前作「Open Sky」より6年ぶりにリリースされたIONAの6枚目となるフルレンスアルバム。
ヴォーカルであるジョアンヌの出産や病気による手術により、長い活動停止を余儀なくされたIONA(断続的に短い活動はしていたようですが)。メンバー各々はそれぞれ独自の活動を行ってきたとはいえ、ホームグランドでの本格的な活動開始はよほど嬉しかったのでしょう。1曲目、ジョアンヌのアカペラから始まるのですが、開始45秒後から大仰な前奏が始まります。かなり古臭さを感じるほどの仰々しさで、やっちゃた感が強く、聴いていて気恥ずかしさを感じるほどです。1分ほどで普段のIONAらしさを多少取り戻すのですが、ドラムはまだ前奏を引きずったままのようで無駄に手数が多く、興を醒まします。
このドラマー、フランク・ヴァン・エッセンは1999年にリリースされたライブアルバム「Woven Cord」の参加で、スタジオアルバムとしては前作の「Open Sky」に続いての参加となります。前作では手数も多くはなく、リズム隊に徹していました。ドラムサウンドも硬質で、音量も控えめたっだのが、目立つことを抑えた一因です。しかし、今作ではドラムサウンドも柔らかくなり、サウンドミックス時の音量も上がったようです。全体的に目立ちすぎています。これまでのIONAサウンドと比較しても、今作のドラムは突出して目立ちます。そもそもIONAサウンドのコアはジョアンヌの歌声とメロディーラインの美しさです。リズムが曲を引っ張るようなロックバンドとは、その辺が大きく異なりました。しかし、今作ではリズムが前面に出すぎてしまい、メロディーは元より、ただでさえ線の細いジョアンヌのヴォーカルまで影が薄くなっています。IONAの場合、ベースはケルトミュージックなので、リズムはパーカッションでも十分ですし、ロック色の強いものや曲の構成上必要な際にドラムを使えば良いのです。その際もあまり目立たぬように、リズムキープに徹するぐらいで十分なのです。しかし、今作は…。
ドラムサウンドがメロディーを殺す展開の多い今作は、正直お薦めするほどの出来ではありません。IONAのアルバムを聴いたことの無い人は、まずは今作以前のアルバムを聴いてみることをお薦めします。とても綺麗で清涼なIONAサウンドがそこにはあります。
実に4年半ぶりのリリースとなる、アイオナ5枚目のフルレンスアルバム(ライブ盤は除く)。
ライブアルバムをリリースすると、その次のアルバムからバンドの音楽性が変わるということが良くある。しかし、このバンドは2枚のライブ盤を続けてリリースしたにも関わらず、音楽性になんら変更は無い。どの楽曲も基本的にトーンは同じで、ファンを驚かすような音楽的冒険も無い。しかし、この種のフォークを基調にしたロックバンドに大胆な変化が必要とは考えない。トラッドをラジカルに追求するという方向性もあるけれど、それではこのバンドのアイデンティティを破戒し、全く異なるバンドに替わることを意味してしまう。それは、ファンも望まないだろうし、バンドも考えていないだろう。
さて、このアルバムだがどの楽曲も良く練り込まれていて、隙がない。合計20分を超える「SONGS OF ASCENT」(3パートに別れている)ですら、途中で飽きさせることがない(導入部のアンビエント調の箇所が、少々冗長に感じはするが)。トータル73分強の作品であるわけだが、長いと感じるわけでもない。聞き始めると、次第にリラックスした状態になり、気づくと終わっている。私にはヒーリング効果もあるようだ。
バンドのファンは買って間違いが無いし、アイオナのファンならずともエンヤや、クランベリーズなどのアイルランド系の音楽が好きな人も購入の対象に考えても良いでしょう。個人的にお奨めのアルバムです。
Live heaven's bright sun
IONA
★★★☆
IONA初のライブアルバム(2枚組)。国内盤の発売は今のところ未定。
技術的にしっかりしたものを持った人達なので、ライブ演奏であろうと安心して聞けるのは嬉しい。ヴォーカルで紅一点のジョアンヌ嬢の歌声も安定しており、外すなんてことはもちろん無いし、ライブならではの躍動感が加味され、さらに魅力的になっている。
清涼なサウンドと歌声は、暑い夏を少しでも過ごしやすくしてくれることでしょう。汗はシャワーで流し、気分はイオナでリフレッシュしましょう。
JOURNY INTO
THE MORN
IONA
★★★☆
IONA、通算4枚目のフルレンス。前作に続き、R・フリップ氏が参加してます。
異論は在るかも知れないが、現時点でこれが彼等の最高傑作だと思います。
基本的に過去の延長線上に位置する作品ですが、スケール感が一回り大きくなったという印象を受けました。このまま順調に成長を続ければ、ヒットする可能性も有り得るのでは?と思います。
BEYOND THESE SHORES<ブレンダンの航海>
IONA
★★★
アイオナ3枚目のアルバム。セカンドに続き、今作もコンセプト・アルバム仕立てに成っています。また、日本ではロバート・フリップがゲストで参加したことにより、一部の注目をあびました。
このバンドはアルバムを出す度に良くなっていく。だから、最新作がいつも最高傑作。これって、かなり凄いことだと思うし、大変なことだと思う。このまま確実に成長を続けていけば、ケルト・ブームという追い風も手伝ってヒットするかもしれない。
安易なヒーリング・ミュージックなんて買うより、こちらを買うことを奨めます。グラスでも傾けて、深夜に聞いていると和むと思います。
アイオナ2枚目のフルレンス。12世紀に編纂された4編からなる福音書をベースに創られた、14曲、計72分29秒のコンセプト・アルバム。
2枚目という気負いもあってか、かなりの力作に仕上がっている。しかし、力み過ぎたのか、少し冗長に感じるところもある。よって、コンセプトアルバムを聞いた後にしばしば感じる、カタルシスめいた余韻を感じるほどではない。まあ、これは最新作にて解消されるし、好みの問題なのでうるさく言うほどではない。
IONA<緑の聖地>
IONA
★★★
4枚目の国内リリースに伴い、それ以前の作品が一挙に国内化。で、これは1st。
今作を聞くと、以前はヴォーカルの比重が軽かったということが解る。そして、ジョアンヌ嬢の声もまだ発展途上中であったことも。しかし、すでにサウンドのコアとなるものは完成しています。ファンならずとも、聞いて損はしない作品でしょう。
Dance of Death
Iron Maiden
★★★☆
6人の大所帯となってからは2枚目となるHM界の大御所アイアン・メイデンのフルレンスアルバム。
再編成から2作目ということで、ブルース・デッキンソンとエイドリアン・スミスの二人が楽曲作成に占める割合がかなり大きくなったと思われる。往年のファンならばキャッチャーなメロディーラインを聞けばそれが分かるだろう。これによりバンドの勢いが80年代の彼らを彷彿とさせる。本国イギリスでもかなりのヒットを飛ばしており、日本においては久しぶりにフルセットのステージセットを持ち込んでのフェスティバルスタイルのライブを行うことにまでなった。
ヴォーカル交代前後から長く低迷期にいた彼らだが、今作において本格的に復活を遂げたといっても良いだろう。往年のファンはもとより、最近のHM・HRファンにも聞いてみて貰いたいアルバムだ。
Brave
New World
IRON MAIDEN
★★★
ヴォーカルをブルース・デッキンソンに戻し、エイドリアン・スミスまでも戻っての編成による第1弾。ギタープレイヤーを3名擁することにで、合計6名という過去最大のメンバー数となっています。
メンツ的には黄金期+αな構成となり、楽曲もROY・Zの力を借り、全盛期の雰囲気を醸し出すことに成功しています。我の強いスティーブ・ハリスがROYの力を借りるまでにはかなりの葛藤があったと思いますが、そのようなことを言っている状況では無かったのでしょう…。心中お察しします。
ブルースのソロで感じていた物足りなさの最大の要因はベースの存在感でした。しかし、このアルバムはスティーブ・ハリスによるベースの存在感に満ちあふれています。右の人差し指と中指を弦に叩き付けるように弾くことによるアタック感の強い独特の音色はメイデンならではのものです。この音色とデッキンソンの歌声、スミスのキャッチャーなギターフレーズが相まってこそ、メイデンの味を感じることが出来ます。
しかし、ギター3名は多過ぎですね。楽曲の構成もトリプルギターが必要なほど複雑なわけではありません。ツインギターで十分な内容です。メンバー間に極力不和を起こさないようにするための編成なのだとは思いますが、どうにも無駄を感じてしまいます。次作では、トリプルギターを生かした楽曲作りを行って欲しいものです。
The Circling Hour
OPEN
SKY
the book of kells