英国のプログレッシブロックバンドマリリオンの14枚目となるフルレンスアルバム。
ファーストインプレッションからとても地味なアルバムだ。ノリの良いはずの楽曲まで少し重く感じる。全10曲中4曲は比較的アップかミドルテンポの軽快なメロディなのだが、6曲はスローテンポとなっているので、この辺が地味さの原因かとも思ったが、どうも違う。そこで過去のアルバムと比較しながら聞き比べてみた(PCに取り込んでおくと、この辺の作業がとても便利だ。音質はさておき)。
聞き比べてまず気がついた点はロザリーのギターの存在が以前にも増して薄くなっていると言うこと。主旋律をギターが担う楽曲においてすら、音数が少ないので目立つところが少ない。しかし、これは最近彼らのアルバムでは似たような傾向なので、これが地味な主要因とは思えない。さらに聞き込むと、どうにも歌声が籠もって聞こえてくる。PCのサウンドカードの製かとも思ったが、他のアルバムではそういったことも無い。CDプレイヤーに切り替えて聞いてみても籠もっている。ヴォーカルのサウンドプロダクションとして、こういう音を選んだのだろう。しかし、これはどうにも成功したとは思えない。今のマリリオンのサウンドの核は明らかにホーガスのヴォーカルだ。現在のピンクフロイド的なサウンド傾向で中心がぼやけていると、気の抜けたサイダーのようにすら感じる。それが証拠にラストとなる10曲目「Faith」はアコースティックギター1本をバック(途中から他の音も入ってくるが)にホーガスがゆったりと歌い上げる作品だが、歌声はクリアで高域も抜けたものとなっているので、とても聞きやすく耳に残る。
今作は楽曲の出来以前にサウンドプロダクションが失敗していると思われ、どうにも聞き続けることが出来ない。マリリオンのアルバム(ホーガスがヴォーカルになって以降)でこういう作品は初めてだ。お勧めはしかねる。
13枚目となるマリリオンのフルレンスアルバム。今回は「BRAVE」以来となる久々のトータルコンセプト作品。正式なアルバムは2枚組でオフィシャルサイトからのみ購入出来る。今回、私が購入したものは一般流通向けに1枚組にされたもの(独逸盤でボーナストラックとしてシングルミックス版の「You're gone」が収録されています)。
今作のタイトルとなるのは「marbles」(大理石では無く、ビー玉)。これを通して世界を見ると、中の模様による偏光によってそこから見える風景は移り変わっていく。ビー玉を水晶と見立て、未来(野望や希望)を映し出すオブジェの意も含まれていると思われる。
このビー玉を通して見た世界はどれも病み、痛み、疲れている。マリリオンは時には悲しく、時に優しく、時には怒りを込めて激しく、これらの世界を歌い上げていく。よって、全体的なトーンは重苦しく、暗い。最後に救済的に明るい未来を暗示させるような曲を持ってきてもいない。「Don't Hurt Yourself」がポジティブなメッセージ性を持った唯一な曲だろう。
作品テーマ、および歌詞世界も暗い。しかし、楽曲の方がマリリオン節であり、「Fantasic Place」のメロディラインなどはジンワリと心に染み入ってくる。
マリリオン久々のコンセプトアルバムは誰にでも勧められるものではないが、ピンクフロイドの「WALL」など、暗鬱とした世界が好きな人ならば受け入れられるだろう。
anoraknophobia
MARILLION
★★★☆
Marillion通算12枚目となるフルレンスアルバム。このところの売り上げ減少から十分な制作費を用意することが出来ず困っていたようだが、ファン達のバックアップによって無事アルバムを作成することが出来た。また、メジャーレーベルでの配給も決まったようで、今回は国内盤のリリースがあるかもしれない。
新世紀に入ってMarillionには第1弾となるこのアルバムには、「防寒服恐怖症」という一風変わったタイトルが付けられている。そこに込められた意味は歌詞を読みこなしていないのでわかりかねるが、ジャケットはサウスパークに出てくるケニー・マコーミックのような防寒服を着た少年が縦3×横3と並んでいるというもの。可愛らしくも見えるが、陰影が逆になっていることもあり、薄気味の悪さも感じる(光があたっているのではなく、闇があたっているかのよう)。
アルバムに収録された曲はどれもかなりの力作で、そのメロディーセンスには関心するばかり。特に、哀愁を帯びた旋律などがホーガスの淡い歌声と混じりある瞬間などは、背筋をゾクゾクとさせるものがある。
この辺の良さがわかってくると、Marillionというバンドから離れられなくなってくる。取っつき難いけれど、ハマルと癖になるということだ。似たような思いを抱くファンが多いからこそ、大手のレーベルから契約を切られ、バンドの運営が困難になろうが、メンバーも替わることもなく続けていけるのだろう。
ファンとバンドの関係が密な状態だと、バンドの音楽性が変化しにくいことが多い。しかし、Marillionというバンドは常に変化を続けている。ドラスティックな転身こそしないけれど、確実に変化はしている。彼らが未だプログレッシブな精神を持ち合わせているということでもある。
楽曲のバリエーションに富んでいて、何度聞いても決して飽きさせないこのアルバムは、彼らに初めて接するという人にもお勧めできる良作だ。お奨めである。
marillion.com
MARILLION
★★★☆
1999年にリリースされた、Marillion通算11枚目のフルレンスアルバム。ジャケットは特殊仕様で、紙製になっています。国内盤のリリースは無く、輸入専門店でも扱いが少ないので、海外から直接買い求めました。
ここ数年のMarillionには珍しく、今作には15分を超える大作「Interior Lulu」が収録されています。楽曲の展開も起伏に富んだもので、プログレ好きな方の好みに合わせたかのような作品と言えるでしょう。
その他の楽曲もなかなかのもので、捨て曲は一曲もありません。特に、スローやミドルテンポの曲が素晴らしい。儚げで淡く味わいの深いスティーブの声に、絶妙に絡み合うバンドサウンド。絶品です。考えさせられる内容の歌詞もありますが、聞いているだけで幸せになれました。
通算で10枚目となるマリリオンのフルレンス・アルバム。
熱狂しているわけでは無いのだけれど、末長く付き合っていきたいバンドというものがある。年齢を重ねていくことにより変遷した趣味などによって、聞いていると辛くなってくるバンドもあるのだけれど、その種のバンドには飽くことが無い。常に頭の片隅に置いておき、定期的に取り出しては聞いている。
大体にして、その種のバンドは地味である。過剰な音楽性を持つものは、時を経るとともに嫌味にすら感じることがあるのだけれど、良い意味で枯れた音楽性を持つバンドには、そのようなことはない。
で、その種のバンドの1つがマリリオンである(フィッシュ在籍時は除く。つまり5枚目以降)。彼等の音楽は、プログレッシブ・ロックにカテゴライズされるだけあって、時々に新しい音楽性を導入する。けれど、過度の変容はしない。1,2年に1作の割合でアルバムを発表し、少しづつ変化している。今作の場合では、こてこてのブルースを1曲試していることと、ハードロック的要素が増えたかな?と感じる程度だ。4,5年に一枚のアルバムを出して大胆な変化を行うバンドと異なり、こちらはすんなりと音楽に馴染むことが出来る。
そしてなにより曲が良い。じんわりと泌み入るかのように響いてくるホーガスの歌声が良い。ロザリーの哀愁漂うギターも良いし、マークのツボを押さえたキーボードも良い。ああっ、良い。良い・・・。
この種のアルバムは、誰にでも薦められるものでは無い。うまく波長が合うと、宝物のように大切な作品に化けるのだけれど、合わないと退屈極まりないということにもなってしまう。彼等を好きな人だけ手を出してください。
THIS STRANGE ENGINE
MARILLION
★★★★
レーベルINTACTを自ら興し、心機一転してリリースされたマリリオン通算9枚目のアルバム。
知らぬ間に、涙が頬を伝って手の甲に流れ落ちてきました。それほど感動していたわけではありません。美しい曲だなと感じる程度でした。何故?と考えてみましたが、明確な答えは出ませんでした。ただ、精神(こころ)の奥深いところにある何かが、美しい旋律に共鳴し、肉体に作用したのではないのかな?等と想像しています。
変にお思いになるかもしれませんが、私にはこのようなことが年に数回あります。大体が音楽、それも初めて耳にするものに触れたときが多いようす。そして、涙が流れた後は、決まって、なんともすがすがしい気分になります。心のすき間や表層で淀んでいたものが、流れ去っていったような感じを受けます。
もしかしたらあなたも、このアルバムを聞くことによって、同じような体験をするかも知れませんね。お試し下さい。
MADE AGAIN
MARILLION
★★★☆
マリリオン2枚組ライブ・アルバム(国内盤未発売)。
1枚目は’91年9月29日にロンドンで行われたライブと、’95年9月29日にロッテルダムにて行われたライブ。2枚目は’94年9月29日にパリで行われたライブ。
私は数年前まで、マリリオンというバンドを過小評価してました。
フィッシュ在籍時から音は耳にしていたのですが、私には懐古趣味が強く感じられ、興味を持てず無視してきました。ですから、ヴォーカルが脱退して新たな人物が加入したと聞いた際も、日本の大半の音楽誌が与えた評価を読み、それを信じ、黙殺しました。
しかし、コンセプト・アルバムという点が気にかかり、前作「BRAVE」を購入しました。そして、私の彼等に対する評価は一変しました。音楽的には、特別目新しい事をやっているわけではありません。ですが、なんともイギリス的な歌声の持ち主、ホーガスにはとても魅力があります。巧いというわけでは無いのです。その声は、じんわりと心に染みてきます。心の襞(ひだ)の奥にまでゆっくりと。
これは、ジャンルとしてのヒーリング・ミュージックとは異なるのですが、癒しを与えてくれます。マリア的な母性的優しさでは無く、ソフィア的厳しさを兼ね備えた癒しの音楽。これは非常に貴重と言えるのではないでしょうか?
AFRAID OF SUNLIGHT
MARILLION
★★★
前作「BRAVE」により日本での知名度を一気に上げた、英国プログレ・バンドの新作。タイトル曲を中心にして、前半部分は割と明るい曲調で、後半部分は少し暗めな曲といった構成になっています。
前作である「BRAVE」はアルバム全体で一つの物語が綴られるコンセプトアルバムであったためでしょうか、似たような傾向の作品が多く、個々のものとして見ると、特に優れていると感じた曲が多くありませんでした。しかし今作は個々に独立した楽曲によって構成されているため、楽曲にバラエティーがありまう。また個々として見た場合も、印象に残る作品が多いと言えます。
前作は老舗プログレバンドのコンセプトアルバムということで、これまで日本では黙殺されてい彼等が注目を集めました。しかし、今作はストーリー性のないアルバムと言う事で、一部を除き、またも黙殺されようとしています。また、それを助長するかのような音楽評も読みました。プログレとは、こうあるべきであるという馬鹿な考えを持った愚者の戯言です。自分の耳を信じて作品に接すれば、自ずと(自分にとっての)正しい評価が得られるはずです。
FRANCES THE MUTE
The Mars Volta
★★★★
マーズ・ヴォルタの2枚目となるフルレンスアルバム。組曲3曲を含めて、全5曲の構成でトータル約77分収録。
音楽が始まってすぐにカレンダーを見た。2005年、21世紀に入ってすでに結構経っていることを確認する。次いでCDのパッケージを裏返し、リリース時期を見る。これも2005年と間違いない。とすると、なんなんだこの音楽は。6、70年代の熱気を持ち、楽曲の展開もおおよそ時代錯誤的な展開。コマーシャリズムを否定するように、曲も凄く長い。展開にも恐ろしく冗長な部分がある(クリムゾンの「風に語りて」の後半パートみたいなものといえば分かる人には分かるだろう)。音楽シーンではリバイバルミュージックの潮流は80年代になっているというのに、なんて冒険をする連中なんだ、このマーズ・ヴォルタというバンドは…。
良く聞いてみると、演奏のレベルの高さから近年のバンドであるということが分かるが、彼らを知らない人に聞かせたら70年代か、80年代前半までの南米のプログレバンド?と聞かれるに違いない。1stアルバム以上にプログレ方向を向き、更にその先に突きぬけていった感すらする。一般へのアピール度の無さは1stの比では無い。しかし、これがアメリカで受けている。ヒットチャートの上位(ビルボードのアルバムチャートで最高位で4位)になったりする。カレッジチャートなら分かるが、一般のチャートである。人口増加が著しいヒスパニック系の人気を受けてのことではないかと思うが、アメリカの懐の深さを感じる。
7、80年代なら難解なプログレという烙印を押され、一部の熱狂的マニアにのみ歓迎されたであろう今作は、月日が巡り巡って現在では、純粋に面白いという括りで聞かれているのかもしれない。80年代には冗長ということでバッサリと切り捨てられたであろう部分も、何の違和感も感じずに受け入れられているのかもしれない。
ということで、往年のプログレ者は勿論、柔軟な感性をお持ちの若人にも聞いていただきたい。
de-loused in the comatorium
THE MARS VOLTA
★★★★
元AT THE DRIVE IN(ATDI)のセドリック・ビクスラーとオマー・ロドリゲスを中心に結成したバンドのファーストアルバム。プロデューサーはリック・ルービンで、作中のベースの大半はレッド・ホット・チリ・ペッパーズのフリーがプレイしています。
1枚目にして既に大物の風格漂う作品といいましょうか、60、70年代の原始ロックが持っていたダイナミズムに満ちた、なんとも面白いバンド。
そのサウンドは部分部分を取り出して指摘すれば、あのバンドに似ているなど言えるが、全体としてはレッドツェッペリンに近いと言えるだろう。プログレッシブな展開やサイケデリックな展開、ハードロックな展開も見せるのだけれど、それだけに収まりきらないところなどはかなり近い。ハイトーンなヴォーカルもロバート・プラントを彷彿とさせるものがある。エモーショナルなギタープレイも秀逸で、にハモンドオルガンの旋律が絡んでくるあたりは鳥肌もの。
破天荒なロックや、プログレ好きなら買って間違いは無い傑作。
A PLACE IN THE WORLD
MARY CHAPIN CARPENTER
★★
カントリー界の女王、メアリー・チェイピン・カーペンター通算6枚目のアルバム。
アメリカにおける、このアルバムの購入者像を想像してみる。<おおっ自己流プロファイル
白人の女性。20代後半から40代前半(ちょっと広すぎる?)。都会ではなく、農村地帯、もしくはその周辺に古くから住んでいる。結婚している場合、専業主婦か仕事を持っているとしてもパート。学歴は高校か、短大まで。身長は160cm台か、超えていても170cm前半。子供は二人ほどで、夫婦仲は倦怠期にさしかかったあたり。日々の生活にこれといった目標も無いが、漠然とした不満を心の底に抱いている。「違う生き方もあったのでは?」などと。
おおっ。結構当たっているかも。根拠はあんまり無いけれど。
STONES IN THE ROAD
MARY CHAPIN CARPENTER
★★★
意識的に避けてきたカントリー・ミュージック。とうとう、捕まってしまいました・・・。ええっ、「デッド・マン・ウォーキング」のサントラを買ったことが原因です(この種の企画物って普段絶対に聞かない種の音楽が混じっているので、新しい出会いが多いですね。嬉しいやら、困るやらです)。
えっ!カントリーって陽気にバンジョーやバイオリンかきならしてるだけじゃないの(偏見)?まさか、こんなに暗いものがあるとは・・・。しかも社会問題歌ってる!目から何枚も鱗が落ちていきます。何事にも、先入観を持たずに接していかないと駄目だと、痛感しました。
さすがにアルバムの方は暗い曲ばかりではなく、スタンダード(?)なカントリー・ミュージックも入っています。カントリー未体験の人には、入門として良いかも。
THE CRAVING
MD.45
★★
メガデスのデイヴ・ムスティンとフィアーのリー・ヴィングによる結成されたプロジェクト・バンド。
本家メガデスのように複雑な曲ではなく、ストレートで少しコアな曲が中心のアルバム。流行のメロコアをヘヴィーにした感じといえば解ってもらえるだろうか?
正直言って、私にはあまりピンとこない作品でした。あまりにもストレートすぎて、フックが感じられなかったので。
RISK
MEGADETH
★★★
メガデス通算8枚目のフルレンスアルバム。ドラマーのニック・メンザの脱退により、新ドラマーとして、ジミー・デグラッソが新規加入しています。
メガデスというバンドは、もともとHEAVY METAL(以下HM)のメインストリームにいたバンドではない。また、芽が出ずとまで揶揄されたように、その存在が一般のHMファンに認知されるようになるまでは、かなりの歳月が必要だった。そして、彼らがカテゴライズされていたスラッシュメタルの中でも、特異な存在であったと思う。
しかし今では、彼らこそHMのメインストリームを固めるバンドの一つとまで祭り上げられているようだ。HMの良心的存在として、彼らの生き方こそメタルであると。そしてデイヴ・ムスティン自身、HM演者としての矜持を持ち、彼らに期待する者達へ応えようとしているかにも見える。
しかし、今作では過去の作品とは一線を画すような作品が多く収められている。あからさまなラブソングこそないが、心持ちポジティブな曲もある。楽曲もそれに合わせるように明るいものもある。爽やかと言っても言いサウンドまで聞かせる。驚くべき変化だ。
極端なまでにエモーショナルと言えるだろう。怒りという荒ぶれる感情の奔流を、エモーショナルなプレイで表現するということは過去にもあったが、今作では、それだけではない感情もサウンドで表現している。
ここら辺が、どうHMファンに評価されるか解らないが、面白い変化であると私は感じている。次作以降の展開が楽しみでもある。
CRYPTIC WRITINGS
MEGADETH
★★★★
メガデス通算7枚目のフルレンス・アルバム。希代のメロディー&リフ・メーカー、デイヴ・ムスティン自らHMの規範となるべく製作したとのこと。
格闘家が年を経るに従い、力から技に重点を置くのと同じく、ムスティンも力技で楽曲を組伏すことを止め、技術とセンスで楽曲を組み立てるようになったような気がする。だから、このアルバムを聞いていると、熱くなってくるのでは無く、醒めてくるのだろうか?そして、それは良い、悪いということでは無い。必然であり、7枚目ということ導かれる当然の帰結である。それより、7枚目にして、このクォリティーと曲のヴァラエティーを賞賛したい。マンネリズムの罠に落ちること無く、これほどのレベルを維持、いやさらに向上させているという事実。息の長いバンドとしては希有なことだ。次回作では、更なる向上を望みたい 。
LOAD
METALLICA
★☆
待っていた人にとってはこれほど嬉しいことは無いのだろうけれど、ファンでも無い私には特別でもない1枚。
店員さんに「今買うとメタリカ学習帳ついてますよ」と言って見せられたジャポニカ学習帳のフェイク。そんなものにに惹かれてアルバムを買うとは、なんて馬鹿なオイラ・・・。(新曲をリコーダー(立て笛)で吹く為のスコアに魅せられたのさ)
で、肝心の評価。
うん、良い。ノリが良いね、ノリノリだ。これまでより明るくなってるし売れるだろうな・・・
<中略>
もういい、なんか厭きた。特に似通った曲が多いというわけでは無いけれど、普通すぎてつまらない。お勧めは出来ないな。
...because i can
mice
Permanet Records / PERMCDX 35
★★★★(若干、個人的な思い入れが入っています)
元 オール・アバウト・イブ (以下AAE)のジュリアンヌ・リーガン嬢率いるMICE、待望のソロ・アルバムをリリース。
初回限定2500枚で、ライブのミニ・アルバムが付属した2枚組もあります。
30代のプログレ者達に、「リアルタイムに体験し、アイドル視したアーティストは?」というアンケートを取れば、おそらくジュリアンヌ・リーガンがベスト3には入るであろう。そう、彼女は女性の少なかった80年代のプログレ界では、アイドル視された麗しの歌姫だったのだ。
だから、結構AAEの解散劇は衝撃だったりしたわけ。で、今回のアルバムはジュリアンヌが解散後、初めて結成したバンドmiceのデビュー作。アルバムに先行する形でリリースされたシングルが、グランジ調になったと言われ気になっていました。
流行からか、ブリット・ポップあたりを意識しているような曲が多い。しかし、躍動感溢れる楽曲が、現在のジュリアンヌの魅力を充分に引き出しているので問題無し。ジュリアンヌの魅力を、多面体のクリスタルに光をあてた時のように多彩なカラーの輝きで放射しています。ビナスのように美しかったり、妖精のようにコケティッシュだったりと、様々なジュリアンヌはどれも素晴らしい。こりゃ、ファンならずとも買いでしょう。
捨て曲無しの傑作と断言しておきます。
GALLAECIA FULGET
MILLADOIRO
★★★☆
スペイン、ガリシア出身のミジャドイロ、通算12枚目のアルバム。本作はミュージシャンの母校、サンチアゴ・コンポステラ大学の500年記念祭の為に作られた企画盤となります。
ケルトと言えば、アイルランドを思い浮かべる人が大半だと思いますが、大陸にもケルト文化(言葉を残さない文化だったので、詳しいことは解りませんけれど)の名残が在ります。で、これはスペインのケルト。スペインというと、スパニッシュ・ギターの個性的な旋律(アンフェランスの思い出とかね)が思い浮かびます。しかし、この作品にそのカラーは無く、ケルト特有の叙情的なメロディーが散りばめられいます。そして、この作品既存のトラッドと比較して土着的要素が希薄でスタイリッシュ。おそらく何の違和感も無く「美しい作品」として受け入れることが出来ると思います。
ミニストリー待望の新作。通算5枚目のフルレンス。
インダストリアル色は薄れ、バンドとしてのグルーブ感が追及されています。そして、前作のようなスピーディーなナンバーは減少し、スロウでヘヴィー、さらにポップな面も見せるという新生面も。
正直、あまりの凡庸さに驚いてしまいました。曲自体は格好良いのですがその構成があまりにも普通過ぎて・・・。やはり前作の凄まじいまでの完成度を期待しようというのが無理な話でした。
Psalm69
Ministry
★★★★
インダストリアルロック界の帝王Ministru通算4枚目のフルレンスアルバム。
前作「The Land of Rape and Honey」にて導入されたメタリックなギターサウンドはインダストリアルメタルの礎となり、数多くのフォロアーを生み出すことになった。そこには当然のように、ナイン・インチ・ネイルズも含まれる。そして今作ではよりヘヴィーなスラッシュメタル的サウンドが全面的に導入され、よりブルータルな作品へと昇華することになった。それは、インダストリアルメタルとして一つの完成型と言えるほどの出来だ。
本作はMegadethの日本公演でライブ前に流されることにより、注目を浴び始めた。間もなく日本のメタル愛好家の間でもその人気に火が付くことになった。
今でもラムシュタインやStatic-Xなど同系統のバンドがシーンで活躍している(勿論、Ministryも)。インダストリアルメタルの元祖を聞かずして、このシーンを語ることは出来ない。お勧め。
PLAYS THE CLASSIC ROCK HITS
THE MOOG COOKBOOK
★★
元ジェリーフィッシュのロジャー.J.マニングJrのコンセプトバンド、THE MOOG COOKBOOKの2ndアルバム。今回は60,70年代の名曲をMOOGで再構築。
ネタの割れている芸を、何度も見せられるということは、時に苦痛でしかない。シチュエーションをいくら変えてみせようが、コンセプトが同じである以上、それは同等としてみなされる。
前作のインパクトを超えることはできないが、芸の向上さえ見られれば、また違った印象を受けたかもしれない。しかし、リズムに生ドラムを使うなどの逃げが見うけられ、それも無い。
一部のヴィンテージ・キーボードマニアにだけ薦めておく。
一応収録曲のリストを(日本語のタイトルで表記しておきます)
- ワイルドで行こう / スッテペン・ウルフ
- 狂い猫 / テッド・ニュージェント
- スイート・ホーム・アラバマ /レイナード・スキナード
- 宇宙の彼方へ / ボストン
- 叶わぬ賭け / ヴァン・ヘイレン
- 胸いっぱいの愛を / レッド・ツェッペリン
- ジギー・スターダスト / デヴィッド・ボウイ
- 長い夜 / シカゴ
- ホテル・カリフォルニア / イーグルス
- ロックン・ロール・オール・ナイト / キッス
- サレンダー / チープトリック
the moog cookbook
the moog cookbook
★★★☆
元ジェリーフィッシュで現インペリアル・ドラッグのロジャー.J.マニングJrが有名バンドの名曲をムーグを代表するアナログ・シンセでカバーした企画盤。
ここまでやるか?というほどに曲を解体し、お見事!と唸ってしまう程高度に元曲を殺さずに再構築(しかもラウンジ調)!いやー、かなりのお勧め作品です。しかもニール・ヤングの「ROCKIN’ THE FREE WORLD」で締めるなんざ、通だね!と感心する有様(ニールも本望だろう<嘘)。
しっかし、どんなに格好良い曲や、どんなにシリアスな曲でも、MOOGで調理されるとおマヌケに聞こえる。そもそも、オープニングのサウンド・ガーデンからして・・・(笑)。でも、遊びながらも真剣に作っているらしく、笑いながらも楽しく聞けるから素材となったバンドも怒らないでしょう・・・、多分。
お勧めとはいえ、題材となった曲を知らないと全く楽しめませんので、リストを以下に列挙しときます。
- Blackholesun / Soundgarden
- Buddy Holly / Weezer
- Basket case / Greenday
- Come Out And Play / Offspring
- Free Fallin' / TOM PETTY&THE HEARTBREAKERS
- Are You Gonna Go My Way / Lenny KRAVITZ
- Smells Like Teen's Spirit / Nirvana
- Even Flow / Pearl Jam
- The One I Love / R.E.M
- Rockin' in The Free World
autoditacker
mouse on mars
★★★★☆
国内では初のリリースとなる、マウス・オン・マーズ(独)の3rdアルバム。
国内盤のみのボーナストラックは2曲で、内1曲はSTEREOLABのレティシア、メアリーの参加して話題となった「cache coeur naif」。
STEREOLABの新作が、予想を遙かに上回る素晴らしい出来だった。そこで、そのアルバムのミックス&プロデュースをトータスのジョン・マッケンタイアと共に行った、アンディ・トマに興味を持った。そこで、彼のの属するテクノ・ユニット、マウス・オン・マーズの最新作を購入してみた。
音楽とは、時系列に沿って並ぶ音の粒の集合であり、作曲とは、どの様な音を使い、それをどのように配置するかということである。
仮にこう定義してみる。すると、マウス・オン・マーズの音楽が良く見えてくる。
音の一つ一つが、有機的な質量を持っているかのような存在感を有している。そしてその配置は立体的な3次元建造物のようにしっかりとしたもので、細部までしっかりと凝ったつくりがされている。そのわりに外観が分かり易いため、聞き易いというか、ポップであるという結果まで生まれている。
どうだろう?おわかりいただけるだろうか。
更に、空間的に広がりを持つように作られた音響効果が素晴らしく、楽曲の印象が倍増しとなっているということを付け加えておく。
Somowhere Else
marbles
RADIATION
FILTHPIG