルアップしています。次元が異なるとまで、言ってしまいましょう。
ゲスト達に押されまいと、no-manの二人組も頑張っています。しかし、今作での飛躍は、ゲストの力によってもたらされたと言えます。前作も魅力的な作品でしたが、このアルバムの全編に渡って満ちあふれたリリシズムには敵いません。聞いているだけで、胸の奥が締め付けられてしまいます。そう、純粋だった少年時代の初恋のように・・・。
(私の少年時代の場合、不純で、濃いに堕ちてしまいました。)

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[the (EC) nudes]Vanishing PointVanishing Point
the (EC) nudes
★★★☆

クリス・カトラー、エイミー・デナイオ、ヴェディ・ギーズィにより結成されたバンドの1stアルバム。当初は、クリス・カトラーのパーマネント・バンドになるのでは?と目されるほど気合いの入れられたバンドであったが、しばらく共に活動した後に離脱。現在はPALE NUDESと改名し、クリス抜きで活動中。

タイトル通りに「オープニング」な1曲目から、いきなりの疾走。こちらが目を白黒させている間に、矢継ぎ早に曲が繰り出されていく。
緩やかなスピードで深く沈み込むよな調子の楽曲と、疾走するアヴァンギャルドな楽曲の対置は、トータルでめり張りをつける結果となり、また、聞くものに一つ一つの楽曲を印象つけるという効果もあげている。
X-LEGGED SALLYを代表とする、疾走するヨーロピアン・アヴァンギャルド・ミュージックを普段聞き慣れている人には、容易に受け入れることが出来ると音楽だと思う。つまり、そんな音楽なのである。しかし、このバンドをその種のバンド群の亜流として捉えてはいけない。クリス・カトラー(&フレッド・フリス)こそ、その種の音楽を古くから体現し、広めた。と言うより、その種の音楽の開祖と言える。このアルバムから、彼等の世界に接するのも良いかと思う。

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