blackacidevil
DANZIG
★★★
レーベルも替わり、新規一転にてリリースするグレン・ダンジグ率いるダンジグの最新アルバム。
バンドメンバーを見ると、ギター専任のプレイヤーがいない。そして、代わりに見受けることが出来たのは、キーボード&プログラミング担当というJOSEPH
BISHARAという名前。いやな予感とともにプレイヤーをスタート。
ああっ、案の定のインダストリアル・テイストなサウンド。待てよ。でも、そんなに悪くないぞ。いや、前作より良いとさえ言える。作風は全く別のアーティストの作品に思えるほど変化したが、格好良い。そして、ダンジグのアイデンティティとも言える、アンチ・クライストな歌詞も健在だ(その筋のかた、安心してお買い求めになれます・・・)。
また、特別ゲストとして、アリス・イン・チェインズのJERRY CANTRELLも3曲で参加しているし、ブラックサバスの「HAND OF DOOM」のカバーまで入っている(原曲に忠実という訳ではないけれど、これまた格好良い)。こりゃ絶対のお買い得品でしょう!
EXILES
DAVID CROSS
(評価は各曲目毎に付けています)
元キングクリムゾンのデヴィッド・クロスが制作したアルバム。ソロアルバムとしては4枚目になります。今回の目玉は、多彩なゲスト陣でしょう。ロバート・フリップ、ジョン・ウェットンは勿論のこととして、作詞としてピート・シンフィールド、ヴォーカルとしてピーター・ハミル(元ヴァンダー・グラフ・ジェネレーター)らが参加しています。
今回は1曲毎に解説&参加メンバーを紹介。
(G-Guitar Vl-Violin V-Vocal K-Keyboard S-Sax F-Flute B-Bass Dr-Drums
P-Programing)
- Exiles ★☆
Peter Claridge(G),Paul Clark(G),David Cross(Vl),Dave Kendal(K),Dan Maurer(Dr),Mike Paul(B),John Wetton(V)
クリムゾン5枚目のアルバム「太陽と戦慄」に収録された楽曲のカバー。装飾音過剰により、この曲が元来持っていたはずの抑制された男達の美学というか、ダンディズムみたいなものが完全に欠落しています。ギターソロも邪魔、蛇足以上の何物でも無い。 - 2 Tonk ★★★★
Peter Claridge(G),David Cross(Vl),Dave Kendal(K),Robert Fripp(G),Peter Hammill(V),Dan Maurer(Dr),Mike Paul(B)
現在のキングクリムゾンを彷彿させるオリジナルな楽曲。このアルバム中屈指の作品で、私の最もお気に入りな楽曲。 如何にもフリップなギターフレーズはどうかとも思うが、ピーター・ハミルのブルータルな歌唱法との相性はかなりのもの。ハミルがクリムゾンに加入してくれればという、淡い想いがこみ上げてきます。 - Slippy Slide ★★
Paul Clark(G),David Cross(Vl),Dan Maurer(Dr),Pete McPhail(S)Mike Paul(B)
フリップのサウンドスケープに、クロスのヴァイオリンが絡む楽曲。 クリムゾンの「TRIO」を連想させもするが、あの曲ほどの美しさは無し。 - Duo ★★★
David Cross(Vl),Robert Fripp(G)
フリップのサウンドスケープに、クロスのヴァイオリンが絡む楽曲。 クリムゾンの「TRIO」を連想させもするが、あの曲ほどの美しさは無し。 - THIS IS YOUR LIFE ★★☆
Paul Clark(G),David Cross(Vl),Dan Maurer(P),Mike Paul(B),John Wetton(V)
シンフィールドが作詞にて参加した楽曲。 この曲での最大の発見は、シンフィールドのリリシズムたっぷりの詩に、ウェットンは合わないということ。グレッグ・レイクあたりが適役だったのでは? - FAST ★★
Paul Clark(G),David Cross(Vl),Dan Maurer(Dr),Pete McPhail(Sax)Mike Paul(B)
3曲目と同傾向の楽曲。 出だし部分がファイナル・ファンタジーの戦闘シーンに流れる音楽みたい - TROPPO ★★★
Peter Claridge(G),David Cross(Vl),Robert Fripp(G),Peter Hammill(V),Dave Kendal(K),Dan Maurer(Dr),Mike Paul(B)
再び、フリップ、ハミルの参加した楽曲。 ヴォーカルパートでは、フリップはサウンドスケープに徹している。しかし、中盤部分のパートでは気合いの入ったアグレッシブなギタープレイを奏でる。ロングサスティーンを多用したフレーズは相変わらず巧い。 - HERO ★★☆
Paul Clark(G),David Cross(Vl),Dan Maurer(Dr),Pete McPhail(S,F)Mike Paul(B)
時にジェントル・ジャイアントあたりを彷彿とさせるようなコミカルな面が顔を出す楽曲。ドリームシアター的と言った方が分かり易いかな? - CAKES ★★☆
David Cross(Vl),Robert Fripp(G)
4曲目のDUOと同系統の楽曲。イギリス盤ではこの曲が収録されている替わりに、「Duo」が収録されておらず、アメリカ盤にはこの曲が無い替わりに、「Duo」が収録されている。 Duoにも言えるが、E-Violinの音は、いかにも安っぽい。いくら美しい旋律を奏でようとも、その音はチープなまでに貧弱だ。
と、以上9曲を駆け足で紹介してみました。
結論から先に言うと、「クリムゾンのファンなら買い」でしょう。現在、同種の同窓会的アルバムが増えてきていますが、この作品のクォリティーはその中ではまずまずのものです。特に、ハミルとフリップの共演は感動すら覚える物がありました。ガッカリすることはあっても、幻滅することはないでしょう。
DEAD BEES ON CAKE
DAVID SYLVIAN
★★★
デヴィッド・シルヴィアン個人の名義のソロアルバムとしては、「シークレッツ・オブ・ザ・ビーハイヴ」以来実に12年ぶりとなる本作。通算4枚目のフルレンス。
坂本龍一は基本として、仲違いしていた弟スティーブ・ジャンセンもゲスト参加しています。
日本の音楽界を席巻するヴィジュアル系と呼ばれるバンド群。彼らのルーツは何?というくだらないことを考えてみた。
グラムロックでは音楽性が異なるし、ボイ・ジョージなどのニューウェーブよりはルーツが古い気がする。とすると、80年代初頭に日本の、特に女性層に指示を集めたJAPANあたりにその源流があるのではないだろうか?というあたりに考えに行き着いた。
イギリス出身の5人組(後期は4人組に)の美形バンドJAPAN。彼らのステージ周りには、常に彼らに焦がれる女性達の姿があった(*1)。この状況は、女性ファンがそのリスナーの中心を占める、ヴィジュアル系バンドに似ていると言える。また、デヴィッド・シルヴィアンの個性的な歌唱法も、ヴィジュアル系の妙な歌いまわしに近いものがある。
等と、語っていてこうと思ったが、私自身にヴィジュアル系バンドの知識が無いことに気が付いた。ということで、与太はここまで。
デヴィッド・シルヴィアンである。彼のことを求道的であるとか、真のアーティストとして評するレビューが多い。それらを読んだとき、私の頭の中には?という疑問符が常に現れる。ソロデビュー以降、彼の音楽のスタイルにそれほど大きな変化は無いし、革新的な音楽を開発したということも無い。また、今作ではインド音楽の導入が行われている。これなど、インドにて彼曰く、「人生の導師」というヒンズー教徒との出会いによってもたらされた。いまどき、インドでグルである。一昔前のヨーロッパ社会に数多くいた似非教養人のようなことを、いまさら恥ずかしげも無く言われても・・・、と赤面してしまう。
ということで、サウンドの方は先ほども言ったように、あまり変化はない。インド的な旋律やタブラのリズムが所々に顔を出すことが、新しいといえば新しいと言えるかもしれない。
お耽美な歌詞は、より格調高いものへと進化している。ここらへんは貴族的と言うか、ヨーロッパを強く感じさせる。
僕が歩くこの道から影を取り除き
太陽の光になってくれないか、僕の太陽の光に
のような表現などは、彼らしいし、他のアーティストが歌おうものなら噴飯ものだ。また、このような表現が、端的に彼の音楽性を示しているといえる。これに悪寒が走るような人は、彼の作品世界には触れない方が良いだろう。
ということで、このアルバムはシルヴィアンの音楽が好きな人は黙っていても買うでしょうからどうでも良いが、彼の世界に接してみたいという入門者に薦めるのはどうかと思う。私としては、今作よりJAPANの面子が結集して製作したRAIN TREE CROW名義のアルバム、「RAIN TREE CROW」をまず奨めておきたい。これは傑作。
(*1)
90年代初期、ロバート・フリップと結成したユニット、シルヴィアン・フリップのライブ会場でも、彼女たちの姿は際だっていた。初来日時はアルバムリリース前であり、フリップの前衛色が炸裂するステージだったのだが、彼女たちはそのようなことはものともせず、ひたすら見目麗しい王子、デヴィッド・シルヴィアンに見惚れていた(惚けて?)。勿論、我々硬派なフリップ信者は、嫌悪感を込めて彼女たちの存在を邪魔に思ったことは言うまでもない。
SPRITCHASER
DEAD CAN DANCE
★★☆
デッド・カン・ダンス突然の新作リリース。輸入版を購入したのですが、販売元がコロンビアからワーナーに。
オープニングにいきなり流れる電子パルスのようなノイズ。へっ?ま、まさか?!という思いが頭を横切る。
数秒後
ああっ、どうやら杞憂の様だ。後の展開はいつものデッド・カン・ダンス。
聞き終えて
なんか今回のアルバムはブレダンの色が濃いな。リサが一人でソロ・アルバム作ったことに怒っているのか?ってことで、リサの歌声が好きな私にはいまいちなアルバムでした。
デミセミ クエーバーIII
DEMI SEMI QUAVER
★★★
デミセミ・クエーバー、3枚目にしてメジャー1st。コマーシャル・ソング、「Papia<決心したんだ>」も収録。
存在自体は以前から知っていたのだけれど、ヴォーカルのエミ嬢から色物的印象を受け、今まで手に着けることをしませんでした。しかし、今回アルバムを買ってみて今まで不当に抱いていたその印象は崩れました。すんません、デミセミのみなさん(^^;お詫びに知人どもに薦めまくります。
THE
IDEAL CRASH
dEUS
★★★
ベルギー出身のdEUS、3枚目のフルレンスアルバム。プロデュース&ミックスはキングクリムゾン、TOOLなどで有名なDAVID BOTTRILL。前作に続き、ゲストとしてBART MARIS(HORN、元X-LEGGED SALLY)が参加しています。
ポップのフォーマットを踏襲していながら、一癖もふた癖もあるメロディーラインは相変わらず。聞き込むほどに新しい発見をする、懐の深いサウンドだ。ハマルと常習性が強いだろう。
1曲目の引きは強いのだが、その後は一聴するだけでは印象の薄い淡いサウンドに感じられる。腰を据え、サウンドプロダクションも含めてじっくり味わう気力が無いと楽しめないかもしれない。個人的にはお勧めの作品だが、誰にでも気に入られる作品ではないだろう。
In A Bar,Under The Sea
dEUS
ISLAND / CID 8052/524 296-2
★★★☆
ベルギー出身のdEUS、2枚目のフルレンス。
ゲスト・アーティストとしてX-LEGGED SALLYのPETER VERMEERSCH(Guitar、6曲目のアレンジ)とBART MARIS(Trumpet、演奏に参加)が参加しています。
幼女を拉致し、海外に売りさばく人身売買組織のことぐらいしか日本に紹介されない国ベルギー。こういった組織が暗躍するのにも、それなりのわけがある。それは、この国が交易の中継地点として機能しているということ。もちろん以下は御想像の通りなんで、略。
で、中継地点というからに、様々な国の言葉が交錯する。もちろん、メディアも同様だ。よって、この国の若い人たちはいろんなものを吸収する。だから、産れてくる音楽もごった煮のようにルーツが様々。ヨーロッパ各国の音楽シーンから、NY、シアトル、シカゴ、東京、大阪の音楽シーン等々。
産れた時からこのような異文化の交錯する環境で育てば、付け焼き刃では無い、真にオルタナティブな音楽が産れるはずなわけで…。
と、ここから本題。
dEUSの音楽は曲により、その様を多様に変化させていく。コテコテのブルースかと思うと、ムーディーなバックにウィスパーなヴォーカルがいて、油断しているとゴリゴリのアヴァンギャルドだけどヴォーカルはポップってな感じ。聞く人によっては捉え所のない、珍奇なものに聞こえるかもしれない。しかし、それが彼等の個性なんです。いろんなものが詰まったおもちゃ箱をひっくり返し、好きな物を組み合わせて遊ぶ。幼少期、誰もが試みたはずのことを、彼等は音楽でやっている。懐古型ではなく現在進行形のおもちゃ遊び。子供の心と、卓越した演奏力の組み合わせによる一級のアンサンブルは、凄みを感じさせつつも、楽しんで聞き込めます。
ベルギー出身の注目すべき新人。プロデュースを行うのがX-LEGGED SALLYのピーター・ヴェルブローゼンとピーター・ヴェルマーシュ!これだけで既存のバンドとはひと味違う、しかもかなり高度な音楽性を持っていることが分かろうというもの。
不可思議なイントロの直後にいきなり始まるポップチューンのナンバー。思わずムムムと唸らせる程、良い感じに引っ掛かるメロディーの数々!ポップでいて、決して聞き流すことが出来ないのは、本物の証拠!まったくベルギーってのは底知れない国ですね。
Equilibrismo
Da Insofferenza
DEUS EX MACHINA
BELLE ANTIQUE / MAR98466
★★★☆
デウス・エクス・マッキーナの4枚目となるフルレンスアルバム。
ホーンセクションの導入によりサウンドの幅が増えるも、その変態的なまでに凝ったアクロバティックな楽曲は相変わらず。それでいてもたつかず、疾走するような勢いがあり、展開はスリリング。鳥肌物である。
懐古的なプログレッシブサウンドも感じられれば、アバンギャルドな難解さも兼ね備え、メタリックな激しいサウンドもある。前衛的でいながら、ポピュラリティな要素まで兼ね備える。実に面白いバンドだ。お勧め。
DE REPUBLICA
DEUS EX MACHINA
★★★☆
一部で超合金合体ロック(笑)と呼ばれる、イタリアン・バンドの3作目。
重要なことは、今のイタリアにおいて、これだけモダンで力強いプログレッシブ・ロックが存在すると言うこと。過去、イタリアは確実にプログレの聖地の一つだった。しかし、それはあくまで過去のこと。現在では、回顧趣味のファンに合わせ、細々と過去の栄光や遺産を切り売りしているという状態。
けれど、このようなバンドが存在するってことはイタリアの再生も近いのか?と希望的観測
肝心のサウンドは超合金合体ロックと呼ばれるだけあって、ギターにはディストーションがかかりメタリック。で、テイストはあくまでイタリアン!P.F.Mを代表とするイタリアン・バンドの影が、あちこちでちらつく。
怒りの日
デヴィル・ドール
★★★
スロヴェニアのデヴィル・ドール、待望の最新作。一度完成しながらもテロによる火災によりマスター・テープが消失してしまった為に、作り直したという曰く付きのアルバム。
私にはあまりピンとこないアルバム。作品のクオリティーが高いということは解るのですが、個人的にシアトリカルなバンド、それも誇張が激しいバンドって苦手でして。ジェネシスも嫌いじゃないけれど、ゲイブリエルならソロ作品の方が好みだし、マリリオンもフィッシュ在籍時より、今のホーガスの方が好きだ。
でも、波長が合い、作品世界に没入出来る方には大傑作かもしれません。
Indestructible
Disturbed
★★★☆
前作「Ten Thousand Fists」より3年ぶりにリリースされるDisturbed通算4枚目となるフルレンスアルバム。
音楽が多様化し、様々なジャンルがそれぞれに要素をミクスチャーしあいながら更に新たなジャンルを生み出している。Heavy Metalというジャンルも同様で、パンクやプログレ、ファンクやヒップホップ、テクノ、インダストリアルなど、混ざりあいながらスラッシュ・メタル、グランジ、デスメタルなど、様々な亜種を派生させてきた。では、今のHeavy Metalというジャンルを捉えた場合、この音楽ジャンルを具現化する、最も正統的なバンドはなんだろう?と考えた。ボクはこのバンドあたりがそれにあたるのではないかと考えている。往年のジュダス・プリーストやアイアン・メイデンも確かに正統かつ王道かもしれない。しかし、彼らの音楽性は時にブレる。モダンを意識するあまり、方向性がおかしな方向に向かうときがある。しかし、このDisturbedというバンドはぶれない。しかし、古くさいということではない。Heavy Metalという音楽のモダン化を行いつつも、その音楽性は真芯を捉えていると思う。(このバンドのメンバーが40,50代になったときに、まだHeavy Metalの王道を演奏出来るかは保証の限りでは無いけれど。)
さてアルバムの内容はというと、相変わらずヴォーカル(デイヴィッド・ドレイマン)の存在感が強い。侠気あふれる歌唱方でバラードの類は一切無く、全曲がパワーメタル。しかし、聴き疲れしないのはメロディーラインがしっかりしているからだろう。
楽曲の展開もストレートなものばかりで、プログレ的な複雑なものを求める人には物足りないだろうが、Heavy Metalが好きとい人には自信を持ってお勧めできる作品だ。
TEN THOUSAND FISTS
DISTURBED
★★★☆
全米初登場にしてNo1を記録した2nd「Belive」から3年ぶりにリリースされるDisturbed3枚目のフルレンスアルバム。ジャケットのアートワークはSpawnのトッド・マクファーレン。
バックの音圧に負けない声量に加え、ちゃんとメロディーラインも歌える説得力のある希有なヴォーカルを擁するバンド、Disturbed。売れに売れたセカンドはちょっとヴォーカルに曲が負けているかなと思ったけれど、今作ではかなり演奏も頑張っており、ヴォーカルとの親和性はかなり高まっている。だが、まだヴォーカルが強い。ヴォーカルが主旋律でギターはバッキング。これも個性といえば個性には違いないが、ギターのメロディーにもフックが欲しい。
とはいえ、ここまでヴォーカルが強いと生半可なギタリストでは対抗出来ないとは言える。ヴォーカルだけ、キングクリムゾンに貸していただくとか、元アリス・イン・チェインズのジェリー・カントレルあたりと組んでくれるととても面白い作品が出来あがる気がする。
モダンヘヴィーメタルシーンの最右翼であるDisturbed。ヘヴィーかつ聞かせるヴォーカルは一聴の価値有り。往年のヘヴィメタが好きな人にも受け入れることが出来ると思うので、興味のある人は是非。お勧め。
SKIN
DOCTOR NERVE
★★★★
ニューヨークの超絶テクニックバンドDOCTOR NERVE、5枚目のアルバム。
このバンドの特徴はといえば、コンピューターのプログラム(Pearlで記述)によって複雑な旋律を作成し、それを力技で楽曲に取り込むという作曲法を用いているということ。これによって、ちょっと普通じゃ浮かびそうもないフレーズが頻繁に飛び出す。リズムもあたりまえのように複雑で、演奏の困難さは大変なものだろう。
また、今作はHM色が濃い。ブラックサバスのトニー・アイオミに影響を受けたいう発言を記事で読んだ事があるが、本当のことだったようだ。HM的なギターフレーズにより、全アルバム中最も聴きやい。彼等の作品に接する際の、入り口としてはこのアルバムが最適でしょう。
青木ロビン率いるdowny4枚目のフルレンスアルバム。
前作にてドラムが変わり、サウンドに新機軸が出てきた感はあったのだが、それは顕著に分かるほどのものではなく、これまでの延長線上にあるものだった。しかし、今作で展開される音楽世界は、これまでのものとは違うと分かるほどに色々な変化がある。それはゲスト参加しているサックスだったり、ポップなメロディーラインやフリージャズ的な展開だったりするわけだが、なにより面白いものは何でも取り込んでいこうとするバンドの姿勢だろう。この姿勢と新たに取り入れた要素をバンドの血肉とするバンドの度量がサウンドを良い感じに変質させ、ともすると単調だった楽曲をとてもバラエティーに富んだものとしている。
バラエティに富んだ今作に収められた楽曲は素直に格好良いと言える曲が多い。これまでの彼らの音楽同様万人に勧められる作品では無いが、プログレ者は勿論、ラウドロックやメタリックなプログレ好きあたりにも進められる良作だ。
青木ロビン率いるdownyの2ndアルバム。
前作の方向性を更に発展させた作品だが、その音楽性は更に深みを増している。
ミニマルミュージックのように反復性の多い音楽反復性なのだが、メロディーラインが耳に残る。とても印象的なメロディーだ。美しいが、心休まるというものではない。寂寞とした世界で鳴り響く、無情感に満ちたメロディーだ。諦観などのネガティブな感情がない交ぜとなったような感じがする。
このバンドの特色として、ライブ中にバックで音楽に合わせて作成した映像を流すことがあげられる。バンドのメンバーに映像担当がいることから、その力の入れようは趣向のレベルを超えたものだ。偶然、TVでこのアルバムの1曲目のライブ映像を見ることが出来た。カメラワークの悪さから映像を全て確認出来るものでは無かったが、なかなか興味深いものだった。やはり、このバンドにはDVDなどでも作品をリリースしてもらいたい。
万人に勧めることが出来る作品では無いが、かなりお気に入りの作品だ。CDプレイヤーに入れっぱなしで何度も繰り返しては聞いている。
2000年4月、青木ロビン(G,Vocal)を中心に結成されたDOWNY。東京を中心として、日本各地で精力的にライブ活動を行っている。
SLOWなテンポと低音を強調した音楽空間は、バンド名に似てダウナー。精神の高揚は望むべくも無く、聞いているとひたすらに気持ちを暗鬱とさせる。英語的な発音で歌い込まれる聞き分け難い日本語の歌詞も、その気分を倍増させる要素となっている。クリムゾンやアネクドテンの暗黒面に、そのサウンドの傾向は近いかもしれない。
ライブではバックにスクリーンを配し、演奏に合わせてそこに動画や画像を映しだしていく。このようなライブは特に珍しい試みでも無いわけだが、バンドのメンバーとしてこの映像専任の人間を加えているなど、その力の入れようは他と一線を画す。初期キング・クリムゾンにおける、ピート・シンフィールドといったところだろうか。
新人バンドとしては珍しいサウンドは、トータスなどの音響系、クリムゾンなどのヘヴィーなプログレに通じる。今後の活動を期待していきたい、注目のバンドだ。
Systematic Chaos
Dream Theater
★★★
前作から2年のインターバルを置いて制作されたドリームシアター9枚目となるフルレンスアルバム。
一見さんお断りとばかりに、オープニング一曲目から5分以上のインストが続く。ドリームシアターをデビューから付き合ってきた私にも冗長さを感じるそれは、この種のシンフォニック系ハードプログレの音を聞いたことのない方には、この先へと続く道を閉ざす巨大な門のようなものだろう。ここで挫折するようでは、前に進むことは困難だ。諦めて別の道を探した方が良いという。
ヴォーカルとコーラスワークに少し新しい試みを導入した以外は、いつものドリームシアター印のアルバムといえる。ただ、しっとりと聞かせるメローなヴォーカルナンバーやアコースティックで短めな曲が収録されていないため、インターバル的なものがない。加えて、曲の大半が長尺で展開も激しい。そのため、全曲を通して聴くと疲れてしまうかもしれない。
彼等のファンには期待通りの安定したレベルの作品でお勧めできる。しかし、彼等のファンで無い限り近づかない方が良いかもしれない。
メンバーも安定し、世界中に固定のファンを持つが故か、楽曲に関しての目立った冒険はありません。往年のプログレファンのためでしょうか?先達達の楽曲からワンフレーズを借りて、そのまま自分たちの曲に挿入するあたりが目新しく入った要素と言えるかもしれません。
目立った変化こそありませんが、高レベルで安定した演奏と楽曲なので、彼らのファンを失望させるようなアルバムでもありません。ヴォーカルをフューチャーしたメローな曲からハードな展開の曲、大作まで、いささか紋切り型ではありますが、飽きさせません(ファン限定)。
毎度同じような締めになりますが、ファンにはお勧めで、それ以外の方にはちょっとどうかと。興味のある方は2nd、5th、6thあたりからの入門をお勧めします。
Train of Thought
DREAM THEATER
★★★
ドリームシアター通算7枚目のフルレンスアルバム。
ドリームシアターというバンドの舵を握っているのはドラムとギターなわけだが、これまでは多少の偏りこそあれ均等にパートを分け合ってきた。しかし、今作ではギターパートの比重が高い。これでもかというほど、テクニカルなギタープレイが繰り広げられる。過剰過ぎて、楽曲が破綻するのではと感じてしまうほどに…。とはいえ、ドリームシアターでなければ作り得ない、いかにもドリームシアター的なアルバムであると言える。5,6枚目に続けて聴いていくと、違和感無く流していける。
前作同様、彼らが好きな人は買いなさい。興味が無いなら聴かなくても良いです的アルバム&バンド。個人的には好きだが、お勧めは出来ない。
SIX
DEGREES OF INNER TURBULENCE
DREAM THEATER
eastwest / AMCY-7311~2
★★★☆
ドリームシアター通算6枚目となるフルレンスアルバム(2枚組)。
前作「METROPOLIS PT.2」は低迷していたドリームシアターのリスタートを告げる良作だった。今作は前作の路線を受け継ぐ42分強の組曲と、5曲の小曲(それでも10分前後)からなる2枚組アルバムという大作となっている。作風は前作の路線を継承しつつ、半歩先を行くようなものとなっている。あまり変化をさせても、逆に変化が少なくとも駄目なわけで、実に賢明で堅実だ。保守と革新との絶妙のマッチングと言える。
1枚目の楽曲は少々冗長で散漫に感じる箇所もあるが、2枚目の組曲は総じてまとまっており、飽きさせない。なにより、ジョーダン・ルーデスのキーボードプレイが光る。前作以上にバンドサウンドに溶け込み、必要不可分な要素として他の楽器に負けなていない。どころか、ギター以上に光るプレイが目立つ。サウンドのセレクトに往年のプログレを想起させ時代を感じさせるが、そこもまた良い感じなのである。カーツウェルのキーボード1台で、全ての音源を制御しているらしいが、恐ろしくテクニカルなプレイヤーだ。先代を超えていることは言うまでもなく、歴代ナンバー1のキーボーディストであると言える。
ヴォーカルの歌唱にむらと言うか、雑な印象を所々感じるあたりに今後の課題ありと思うけれど、まずはお勧めできる作品だ。ただ、ドリームシアターって何?という人にはまず勧められない。彼らのファンや、ハードプログレファンの為の音楽であると言える。テクニカルなインタープレイも、好きではないとただひたすらに長い間奏程度としか感じられないだろうから。
METROPOLIS PT.2:SCENES FROM A MEMORY
DREAM THEATER
★★★☆
新キーボーディストを迎えて制作された、ドリームシアターの最新作。今作は2ndアルバム「IMAGES&WORDS」に収録されていた「メトロポリス Part1」の発展型となる作品で、組曲形式のコンセプトアルバムとなっています。
ドリームシアターのファンが、バンドにたいしてどのような期待を抱いているのかは知らない。しかし、2ndアルバムを聞いて感動したプログレ者の大半は、シンフォニックなプログレをベースにしつつも、過去から未来に突き抜けるように、同時代性をも感じさせた作品群に魅せられたはずだ。そして、2nd以降のアルバムには、はっきり言って失望しことだろう。新しい音楽を創作することは、プログレスする音楽を志向するバンドの使命である。しかし、過去の否定をすることが、新しいモノを生み出すとは限らない。発展していくことで、到達する境地と言うものもあるはずだ。私を含めて、その様な進化をドリームシアターに期待していた人は多いことだろう。
今作は、2ndアルバムの頃の彼らに最も近い。核となるサウンドのモチーフが、2nd収録曲と同じ事によるところが大きいのだが、それだけでは無いだろう。意識的な原点回帰が図られているように感じられる。セールス面での不振も影響しているだろう。だが、今回の軌道修正の効果は、大きな喜びをもって、ファンに受けいられるだろう。長ったらしいインタープレイも、これみよがしな展開の楽曲も、彼らのファンを喜ばせるばかりだ。忘れては行けない。今回より加入したキーボーディスト、ジョーダン・ルーデスのことだ。以前のキーボーディストは地味すぎた。他の楽器と派手に渡り合った行かねばならないドリームシアターのキーボーディストとしては、失格だった。居ない方が良かったとまで、言っても良いかもしれない。少なくとも、私には耐えられなかった。そこで、今回から参加したジョーダン・ルーデスはというと、過去の制作・参加作品の音を聞けば解るが、根っからのシンフォニックプログレ者である。KORGでシンセのサウンド制作にも関連していただけあり、音作りにも精通している。まだ、ドリームシアターでの活躍の場は小さいが、今後、期待できる逸材だ。今作の方向性でアルバムを制作していくには、欠かせない存在とも言える。いやー、良い人を加入してくれた。
と、褒めてばかりもなんだね。穿った聴き方をすれば、結構アラがあることにも気が付く。特に、ヴォーカルの歌唱には、今後問題が出てくるだろう。しかし、今作では、良い点のほうが多い。ここは、喜んで本作を迎えてあげるべきだろう。おかえりなさい。そして、おめでとう、ドリームシアター。良いキーボーディストが加入してくれてヨカッタネと。
ONCE IN A LIVETIME
DREAM THEATER
★★☆
1998年6月15日、フランスはパリのLe Bataclaにて行われたドリーム・シアターの公演を収録した2枚組ライブ・アルバム(トータル140分)。
これまでにも何度かライブ録音の音源を発表しているので、彼等のライブアクトとしての実力は周知のところでしょう。ええっ、ライブではヴォーカルの歌唱が少々雑になったり、キーボードのソロがつまらないということも。他のパートと言いますか、ドリームシアターの核である、ギター、ドラム、ベースの演奏は充実しています。
今でも彼等の大ファンであるという方は購入しても良いでしょうが、最近の彼等は…な人は手を出さぬが花でしょう。
Falling Into Infinity
DREAM THEATER
★★★
ドリーム・シアター待望の4枚目フルレンスアルバム(ミニ、ライブは除く)。国内盤は初回生産分に限り、8cmCD(2曲入り)が付いてきます。
前作である「AWKAE」は、ネガティブ過ぎるという意見も多く、あまり好評ではなかった。オーガニック(有機的)な音作りにチャレンジするなど、新たな試みも多々導入されていたのだけれど、いかんせん曲がつまらなかった。しかし今作では、前作での批判を検討し、改善してきたようだ。
2ndである「IMAGE AND WORDS」は、プログレッシブな楽曲とコマーシャルな楽曲が適度に混在していることによって、飽きること無く最後まで一気に聞くことが出来た。そして、今作においても、同様の手法が踏襲されている。
楽曲を1つ1つ聴いていく過程で感じるのは、キーボードの平凡さ。それはアコースティックな楽曲に顕著で、単調のあまり、邪魔にすら感じる。それにさえ目をつぶれば、及第点は上げられる力作だろう。彼らのファンや、ハードプログレの愛好家ならば、まずは買って損の無い作品だと思う。
<以下は余談>
聞いていて思い浮かべたのはキング・クリムゾンの1stと2nd。「Image & Words」を1st、今作を2ndにあてはめてみる。解る人は解るでしょう。 一応、言っておきますが、私は「ポセイドンの目覚め」好きです。
WORST CASE SCENARIO
無題
NO
TITLE
no
title
octavarium