Music Review F

[FAYE WONG]Chang You王菲唱遊(CHANG YOU)
FAYE WONG
★★☆

アジアの歌姫には疎いので、何枚目になるのかは解りませんが、東芝EMI移籍後に2枚目となるフェイ・ウォンのフルレンス・アルバム。日本盤は、独自に広東語ヴァージョン3曲と、ファイナルファンタジー8のメインテーマがボーナスとして収録されています。

フェイ・ウォンに関しては、存在も、歌も数曲聴いたことがあったのだけれど、何故か手を出していませんでした。フィーメールヴォーカルフェチを自認する私ですが、守備範囲をアジアにまで広げると、収拾がつかなくなると考えていたからです。しかし、日本では初めてとなる本格的な公演にも関わらず武道館を使用し、しかも、チケットは即日完売になったと聞きました。これは、無視するのも限界でしょう。
ということで、アルバムの購入に踏み切りました。
(本当は、ファイナルファンタジー8のコマーシャルにてテーマ曲の一部を何度も頭に刷り込まれたことで、気になってしかたがなくなったので・・・。)

さて、アルバムを通して聴いてみてですが、なんだか初めて接したような感じがしません。デジャブめいた感覚におちいることが何度もあります。北京語や広東語の楽曲は、これまで購入したことなどありません。何故でしょう?
ええっ、理由は解っています。アジアはコピー文化が盛んな地域です。彼女の歌も、これはアレで、これはソレと、簡単に指摘できるほどに模倣が多いのです。特に、コクトーツインズライクな楽曲は遣りすぎと感じます。いくらコクトーと親交があるにしろ、これはないでしょう。(とはいえ、この曲。北京語でなかったらコクトーの新曲として通じるかも)。
しかし、模倣の域を超えていないとはいえ、それは高次のレベルでのコピーです。手本となるもののレベルが高いので、模倣する側にも高度な技術(歌唱力)が要求されます。下手な模倣ほど恥ずかしいことはありません。フェイ・ウォンの場合は、下手をするとオリジナルを超えるかのレベルで模倣しています。この歌唱力で、オリジナリティのある楽曲を唱うようになると、面白い存在になると思います。

おっ、肝心のFFのテーマ曲の話を忘れていました。この曲、最近のソロ活動におけるアニー・ハズラム調とでも言いましょうか、ストリングスをバックに、ゆったりとしたリズムでねちっこく唱いあげるタイプです。単体で聞くと、インパクトに欠けると思います。しかし、FF8のエンディングでこの曲が流れると、美しい動画像と、それまでの物語が相まって泣けるかも。その際、日本語の対訳を読み、歌詞の内容を知っていると更にいけますね。臭いのだけれど、結構壺を付いているというか。

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[Fear Factory]ObsoleteOBSOLETE
FEAR FACTORY
★★★

フィア・ファクトリー通算3枚目のフルレンス(リミックス等は除く)。

テクノロジーと過去の遺産の折衷によって世界が進化していくとすると、このバンドの方向性は、それに則している。
ハードコア(以下HC)、ヘヴィー・メタル(以下HM)などの伝統とテクノロジーを化合させることによって、このバンドの音楽性は生まれた。インダストリアルというほどテクノロジーに偏重していないそれは、ポスト・HCやポストHMの文脈で語られるべきだろう。
(オバーグラウンドの世界で)PRODIGYなど、テクノからロックに進入してきた音楽が続々と生まれる中、HMやHCの世界からも、これに呼応する動きがもっと出てくるだろう。その動きの先端部分に、このバンドはいる。

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[Firehose]FromohaioFROMOHAIO
FIREHOSE
★★★

’89年に発表されたFIREHOSEの3枚目フルレンス。

やっぱり、マイク・ワットのベースは良いですね。PRIMUS程変態的フレーズをプレイするわけでは無いのですが、なんかこうブヒブヒ言っていると言いますか。

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[Flairck]De Gouden EeuwDE GOUDEN EEUW(黄金時代)
FLAIRCK
★★★

オランダ出身のパフォーマンスグループ、FLAIRCKが96年にリリースしたフルレンス・アルバム。今作よりメンバーが一新されています。

FLAIRCKというと軽快なアコースティック・サウンドに合わせて、大道芸的なパフォーマンスを演じるということで知られる(知らない?)。二人羽織での演奏や曲芸的な奏法で、聴覚のみならず、視覚まで楽しませてくれる。勿論、音楽性も非常に高い。親しみやすくも格調高いアコースティックな世界を、高度の次元で展開している。
しかし、メンバーの大幅な交代により、その音楽性はかなりの変更を余儀無くされた。アコースティックな作風は相変わらずであるが、殆どの楽曲にヴォーカル(メインはフィーメール)が導入されている。また、以前のような軽快さが後退し、クラッシックよりの重厚な作風に変わっている(勿論軽快な曲もあるが)。
また、今作はストーリーを持ったコンセプトアルバムということになっている。しかし、対訳も無く、英語でも無いので解読するのは困難だ。
コンセプトアルバム、フィーメールヴォーカルという単語にピンと来た方にお薦めします。

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[Fleet Foxes]Fleet FoxesFleet Foxes
Fleet Foxes
★★★☆

シアトルのインディーズレーベルSUB POPよりデビューしたFleet Foxesのファーストとなるフルレンスアルバム。

SUB POPというと、Soundgardenのアルバムをリリースするためにレーベルを興したレーベルということで、アンダーグラウンド志向なロックバンドが多いという印象がある。しかし、このバンドはメジャー感があり、しかもアコースティックなサウンド。アコースティックでアメリカならカントリーっぽい音を想像するかと思うが、このバンドのサウンドはどちらかというとヨーロッパ寄り。6、70年代イギリスのフォーク・ロックやチェンバーロック、プログレあたりからの影響を感じる。いずれにせよ、現在では珍しいタイプの音。

若いけれど、メンバーは一人を除き髭面で、無骨な印象。しかし、音は繊細で綺麗なコーラスワークと併せて、とても綺麗な音作り。下賤な表現をしてしまえば、「癒される」という表現のぴったりくる音楽。しかし、これは馬鹿にした喩えではなく、褒め言葉。とてもアーティスティックな音で、地元だけではなく、アメリカ全土で受け入れられているというのが良く分かるスケール感のある音楽。ここ数年で聞いた新人バンドでは一番面白いかもしれない。お勧め。

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[Friction]Zone TripperZONE TRIPPER
FRICTION
★★★☆

フリクション待望の新作(通算3枚目)さすがに東京ロッカーズはリアルタイムに体験していないけれど彼らの逸話は常々耳にするところ80年に坂本龍一プロデュースのもとに発表した1st「軋轢」は未だに各界から評価されています。

いやー、格好良いとはこういう音のことを言うのですね。ちょっとコテコテのような気もしましたが、音圧に吹き飛ばされてしまい、それも快感に変わりました。
で、このアルバム好きになったらOPTICAL*8の「BUG」を聞いて下さい。今作よりアバンギャルドよりですが、素晴らしい作品ですので。

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[FSOL]Dead CitiesDEAD CITIES
THE FUTURE SOUND OF LONDON
★★★

フューチャー・サウンド・オブ・ロンドン、日本国内でもしだいに一般認知されつるあるテクノ・ムーブメントの波にのり、初の国内リリース。

彼等のワークに初めて触れたのは、キングクリムゾンのロバート・フリップと元ジャパンのデヴィド・シルヴィアンが組んだユニット、シルヴィアン&フリップ(以下S&F)のリリースしたミニ・アルバムでのことだ。S&Fの楽曲「ダーシャン」を解体し、巧妙に再構築したその仕事は、テクノにそれほど関心を抱いていなかった私に、この分野への注意を喚起させたほど素晴らしい出来だった。

彼等は、様々な音の断片を用いてコラージュする。内在していた意味性を剥奪されて単なる個々のパーツと化した音は、新たな音楽の為に有機結合し、生まれ変わる。新たなる様相を持った音の集合体は、以前とは異なる意味を伴って、我々の前に現出するのだ。

硬質な感触を持つFSOLの音楽は、振幅の激しい過激な曲であっても、その世界は静謐に感じる。それは、楽曲の構造に幾科学的な美しさを感じるからかもしれない。また、感情的な要素を排した結果なのかもしれない。

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