Vol.1
A Group
★★★
X-LEGGED SALLY来日公演で感じられた、ヴォーカルナンバーとインストナンバーとのギャップ。アルバムとして収められているぶんには違和感がなかったのだけれど、ステージ上で演奏されてみると、どうも収まりが悪かった。自分の番がやってくるとステージの端から飛び出してくるヴォーカリストの間の悪さがその一因なのだけれど、それ以上にステージにて、方向性の異なる2種類の音楽を同時にやっているような違和感を感じた。
同じようなことをバンドの面々が考えたのかどうかは分からないけれど、そのライブの直後、バンドは2つの形態に分裂した。メンバーの多くを共有するので、2つのプロジェクトを同時に進行するという形態に移行したと言い変えたほうが良いだろう。
このアルバムはその分裂した一方である、A-GROUPのデビューアルバムである。ヴォーカルナンバーを中心にロック色の強い方向を持っている。
その音楽性は、X-LEGGED SALLYにかなり近い。そして、おそらくはギターのPiere Vervloesemの趣味なのだろうが、ポップというか、コミカルな面や多い。
しかし気に懸かる問題として、(X-LEGGEDと比較して)メンバーの減少により、表現の幅が狭まってしまったということがある。また、メンバーの人数が減った事による音数の減少から、曲全体がソリッドになり、切れ味が鋭くなると考えていたのだが、逆にスピード感が減衰してしまったように感じられる。ホーンセクションの軽快なフレーズがもたらす効果は考えていたよりも大きく、それが失われてしまったことによる弊害は予想を超えていた。
また、ヴォーカリストの表現者として実力にも、疑問を呈しておきたい。インストナンバーがあって、その間にヴォーカルナンバーが挟まるという構成ならば、フック的な意味あいとして、歌物の効果もあるだろう。しかし、アルバム全体がヴォーカルナンバーで占められていると、どうしてもヴォーカリストの存在が重要となる。ここで、ヴォーカリストが達者であれば、その評価も倍増しなのだけれど、今の彼では役不足と言うしかない。よって、その印象の悪さばかりが際 だってしまう。
期待していただけに、今回のアルバムの出来には少々がっかりさせられた。次回作以降の健闘を祈りたい。またこうなると、もう一方の編成が気に懸かる。期待して良いとは思うが、どういうことになるだろう。
最後にバンド構成メンバーを
| Piere Vervloesem | guitar,bass guitar,vocals on "Hi Tom" |
| Anne Fontigny | keyboards,details,backing vocals |
| Thierry Mondelears | vocals,guitar,bass guitar |
| Didier Fontaine | drums,percussion,backing vocals |
| Peter Vermeersch | amples,clarinwet,vocals on "Lonly skies""One music/man frozen store" |
THE FUTURE OF WAR
ATARI TEEAGE RIOT
beat records / DHRJAP CD6(国内盤)
★★★
整理化された音楽を、極右主義の産物として憎悪でもしているのだろうか?彼等は極端に歪められた音の粒をマシンガンのように連射し、過激な言葉を乗せて聴衆をアジテイトする。しかし、感情を高揚させるようなグルーブは持たず、ひたすらにケイオスティックだ。抑制の効かぬその音楽は、その過激さゆえに聞く者を選ぶだろう。
Revelations
Audioslave
★★★☆
Audioslaeの3枚目となるフルレンスアルバム
前作である「Out of Exile」は1stに比べるとトーンが統一された、大人しめで、どっしりと腰の落ち着いたサウンドだった。それを反省したわけでは無いと思うが、今作に納められた楽曲は多彩で、とてもアグレッシブな印象を受ける。
ヴォーカルのクリス・コーネルや他のメンバーも、既に元~という前置きは全く不要なほどバンドとして纏まっている。それはサウンドが雄弁に語っているわけだが、完全にAudioslaveの音を確立したのだろう。勿論、バンドの音楽性は今後も変化はしていくだろうし、そうで無ければ面白くない。
アルバムを通して聞いていても、途中でだれることが無い。さらりと聞き流せるという訳でもない。どの曲も引っかかりがあり、聞き込んでしまう。つまるところ、捨て曲が無い。曲のバリエーションも豊富で、似通った曲も無い。かなり完成度の高いアルバムだ。ハードロック好きには間違いなくお勧め出来る。
2007年2月、クリス・コーネル(Vocal)の脱退により、その活動を休止する。
OUT OF EXILE
Audioslave
★★★☆
元レイジ・アゲインスト・ザ・マシンと元サウンドガーデンのヴォーカリスト、クリス・コーネルによって結成されたバンド、オーディオスレイブのセカンドアルバム。
アルバム1枚きりで解散するのではないかと気を揉んでいたけれど、2ndアルバムが無事にリリースされました。
展開されているサウンドはレイジでもなく、サウンドガーデンとも異なる。もはや元~という前置詞は不要でしょう。政治的なメッセージもなく、刺々しさもない。何十年も活動し続けてきたバンドのようなスケール感の大きいサウンド。「ザ・アメリカン・ロック」とでも言った趣すら漂う。身構えて聞く必要も無く、 BGMとしてもいけるだろうし、じっくりと鑑賞しても味わい深いサウンドだ。
AORとまでは言わないが、ヘヴィーなサウンドを求めて聴くと肩すかしを食らうだろう。往年の彼らをこそ最高と思う方は手を出さない方が良い。しかし、6,70年代のロック黄金期に流行っていたような良質なアメリカン・ロックを聴きたいと思っている人にはこのアルバムをお勧めできる。
AUDIOSLAVE
Audioslave
★★★☆
元サウンドガーデンのヴォーカリスト、クリス・コーネルとヴォーカリストの抜けてしまったレイジ・アゲインスト・ザ・マシンが合流し結成した新バンド、AUDIOSLAVEのデビュー・アルバム。
二大巨頭バンドの合体というと、過去にいくつもあるわけだけれど、今回の合体はそれらの中でも一級の部類に入るだろう。
元々、サウンドガーデンのクリスコーネルはプロジェクト的にいくつかのバンドに参加したという経験もあり、中でも、元マザー・ラブ・ボーンのアンドリュー・ウッドの追悼の為にデビュー前のパールジャムのメンバーと作成したテンプル・オブ・ザ・ドッグなどはとても面白いサウンドだった。(グランジと呼べれるサウンドシーンは結構頻繁に他のバンドとのセッションやプロジェクト的なバンドを作ったりと交流の多いシーンではあったので、サウンドガーデンに限った話ではないのだが。)このようなこともあり、クリスには異種交配に関して一日の長があると言える。よって、AUDIOSLAVEのサウンドもおそらくクリス主導と思われ、そのサウンドはレイジが展開していたサウンドとはおよそかけ離れたものとなっている。しかし、どちらかと言えばサウンドガーデン寄りと言えるかもしれないが、基本的にはどちらのサウンドとも異なる典型的なハードロックに仕上がっている。典型的とは言っても、楽曲の出来はかなり良い。レイジでは決して演奏されることが無かったバラード(ラブソングでは無い)も入っている。
レイジの政治性(体制批判など)は失ったが、その一方でより自由に楽曲を表現出来るようになった。まずは楽曲ありきで音楽に奉仕するという姿勢は、バンド名が端的が表現しているのだろう。
レイジファンにお勧め出来るかは解らないが、サウンドガーデンのファンやハードロックの好きな人は、まず聞いて損の無いアルバムだ。お勧め。
ALICE
IN CHAINS
ALICE IN CHAINS
★★★☆
一時は解散も噂されていた、現代ヘヴィネス・ミュージック界の帝王AIC。ヴォーカルのレインも、パールジャムのマイクマクレディ等と行ったプロジェクト(マッドシーズン)を経て完全復帰。メンバーも揃い、満を期したところで発表する3枚目のフルレンスアルバム。
サウンドは以前にもまして重くなっている。スピードを殺し、じわりじわりと肌にまとわりつくようなリフと、レインのシャーマニックな歌声が響き渡る。
気に懸かることは、全体的にジェーンの色合いが強いということ。おそらく、レインの復帰以前に作曲を始めたために、彼の貢献度が減ったということだろう。しかし、ヴォーカルの比重までかなりジェーンの方に傾いていおり、気に懸かる。とはいえ、以上の不安材料を軽く払拭する出来ではある。確かに、前作程のレベルには達していないが、それでも凡百のバンドより数段上だ。早急な来日公演を望む。ぜひライブで見たい。
ALICE IN CHAINS
ALICE IN CHAINS
ボーナス・トラックに対して★☆
ジャケットの問題から、日本でのリリースを見送られた、アリスの3rdアルバム。
輸入盤とは異なり、ジャケットは白地にバンド・ロゴが記入されただけの簡易な物。
また、今回のリリースに際し、ボーナス・トラックとして2曲が追加されました。
アルバムの評と、ジャケット問題に関しては既に言及していますので、今回はボーナスとして付加された2曲に関してのみの感想を・・・。
ボーナスと言っても、新曲では無い。アルバム収録曲「AGAIN」を、TATTO OF PAIN、LORD OF ASIDの二組にリミックスを委託して作らせた物。
TATOO OF PAINのヴァージョンは、A.I.C meets インダストリアルと言った感じで、LORD OF ACIDのヴァージョンは大胆にもジャングルを導入。
私には、共に特筆するほどの良さを感じませんでした。おまけ以上のものではありません。もし、輸入盤をお持ちの方で国内盤を購入しようかとお迷いの方がおられましたら、無理してまで買わないことを奨めます。
UNPLUGGED
ALICE IN CHAINS
★★★☆
’96年4月10日、MTVで放映するために収録されたアンプラグド・ライブ。新作「KILLER IS ME」を含めての全13曲。
メタリカはもちろん、アメリカのHMの連中が真っ先にフィエバリットとしてあげるバンドはといえば、アリス・イン・チェインズとなるだろう。それほど、かれらの作り出す音楽は魅力的かつ強力だ。レインの歌声とジェリーの紡ぎだす蠱惑的なメロディーは安易な追従者を許さない。
そして、今。レインのヴォーカルも数々のリハビリの成果によって、昔の色を取り戻した。これにより、彼らの世界制覇を阻む障害も無い。ここは一発ガツンと決めて頂きましょう
<後日>
って、また沈黙してしまった・・・。仕事しようよ。
OFFICIAL BOOTLEG LIVE IN JAPAN
ANEKDOTEN
★★★☆
1997年10月に来日公演を行ったスウェーデンのプログレッシブ・ロック・バンド、アネクドテン。今作はその日本公演の模様をほぼ完全に収録した2枚組みライブアルバム。
演奏に関しては、問題が無いと言いきってしまおう。そう、演奏は問題が無い。しかし、残念ながら、ヴォーカルはアルバムの完全再現。つまり、案の定、悲しくなるほどに巧くない。と言うより、はっきりと正確に言ってしまえば、下手。そう、とても下手。音程の不正確な歌メロは、苦痛すら感じてしまう。
しかし、演奏はさきほども言ったように、パーフェクト。ヴォーカルの欠点を補って余りあるほどに素晴らしい。クリムゾンの影が、曲のそこかしこに見え隠れしようが、良いものは良いのである。
で、どうだろう。せめてアルバムにはゲストヴォーカルを使うとかいかないのだろうか?ライブ盤もヴォーカルだけ、後で挿し換えとか(^^;
<余談>
さすがにメロトロンは持ってこれなかったらしく、音の再現はサンプリングしたシンセを用いている。レンタルしようにも、ちゃんど動くメロトロンが日本にそう何台もあるというものでは無いので、しかたのないことだろう。仮に見つかったとしても、秘蔵品だろうから、貸してくれないだろうしね。
私も、実物を触ったことがある。けれど、壊れていて音が出なかった。触れただけでもレアな体験だったのだけれど、生で音を聞いてみたかったと、今でも思う。電圧などの関係で微妙にピッチがずれるという珍奇なサウンドを、是非実体験したかったのだが・・・。
スウェーデン出身のプログレバンド、アネクドテン期待のセカンド・アルバム。
某誌にて、伊藤氏が今回のアルバムの進化を否定的に捉えていたけれど、私は反対。この時代、過去に囚われている一部のリスナーの回顧趣味を満足させるためにだけ音だしてどうすんの。そんなのは再結成(したは良いけれど体が付いていきません)バンドに任せておけばよろしい。第一、それじゃあプログレッシブロックが本来の持ちあわせているべき革新性とは、あさっての方向だ。常に新しいものをという意志で、目向きに突き進んでこそ、プログレというものさ。
さて、本題である、アルバムの話。脱クリムゾン・フォロワーが出来たかどうかは定かはないけれど、期待していたような仕上がり。前作よりモダンな作りになっています。つまり、リリシズムは減衰し、ブルータルな雰囲気が作品を支配しています。
しかし、相変わらずヴォーカルが弱い。このことで、かなりの潜在的リスナーを逃していると思います。なんで、ヴォーカリストを入れないんでしょうね?ヴォーカリストは楽器奏者に兼任するものだというこだわりがあるのでしょうか。クリムゾンのようにになりたいからとか・・・。
話題のバンド、アネクドテンのファースト・アルバム。日本版はボーナストラック1曲を加えてのリリース。
最近、どうもスウェーデンが熱い。と言っても、コテコテの様式美系HMやカーディガンズ辺りのポップン・ロックのことでは無い。プログレッシヴな音楽がである。さらに、ことはトラッドあたりも巻き込んで凄いことになっているみたいだ。バンド相互の結び付きは薄いみたいなのだが、同時多発的にユニークで斬新なバンドが発生している。こりゃ大変だとばかりに私はしばらくスウェーデンに注目してみることにする(映画関係では以前からスウェーデンに注目していたのだが、音楽までとは・・・)。
と、本題のアネクドテン。
音のほうはかなりクリムゾンが入っている。というより、クリムゾン直系のサウンド。しかも初期と中期クリムゾンが幸福に結合している感じ。エピタフ辺りを想起させるシンフォニックな曲があるかと思えば、マグマ級のベースがブヒブヒ唸るヘヴィーな曲もある。と、褒めまくるのもなんなんで一言苦言。ヴォーカルが弱い。それはもう、嫌になるほど弱い。なんでここまでと思うほどに弱い。それ以前に、よく人前で歌うなぁと感じる。(聴いていただければ、言い過ぎでないことがお分かりになると思う)
ハードにもリリカルにも歌えるヴォーカルを新規加入させれば★4つは確実。ってことで、新しいヴォーカル入れてよ。お願いだから。
Buried
Alive<94>
Anglagard
★★★
多くのファンに惜しまれつつも、解散してしまったスウェーデンのアングラガルド。本作は、94年にアメリカはカリフォルニア州ロサンゼルスのザ・バラエティー・アート・センターにて行われたプログレッシブ・ロックのためのフェスティバル、「プロッグフェスト’94」に参加したさいに収録されたライブ・アルバム。
その活動期間の短さから、リリースしたフルレンスのアルバムは2枚きりと少ない彼等。そういった意味で、これは資料的価値も高いし、コレクターズ・アイテムとしての価値も高い。そして、演奏のテンション、クォリティーも非常に高く、ファンならずともコレクションの内に加えて損の無い内容だ。
そのサウンドは、ヴォーカル無しのクリムゾン。同郷のバンド(アネクドテンなど)のみならず、新世代のシンフォニック・ロック・シーンに与えた影響を知る上で、このアルバムは必聴と言っておきましょう。
NUCLEUS
暗鬱(Vemod)