BBCセッションズ
CAN
★★★★
初期CANがBBC、RADIO1にて行ったライブ集。
1曲目からダモ鈴木の強烈なヴォイス・パフォーマンス(?)、対訳には「あいつは別に何か歌っているってわけじゃないんだ。ただ意味のないことを口にしているだけで・・・。」と記されてるし・・・。
出来はさすが黄金期の面子だけあって、物凄くスリリング。ミヒャエルのギターは冴えわたり、ホルガーのベースも最高にいかします。
SACRILEGE(冒涜)
CAN
★★★★
20世紀も残すところ数年となった現在、ポピュラー音楽の世界は何度目かの地殻変動期を迎えている。そして、その変動をもたらす音楽群に対して、大きな影響を与えているバンドがCANである。そしてこのアルバムは、そんなCANをリスペクトする連中が、CANのオリジナル曲を素材に作りあげたリミックス集である。
収録曲とリミキサーは以下の通り。
| [DISK-1] | ||
| POON | : | ENO |
| SPOON | : | SONIC YOUTH |
| BLUE BAG | : | FRANCOIS KERVORKIAN |
| TANGO WHISKEYMAN | : | A GUY CALLED GERALD |
| TV SPOT | : | BRUCE GILBERT |
| VITAMIN C | : | U.N.K.L.E |
| HALLELUWAH | : | THE ORB |
| DH YEAH | : | SUNROOF |
| [DISK-2] | ||
| UNFINISHED | : | HILLER/KAISER/LEDA |
| FUTURE DAYS | : | CARL CRAIG |
| AND MORE | : | WEST BAM |
| FATHER CANNOT YELL | : | PETE SHELLY |
| DIZZY SPOON | : | SYSTEM7 |
| YOO DOO RIGHT | : | 3P |
| FLOW MOTION | : | AIR LIQUIDE |
| OH YEAH | : | SECRET KNOWLEDGE |
雑食動物であるCANを素材に、様々な調理法で料理された訳だけれども、未だ味わい尽くした気がしない。そこで、なんとも底知れぬ深みを持ち続けるCANの大きさを再認識させられた次第。
CANを未経験だと言う人にはその入り口として、経験者にはその認識のすそ野を広げるためにお勧めします。
The Carnival Bizarre
CATHEDRAL
★★★
今まで意識的に避けていたんですが(理由は無し)、初めてデス系を購入。なんだサバスじゃないか!と。2曲目にはトニー・アイオミが参加してます。
楽曲はかなり好み、やはりブリティッシュは良いなあ。ただ、ヴォーカルの表現力がイマイチなんで全曲通して聞くのはかなりきついです。
やはり、サバスの直系はA・I・Cかと言うことで。
BUZZ CANER
CAHOS A.D.
★★★
SQUAREPUSHERことトム・ジェンキンソンが、CHAOS A.D.名義でリシースしたフルレンスのアルバム。
打ち込みが主体で、ジャズやFUSION色は僅か。手弾きのEベースが顔を出すのはラスト1曲のみ。
時々に、SQUAREPUSHER(以下SP)とは別名義でアルバムをリリースする、トム・ジェンキンソン。名前は変わっても、全て彼一人の作品なわけだから、品質は保証済み。SPと異なる方向性というわけでは無いけれど、実験色が高いことは確か。そして、ここでの実験の成果がSPに反映されたりする。まあ、これはあたりまえのこと。過去があって、現在があるわけだからね。
SPのJAZZ的な側面を期待する人には薦めかねるが、SPの作品は総て好きという人にはマストアイテムかと。
COME
WITH US
THE CHEMICAL BROTHERS
★★★
通算4枚目となるケミカルブラザーズのフルレンスアルバム。
PC or MACに入れると収録曲でもある「STAR GUITAR」のPVを見ることが出来ます。
フロアー志向のサウンドから、ヴォーカルをフューチャーしたサイケデリックサウンド、心地よい爽快感のSPACE SOUNDまで、そのサウンドは多用であるけれど、一様に聞きやすいポップさを兼ね備えている。実験色もこのポップ感で霞み、万人に聞きやすいといる。それでいて、ケミカルならではの音楽世界は確立しているのだから、大したものだ。
すでにこの種のサウンドはアンダーグランドのものから日の当たる世界のものになってしまい、新奇さこそ薄れて久しい。そろそろ、熟成された洗練さを楽しむ時期になっているのかも知れない。
サウンドのクォリティーは非常に高く、捨て曲も無い。ケミカルファンならずともお勧め出来る作品。
SURRENDER
THE CHEMICAL BROTHERS
★★★
ケミカルブラザーズ3枚目のフルレンス・アルバム。
今作でも多くのゲストアーティストが参加しています。
前作までの強烈なグルーヴは1曲目を除き、形を潜めている。これは、フロアで鳴るための音楽からの脱却をはかってのことなのだろう。
とはいえ実験色は薄く、感触はポップだ。まず、聞き易さが全面に出ている。これが、次世代のポップフォーマットなのかもしれない。
前作はグルヴィーな方向にベクトルが定まっており、分かり易かったが、今作は多様ということで、その方向性は一つに定まらない。よって、時に冗長さを感じる人もいるかもしれない。
前作まのでケミカルや、PRODIGYのグルーブ感こそ「命」と感じている人は手を出さない方が無難かもしれない。
DIG YOUR OWN HOLE
THE CHEMICAL BROTHERS
★★★★
ケミカル・ブラザーズ、2枚目のフルレングス。
これがイマのポップなミュージックの基本フォーマット。既にアンダーグラウンドでは無くて、限り無くオーバーグラウンドに接近していたら、いつのまにか地表を突き抜け天まで届いていた、って感じ。でもって、ポップという同時代的普遍性を獲得しつつも、なおエッジが鋭いのなんの。なら、その刃は過去の因習と現代(いま)を結ぶくびきを断つことが出来るかな?それとも、「そんなのとうの昔に切れてるよ」とでも君は言うかい?そうなんだよね、切れてるかもね。いや、始めから存在しなかったのに、存在すると信じ込んでいた僕の中のものが切れたのかな?うーん。
ともあれ、面白いね。いま。吹っ切れた後には、雄大な大地が目の前に拡がっていたよ。
庭々
CINORAMA
★★★★
聞き込めば聞き込むほどに溢れだしてくる豊潤なイメージ。頭の中を駆け巡る想いの中で、シンクロするのは小川未明や宮沢賢治の童話にねこじるの漫画「ねこじるうどん」。「何処が?」って問われると、「ああっ、君にはわからないのか・・・。」と答えるしかない。だって、これって言語化する以前の未分化なものだから。そして、ちょっと前までの人は、誰でも持っていたものだと思う。近代化によって失ったものって、悲しくなるぐらい大きい。
3つのウソと5時の鐘
CINORAMA
★★★☆
新作「庭々」の出来があまりにも素晴らしいため、遡り買ってみた1st。
新作ほどの切れは無いが、こちらの方が既存のプログレ(系)寄り。新作で花開いた独自かつ豊潤なサウンドの萌芽が確かにここには見られます。
優しげなんだけれど、どこかこちらを突き放し、距離間を置いた様な楽曲。
WAKE
UP AND SMELL THE COFFEE
THE CRANBERRIES
★★★
クランベリーズの5枚目となるフルレンスアルバム。ジャケットのデザインは前作に引き続き、元ヒプノシスのストーム・ソーガソンが担当。
3,4枚目のセールス不振にさすがに危機感を感じたのか、プロデューサーを1st,2ndのスティーブン・ストリートが担当。サウンドを初期の頃のようなものに戻そうとしている。歌詞も1曲を除き説教めいたものはなりを潜め、恋愛に関するものが大半を占めている。社会批判をすることは結構だが視点が平易すぎて辟易していたこともあり、歌詞の変化は歓迎したいところだ。(平易な視点と言葉でなければ問題提起をしても相手に伝わらないという現実はあるので、一概に彼女のこれまの歌詞を非難するのもどうかと感じてしまう今日この頃)。
明らかに初期のサウンドへの回帰を指向したアルバムは、ここ数枚のアルバムに比べて明らかに聞き易い、というより耳に優しいが適当か。しかし、若さと共に失ったものは大きく、新曲よりもボーナスとして収録された昔の楽曲のライブ演奏の方が明らかに栄えるあたりで良くこのことが分かる。アイルランドという島国で作られた楽曲でありながらスケール感の大きかった初期のサウンドは、それ故に本国よりアメリカやオーストラリアなどで大ヒットしたわけだが、新作で展開される初期に近い楽曲はどうしてもまとまりが良すぎてしまい聞き易いが、聞き流してしまう。経験を重ねることで数多くの技術を得られるわけだが、初期の溢れんばかり衝動などを維持していくことは難しいということだ。洗練するということが常に良い結果を生むわけでは無い。この辺が、ロックの難しくも面白いところではある。
初期に比べるとどうしてもその存在が霞んでしまう今作ではあるが、初期のファンでアルバムも保持している方ならば購入しても損はないだろう。少なくとも、3,4枚目のサウンドに落胆した人は心地よいと感じることが出来ると言える。多少の違和感は感じるにしても。
BURY THE HATCHET
THE CRANBERRIES
★★☆
前作から3年を経てリリースされたクランベリーズの4thアルバム。
ジャケットのデザインはピンク・フロイドとの仕事で有名なストーム・ソーガソン(元ヒプノシス)が担当。
2年間の活動休止期間の間に、メンバーの大半は結婚し、ドロレスにいたっては出産、育児を経験した。この年月は、バンド内、特に、ドロレスの心に平安をもたらしたようだ。前作に満ちあふれていたギスギスした攻撃性は、歌詞からも、サウンドからも、大幅に減少した。特に、歌詞の内容の変化は著しく、紋切り型の社会批判から、ドロレス自身の視点から見た彼女なりの世界に対するオピニオンや、彼女の息子や夫に向けたパーソナルなものへと変化している。
しかし、この変化は諸手をあげて歓迎することは出来るものではない。なぜなら、歌詞の内省化は、サウンドの面まで作用を及ぼし、楽曲を単調なものとしてしまった。メロディーラインは起伏が乏しく、構造上のフックも無いのだ。これはあまりにつまらない。頭に残るような旋律も少ない。これが1st、2ndを製作した同バンドの作品とは、とても思えない。
TO THE FAITHFUL DEPARTED
THE CRANBERRIES
★★☆
1st、2ndを聞いていると、激しい調子の曲でも心が癒されていくように感じた。しかし、今回のアルバムを例えると傷口に凄く泌みる薬を塗られているよう。「痛い。痛い。」と塗られている側は訴えるけれど、先生(女性。フェミニスト。性格きつい)に「良く効くんだから、黙っていなさい!」と怒られる。しかも、その薬って患者に合わなくて、かえって悪化するんだ、これが。はぁ・・・。ドロレス嬢、いったい何でそんなに怒る?
WORM'S LIFE
CRASH TEST DUMMIES
★★★
2年振りになるクラッシュ・テスト・ダミーズ、待望の3rdアルバム。
聴衆に強烈な印象を残す、ロック界では珍しいバリトン・ヴォイス。牧歌的な印象さえ残す楽曲に付けられたインテリジェントな歌詩は、ユーモアーの感覚を残しつつも、鋭く世界を切り裂いていく力を秘めている。音だけを楽しむのではなく、是非歌詞に目を通し、思索してみて下さい。
BULL?
CRO MAGNON
★★★☆
ベルギー出身のアヴァンギャルド・ロックバンド、クロ・マニヨンの2nd。
同郷のX-LEGGED SALLY等のバンド群と比較すると、チェンバー色が濃いというのが特徴。
苦悩するかのように重いストリング・アンサンブル、軽快なカントリー的旋律、ハードロック的なディストーション・ギター、官能的な音色を奏でるソプラノサックス、etc。これら異種な存在が、同じ曲の中に同居する。だから、曲中の振幅はこれでもかこれでもかとまでに、激しく上下する。もちろんその印象は目まぐるしく移り変わり、実像が掴めてこない。しかし、実像が掴めてこないということが、このバンドの実像なのかもしれない。
X-LEGGED SALLY、DOCTOR NERAVEのファンは勿論、チェンバー、RIO関連のリスナーにも、要注目なバンド。今後、目が離せません。
