モバイルに適したLAN環境
毎日パソコンを使用しているわけですが、ノートパソコンを使う時間が増えてきました。手軽に持ち運べて、開けばいつもと同じWindows2000の環境で作業が出来る。これは想像以上に快適です。
しかし、ネットを使いたいときや、デスクトップにあるデータを参照したいときには、HUBの設置してある部屋にまで行かなくてはいけなません。これは少々面倒です。ケーブルの引き回しにもウンザリしてきました。
そこで、無線LANの導入を考えてみました。仕事で何度か扱ったこともあるので、経験値もあります。そして、その快適さも知っています。しかし、問題は価格です。以前に比べればずいぶん安くなったとはいえ、まだまだ高額な商品です。躊躇する気持ちがあります。
とりあえず市場調査
私の知っている無線LAN(*1)の価格は半年以上前のもの。もしかすると価格破壊が行っているかもしれません。早速、市場での価格調査を始めました。
まず調査の対象に選んだのはメルコのAir Station。高額だった無線LANの価格を、かなり引き下げることに成功した立て役者です。日本における無線LANシェアの大半は、同社のものです。
WLA-L11Gという標準的な無線LANのアクセスポイント(128bit WEP対応)が定価で3,300円。実売価格は2,8000円前後となっていました。PCMCIA型の無線LANカードWLI-PCM-L11G(128bit WEP対応)は定価14,800円の、実売13,000円前後です。
他の会社(Corega、Planex)の製品も見てみると、多少メルコより安いものもあるけれど、それほどでもありません。相場はこんなもんだろうと考えたのですが、まだ調べていない会社があることを思い出しました。メルコのライバル的な会社でもあるIO-DATAのことです。
早速調べてみると、メルコに対抗する形で、格安の無線LAN製品AirPortをリリースしていました。アクセスポイントWN-B11/AXPが定価24,800円で、実売では2万円を切るところもあります。PCMCIA型の無線LANカードWN-B11/PCMが定価12,000円で、実売1万円前後となっています。
価格だけでもお買い得感がありますが、それ以上に性能面でも無線LANの中ではトップクラスと評価が高いという点が光ります。特に、データを暗号化した際の転送速度のスピードダウンが他社製では1,2割程度であるのに対し、同社の製品は数%程度であるといいます。
これは迷う必要も無いと、IO-DATAの無線LANに決定しました。購入するのはアクセスポイントを1台とPCMCIA型のLANカードを2枚。PC-SUCESSのサイトを見るとかなり安く売っているようです。けれど、ここは在庫を持っていないのでパスします。クレバリーなら在庫ありということで、ここで購入することに決定しました。ちなみに、大手のSHOPでは1割以上高値が付けられています。
(*1)
一般的に購入できる無線LANは最大の転送速度が11MBpsで、10BASE-Tとほぼ同じ程度の転送速度を持っています(電波状況に左右されますが)。また、その規格はIEEE802.11bという国際的な標準が定められています。相性などの問題はありますが、この規格にそった製品ならば、相互に使うことが出来ると考えて良いでしょう。
最近では国際空港などがこの規格のアクセスポイントを用意していてくれるので、空港で簡単にネットへの接続が出来るようです。今後、パブリックなスペースでの設置が行われていく可能性もあり、その未来は明るいと言えます。
意外に手こずる無線LANの設定
アクセスポイント WN-B11/AXP |
アンテナを立てたところ 180°展開出来る |
これまでの経験から、簡単に設定出来ると思った無線LANでしたが、予想外に手こずりました。まず、アクセスポイントとスイッチングHUBをストレートケーブルで結びます(*2)。無線LANカードの設定がまだ済んでいないので、HUBにケーブルで接続されたマシンにアクセスポイントの設定プログラムをインストールし、そこから設定プログラムを起動してアクセスポイントの設定を行います。………。アクセスポイントが認識されません。マシンを換えたり、ケーブルを差し替えたりと、いろいろやってみましたが、どうしてもうまくいきません。
1時間ほど頭を抱えて悩みましたが、ふと思いついたことがあります。そういえば家のマシン全てにはセキュリティ対策のためにFIRE WALLが組み込んであったのです。これが原因ではないのかと、FIRE WALLの機能を殺してみます。案の定、アクセスポイントは無事に認識されました。何とも間抜けな顛末。
認識したならば、後は簡単。アクセスポイントのID名(SS-IDまたはESS-ID)とパスワードを設定し、修正したパラメーターをアクセスポイントに記憶させます。これでアクセスポイントの作業は完了しました。
無線LANカード WN-B11/PCM |
カードを射したところ (写真右下のあたり) |
拡大すると、かなり出っ張っていることがわかると思う |
次に、自分のノートパソコンにLANカードを認識させます。説明書に従い、カードを挿入する前に付属してきたフロッピーディスクから設定プログラムをインストールします。次に、カードをPCMCIAスロットに差し込みます。カードが自動で認識され、先ほどインストールしたプログラムによってドライバーが自動的に組み込まれていきます。途中、Microsoftに認証されていないドライバーを入れようとしているけど良いのか?と聞かれますが、問題はないのでOKをクリックします。これで、カードのドライバーの組み込むは終わります。次に、先ほど設定プログラムをインストールした際、デスクトップ上にカードの設定を行うためのプログラムをインストールするプログラムへのショートカットアイコンが作成されているはずですので、これを起動して、TOOLを組み込みます。セットアップが終わると再起動を要求されますので、OKを押し、Windowsを終了させます。再起動したら、先ほど設定したアクセスポイントのID名などを入力して、作業は完了となります(*3)。
全画面モードでmsnを表示中 |
これで、家のどこからでもネットワーク参照は勿論、インターネットの接続が出来ます(と言いつつ、このHTMLなどはデスクトップのすぐそばのベットの上からノートパソコンで入力中。本体のHTMLはデスクトップのDドライブの中にあります。)。インターネットをしながら、デスクトップのドライブ上にあるMP3を再生するなんてことも可能となりました。なんとなく、昔の近未来SF的な生活が身近になったと感じました。
(*2)
HUBにはケーブルモデムと、隣の部屋(自室)のHUB、デスクトップパソコンが1台繋がっています。
(*3)
私の環境ではすでにネットワークの設定がしてあるのでこれで終了しましたが、ネットワーク構築が初めての場合、色々と設定を行う必要があります。
肝心の性能調査
上図のマシン構成にて、50MByte前後の動画ファイルをデスクトップからノートに転送することで計測してみました。デスクトップとノートは2mも離れていませんが、アクセスポイントとHUB-2は5mほど離れた隣の部屋に設置してあります。
また、計測には「とらもに」というネットワークの簡易トラフィック計測ソフトを使用させてもらいました。
グラフと表示されている数値から、平均で5Mbps前後の数値が出ていることがわかると思います。1秒間に0.6MByte程度のデータを転送出来るということです。10BASE-Tと同程度か、やや遅いといったところです。
ネットを検索してみると、他社製の無線LAN機器での転送速度は3,4Mbps前後ということです。データの暗号化を行うと、さらに数割程転送速度が落ちるとも言います。IO-DATAの製品は平均5Mbpsで、暗号化を行っても数%程度のみの速度低下となります。他社製の無線LANにはルーティング機能などが付いたものもありますので、一概にこの製品をお奨め出来るわけでは無いのですが、有線LAN環境も混在しているならば、同社の製品購入が良いのではないかと思います。
これは10BASE-Tを使用している際にもあったことですが、大量のファイルを一括で転送しようとしたり、巨大なファイルを転送しようとした際、かなりの確率でファイルの転送が失敗します。リジューム(駄目になった所からやり直す)ことが出来ないので、このようなファイル転送を頻繁に行う環境では、100BASE-TXの有線LANを使用したほうが良いでしょう。
無線LANは買いかどうか?
メルコの低価格戦略で普及が進行した無線LANですが、IO-DATAの更なる低価格攻勢や、様々な場所に11bの無線LANアクセスポイントが設置されるに至り、本格的な普及期に突入してきたと感じます。年内には、アクセスポイントが実売で1.5万円、PCMCIAのカードが6,7千円程度に下がってくるだろうとも予測も出来ます。
更に高速な無線LAN(IEEE802.11a(54Mbps))も開発済みで、近々市場に登場しますが、これが普及価格帯に落ちて来るには、まだ3年程度はかかるでしょう。
このような状況下、家庭やオフィスで複数のノートパソコンを利用している環境ならば、無線LANの導入は効果的です。機動性の向上に驚くことになると思います。ケーブルレスの環境こそ、モバイルに相応しい姿であるとも言えますし。
デスクトップ中心の環境でも、インターネットの回線から距離があったり、ケーブルの引き回しに嫌気がさしているならば、導入をお奨めします。デスクトップマシンには、USB接続の無線LANアダプターの使用が良いでしょう。
CPU | Mobile Pentimu!!! 450MHz(Base100MHz) |
---|---|
Chip Set | Intel 440MX PCIset |
Memory | 192MB(64MB+128MB) |
Video | Silicon Motion Lynx EM4(SM710,4MB) |
HDD | 0GB(ULTRA-ATA) |
CD-ROM | 24倍速 |
Sound | チップセット内蔵(PCM16bit-Stereo) |
FDD | USB外付け(1.4MB,1.2MB,720KB) |
PC Card Slot | Type I or Type II×1(CardBus対応) |
内蔵ポート | USB×1,Serial,Paralel,外部CRT(MiniDsub),PS/2,IrDA(4M) |
Modem | 56kbps(V.90/X2)FAX:14.4 kbps |
無線LAN | IO-DATA WN-B11/PCM |
液晶サイズ | 13.3"TFT(XGA) |
音声 | マイク入力(モノラルミニジャック) |
オーディオ出力 | ステレオミニジャック |
バッテリー | 約3.5時間 |
外形寸法 | 幅297 mm×奥行236.5 mm×高さ24.0 mm/26.3 mm(前部/後部) |
重量 | 約1.97 kg(CD-ROMドライブ装着時平均値) |
OS | Windows2000 |
CPU | Intel Celeron566 |
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Mother Board | ABIT BH6 |
Memory | 384M(128+128+128) 増設 |
Video | Diamond STEALTH3 Xtreme(Savage4) |
HDD | Maxtor 30G(IDE) Maxtor 40G(IDE) |
CD-RW | Plextor PX-W1610TA/BS |
CD-ROM | TEAC(ATAPI,x32) |
Sound | Diamond MONSTER Sound MX300 |
ether | PLANET FNW-9700-T |
FDD | TEAC 2mode |
本体ケース | TT-600(300W,フルタワー) |
ルーター | MN128SOHO/DSU |
Monitor | 飯山電気 MT-8617 |
OS | Windows2000 |
CPU | Celeron300A(450Mhz) |
---|---|
Mother Board | A-OPEN AX-6B |
Memory | 128M |
Video | Diamond Viper330(AGP) |
HDD | IBM DCAS-34330(4.3G、U-SCSI) IBM DAQA-32160(2.1G)*2 |
CD-ROM | プレクスター PX-20TSI/TO(SCSI、20倍速) |
CD-R | Teac CD-R 58S(SCSI,Rx8) |
Sound | Creative Sound BlasterAWE32 |
SCSI | IOI IOI-9200DUW(UW,2ch) |
ether | Telecom Dec21140F搭載カード |
MO | メルコ MOS-E230S(EPSON製ドライブ) |
FDD | TOMCAT PC-FD35M・3B |
本体ケース | TQ-700mk-II |
Keyboard | KINESIS MAXIM KB200PC |
タブレット | WACOM ArtPadⅡ |
スキャナー | Canon N656U(600dpi) 交換 |
ルーター | MN128SOHO/DSU |
Printer | CANON LBP-220Pro |
Monitor | 飯山電気 MT-8617 |
OS | Windows2000 |