墓穴。つうか、穴だらけ。

彼らは運命の神ヤーンによって動かされていた。しかし彼ら自身は自らが運命の糸に操られつつあることを、未だ知らなかった。そして、かれらはヤーンの繰るおさのままに、しだいにあやしくも宿命の模様を織り上げてゆこうとしていたのであった。

「イロン写本」より

ここしばらくコンピューターのパーツ購入を控えていました。暇がなく、お金もなかったということが理由です。しかしそれ以上に、マシンにそれほどの不満を持っていなかったということのほうが大きかったといえます。
この一年ほど、コンピューターを使ってやることと言えば、インターネットを使った情報収集や、Web制作に関係した作業ぐらい。QUAKE3 ARENAやUNREAL TOURNAMENTのような最新の3Dゲームからは遠ざかっていました。
しかし、年末から暇になってしまい、つい、DIABLOタイプアクションRPGであるREVNANTというゲームと、UNREALの3Dエンジンを用いたWheel of Timeというゲームを購入してしまいました。そして、驚きました。3DアクションであるWheel of Timeは勿論ですが、レブナントのようなクウォーター・ビュータイプのゲームでも、3Dグラフィック機能が必須となり、それも、結構なパワーを要求してくるのです。そうとは知らずに始めた私は、モニターに映し出されたゲーム画面を見て愕然としました。処理が間に合わないことは勿論、機能不足でまともにプレイすることが困難なんです。モンスターが影のみしか映らず、実体が見えなくなったりすることなど当たり前のように発生しました。これでは遊ぶどころではありません。

ということで、私のマシンで使用しているビデオカードVIPER330に搭載されているビデオチップ、RIVA128では役不足と言うことになります。たしかに、このビデオカードは進化の速いビデオチップの世界ではもう2世代以上も前の製品です。搭載の可能なメモリーの上限も4Mと少なく、私が常用している1280*1024の解像度では、フルカラー表示することが出来ません。現在ビデオカードのメモリーは16Mがあたりまえで、32Mがそろそろ標準になるかという時代です。このカードがいかにロートルであるかということが、ご理解いただけたるのではないかと思います。

私はビデオカードを交換し、最新のビデオ環境を体験する良い機会だと考えました。そこで、自分のための再確認を兼ねて、最近のビデオチップ業界の現状を簡単にレクチャーしてみましょう。

ビデオチップの業界は相変わらずホットで、技術革新の激しい世界です。そして、この1年ほどで業界の再編がかなり進みました。
3dfx社はSTB社を買収し、チップメーカーからカードベンダーとしての転身を遂げましたし、S3社も同様にはDIAMOND社や#9社と言ったビデオカードベンダー最大手の2社を手中に収めることで、カードベンダーとしての機能を得ました。
現在、PCのビデオチップ業界はMATROX、ATIのカナダ勢と、3dfx、S3、nVIDIAの5社が凌ぎを削る過酷な世界となっています(他にもチップメーカーは有るんですが、規模縮小や撤退の方向で進んでいますので考えなくても良いでしょう)。
2Dな環境での速度競争は頭打ちとなり、3D処理の速度と質が、チップ差別化の中心になっています。最近のトレンドは、これまでソフトウェア処理していたTransform & Lightingの機能を、ハードウェア処理してしまおうということで、これに対応したチップとして、nVIDIA社のGeForce256と、S3社のSAVAGE2000が上げられます。

最近のビデオカードの日本における売れ線は、nVIDIA社のGeForce256チップ、RIVA128TNT2チップを搭載したビデオカード、MATOROX社のフラグシップモデルであるミレニアムG400MAX、STB社製の3dfx社のVoodoo3チップ搭載カード、ATI社のRAGE128搭載カードといったところでしょう。

各種カードには、それぞれ特徴的な機能が搭載されています。その辺を考慮に入れつつ、購入するカードの選定を行いました。

この間まで私は、ATI社のRAGE128を搭載したRAGE FURYというカードを買おうと考えていました。同社のチップは動画再生の機能に優れていることと、同社製カード専用のアド・オンカードである、ATI-TVという専用のTVチューナーカードを持っていたからです。しかし、このカードとビデオカードをつなぐコネクターの端子が変更されてしまったため、新しい専用のケーブルを用意しなくてはいけないことになってしまいました。そして、このコネクターは市販されず、ATI社の日本法人から発売されているATI-TVを買った人に無償で渡されるということになっています(申請は必要ですが)。私がATI-TVを購入したときに、日本法人からATI-TVは発売されていませんでした。よって、私の購入したのは日本法人のサポート外の製品となります。形状を変化したのなら、FURYに変換ケーブルを付属させれば良いと思うのですが、ATI-JAPANはそのように考えなかったようです。 となると、RAGE FURYを選ぶ積極的な理由も無くなります。すでにこのカードより高速で、より低価格なカードが他にもあります。サポートの問題も考慮し、同社の製品は購入の対象から外しました。

さて、いま一番速いビデオチップというとGeForce256になるでしょう(99年末の時点で)。RIVA128を開発したnVIDIAの最新型ビデオチップです。しかし、最新のものというのは、とにかく高額で、安定性に欠けているものです。面倒な問題は出来るだけ抱えたくありません。そこで、この製品は対象外にしました。
また、同社のビデオチップにRIVA128TNT2があります。ここら辺などは、ドライバーも安定し始めてきて、丁度使い頃かと思います。しかし、カードの価格は2万円を切る物は少なく、あっても画質などを考慮に入れると、購入を控えたくなります。

次に、依然使用していたMATROXの最新ビデオカードMillenniumG400を考えました。ここの製品の画質には定評があり、それは以前同社の製品を使用していたことで知っています。しかし、どうにも一般的すぎる感じがして、購買意欲がわいてきません。

ここで、全く対象にすらしていなかったS3社のSAVAGE4というチップを搭載したカードに目を止めました。そしてネットを検索し、機能や評判などを調べてみました。
このチップは動作周波数などでいくつかのヴァリエーションがあります。ネーム名がゴージャスなほど、動作周波数が速いということになっています。最上位版にはSAVAGE4 XTREMEとう名前が付けられています。(備考として、昨年末からはGeForce256の対抗馬と噂の高いSAVAGE2000といチップの供給が開始されたことも付記しておきましょう。) このチップを使用したカードは、とにかく低価格です。1万円前後が標準で、2万円を超える物はありません。製品を供給するメーカーも結構多く、クリエイティブや#9、ダイアモンド、ELSAといった大手から、小さなメーカーまでとなっています。また、同社はこれまでチップのみを提供していましたが、DIAMOND社を買収したことにより(最近、#9社も買収)、自社でカードを供給する体制も整えました。DIAMONDはサポートが悪いので好きではありませんが、S3による買収で状況が変わっているかもしれません。購入の対象にしても良いかと考えました。

最後は3Dfx社のVoodooシリーズについて考えてみました。ここのカードを購入すれば、同社による独自の3D規格であるGLIDEにも対応出来ます。とはいえ、最近ではD3DやOpenGLが一般的となってきましたので、以前ほどの効用は期待できません。また、このチップは高熱を出すことで有名です。今の時期は良いでしょうが、私の環境で、夏を乗り切ることは不可能でしょう。基盤が熔けてしまうかもしれません。

などと、いろいろ考えた結果、DIAMOND社のSAVAGE4 XTREMEを採用した、STEALTH3 S540 XTREMEを購入することにしました。(他社の製品でXTREMEを採用したビデオカードが無いようです)価格を調べた結果、税込みでも1.2万円ほどで購入出来ることがわかりました。搭載するカードのメモリー容量は32Mで、ビデオチップ自体にDVD再生を補助する機能が付いていることもわかりました。もちろん、標準でDVD再生ソフトが付属しています。これはお買い得といえるのではないでしょうか?日本国内ではメジャーでは無いと言うことも、マイノリティー擁護派な私の嗜好に合います。

今回は九十九電機さん購入しました。というか、最近ほとんど九十九が多いですね。ショップ自体に安心感があり、価格も秋葉の中では安いほうだと思います。

Viper330 これまで使っていたDAIMOND社のVIPER330(AGP)
予想以上に長寿なカードでした。
ちなみに、ビデオチップ冷却用のファンは後付です。購入時にはヒートシンクすら付いていませんでした。
今回購入したDIAMOND社のSTEALTH3 XTREMEです。決して人には薦めません…。 STEALTH3 XTREME

パッケージを開けると低価格なカードだけあり、ゲームなどのおまけは付属していませんでした。DVD再生ソフトも、同社のサウンドカードMX300に付属していたものと同様のSoftDVDでした。

さて、パーツの導入編に話は進みます。

VIPER330のドライバー類をWindowsから削除し、マシンを終了させ、カード交換の準備は終了です。ケースを開け、VIPERを外し、新しいカードに乗せ換えました。マシンを起動するとプラグ&プレイ機能により、新しいカードを認識し、ドライバーを要求してきました。付属してきたCD-ROMに収録されているドライバーの組み込みを行いました。マシンを再起動し、作業は完了です。
再起動したところで、早速解像度を常用している1280*1024に上げました。すると、数分でマシンがフリーズするようになってしまいました。ドライバーがおかしいのかと思い、ダイアモンドのアメリカ本社のホームページにアクセスし、最新のドライバーをダウンロードしてきました。しかし、このドライバーを組み込んでも上手くいきません。
そうこうするうちに、低解像度の状態でもマシンがすぐにフリーズするようになってしまいました。そして、最後にはWindowsが起動しなくなるまでに…。
仕方なく、OSを入れ直すことにしました(データーはOSとは別のドライブに収納してあるので、安心です。アプリケーションソフトの導入と、環境構築が面倒ですが)。もしかすると、これでうまく行くようになるかもしれません。しかし、……。

結果は駄目でした。高解像度にしたり、重い画像処理を行うと、途端にフリーズしてしまいます。ビデオカードとマザーボードの相性なんでしょうか?IRQを他のカードとシェアせず、ビデオカードだけで使うように設定もしましたが、駄目でした。

1時間ほど何もせず、ただ途方に暮れるていました。現実逃避のために、読書したりと…。
気分転換が功を奏したのか、思いつくことがありました。それは、AGPのクロック設定はどうなっているか?ということです。AGPのクロック設定は66MHzが標準なんですが、そういえば私は100MHzにクロックアップしていたような気がします。これが原因だとすると、あまりに情けない。
BIOSを起動すると、………。
案の定、設定は100MHzになっていました。最近のビデオカードはただでさえ無理して高速化されています。それに更にむち打つようなことをして、大丈夫なわけがありません。STEALTH3 S540 XTREMEはヒートシンクのみの冷却で、ファンも付いていないのですから、尚更無茶という訳です。

設定を66MHzにするとあっさり動き始めました。どの程度3D処理が高速化されたか調べてみようと、3Dベンチマークソフトとしても有名なonion社の最新ソフト3DMARK2000を走らせてみました。すると、VIPER330では重すぎるこのソフトも、軽快に動きます。これまでは処理が間に合わず、路面のテクスチャーを全て張り付けることが出来ませんしたが、カードを換えてからは問題ありません。良い感じです。

しかーし、搭載しているTVチューナーカードを使いTVを見ようとした際に、問題は発生しました。縦方向には問題ないのですが横方向が1/3程度に圧縮されて表示されてしまうのです。視聴には耐えません。
試しにオーバレイを挿せないで表示させてみると、問題なく表示されます。ということは、ビデオカードのドライバーでオーバーレイ周りに欠陥があると考えられます。ということは、この問題に対処済みのドライバーを探してみることにしました。S3のホームページを検索し、最新のリファレンスドライバーを探しました。しかし、ドライバーのバージョンはDAIMONDのものと変わりませんでした。その後も諦めずに色々と検索していると、SAVAGE WORLDというサイトの存在を知りました。そこは、SAVAGEに関する情報が集約された個人サイトです。そのページには各メーカーのドライバーは勿論、個人ユーザーが改良したドライバーもアップされています。いくつもリストアップされたドライバーの中にS3社の提供するリファレンスドライバーも発見しました。奇怪なことに、ここにはS3社のサイトで見つけたヴァージョン(8.02.11)とは比較にならないほど新しいヴァージョン(8.10.25)のドライバーが置いてあります。なんと言うことでしょう。S3社という会社は何をやっているのでしょうか?サポートは他人(しかも個人)まかせなんでしょうか?

怒れる気持ちのまま、ドライバーを最新のものに交換しました。TV表示プログラムを起動すると、今度は問題なく表示されます。やはり、問題はビデオカードのドライバーにあったようです。DirectXなどの機能を利用した直後に、オーバーレイ表示がおかしくなることもありますが、とりあえずは良しとすることにしました。また、VIPER330の4Mから32Mと大幅に搭載ビデオメモリー増強されたことによって、オーバーレイ出来る画面のサイズが大きくなりました。以前は640*480までしか表示できなかったんですが、今回から画面限界(1280*1024)でも表示出来るようになりました。予想していなかったことなので、ちょっと嬉しかったりします。

DVDの再生を試してみると、以前ではコマ落ちするような作品でも、問題が発生しなくなりました。ハードウェアによる再生支援機能が効果的に働いているようです。

最後に、当初の目的のゲーム環境改善の成果です。
まずレブナントですが、表示に関しては劇的に進化しました。別の作品かと思うほどエフェクト処理が行われます。しかし、ゲームプログラム自体がバグだらけで、プレイの最中に頻繁にマシンフリーズをします。完全にマシンが沈黙してしまうので、ハードウェアリセットするしか無い状態に陥ってしまうのです。評価する価値も無いゲームです。早急に修正パッチを出さないと、駄目でしょうね。
次にWheel of Fortuneです。このゲームは複数の画像処理モードに対応しています。GLIDE、DIRECT3D、OpenGL、S3TCです。最後にあげたS3TCとは、S3社が提唱しているテクスチャー圧縮の規格で、DirectX6から正式採用されており、SAVAGE4なカード等で使用出来ます。これまでは重くて貼ることが出来なかったような精細なテクスチャーを使用することが出来ます。せっかくSAVAGE4を買ったのですから、このモードを使用しないわけにはいきません。
起動してみると、数秒でマシンがフリーズします。SAVAGE4 XTREMEはかなり無理にクロックアップしているようで、ヒートシンク程度の冷却では、チップが保たないのでは?という情報をネットで発見しました。………。なんということでしょう。
めげていても仕方ないので、UNREALを試してみます。これはWheelの3D描画エンジンのオリジナルとなるゲームです。このゲームもS3TCに対応しています。
?このゲームでは問題が発生しません。謎です。

さて、SAVAGE4を使ってみての結論です。
使用用途がビジネス中心ならば、まずはお薦め出来ると思います。ゲームに関しては、癖が多いので、苦労することを厭わない&PCスキルに自身のある人には良いでしょう。S3TCに対応したゲームでは美しい世界を体験出来ます。しかし、3D処理機能がそれほど高くないので、迷うところですね。
また、メーカーのサポートには全く期待できないでしょう。特に、DIAMONDに関しては最悪と断言します。日本語ホームページには、製品情報こそ掲載されていますが、ドライバーが登録されていません。しかし、購入した際の化粧箱には、しっかりとドライバーの入手先として、日本語ホームページが指定されています。同社のサウンドカードMX300で痛い目を見ているとはいえ、未だ改善されない同社のサポートには呆れ返るしかありません。手厚いサポートまでは言いません。最低限のサポート業務は行うべきでしょう。同社の製品は人には決して薦められません。

メインマシン構成
CPU Intel Celeron300A-373Mhzで使用
Mother Board A-OPEN AX-6B
Memory 128M
Video Diamond STEALTH3 Xtreme(Savage4) 交換
HDD IBM 10G(IDE)
IBM 6.4G(IDE)
CD-RW Plextor PX-W1610TA/BS
CD-ROM TEAC(ATAPI,x32)
Sound Diamond MONSTER Sound MX300
ether PLANET FNW-9700-T
FDD TEAC 2mode
本体ケース TT-600(300W,フルタワー)
ルーター MN128SOHO/DSU
Monitor 飯山電気 MT-8617

サブマシン構成
CPU AMD K6-200(200MHz)
Mother Board GIGA-BYTE GA-586HX(512K)
Memory 128M(16M*4+32*2,EDO,60NS,ノンパリティ)
Video ATI XPERT@PLAY(8M)
TV Tuner ATI ATI-TV
HDD IBM DCAS-34330(4.3G、U-SCSI)
IBM DAQA-32160(2.1G)*2
CD-ROM プレクスター PX-20TSI/TO(SCSI、20倍速)
CD-R CDR-400T-VK(SCSI、書込4倍、読込6倍) 修理
Sound Creative Sound BlasterAWE32
SCSI IOI IOI-9200DUW(UW,2ch)
ether Telecom Dec21140F搭載カード
MO メルコ MOS-E230S(EPSON製ドライブ)
FDD TOMCAT PC-FD35M・3B
本体ケース A5561(300W,フルタワー)
Keyboard KINESIS MAXIM KB200PC
タブレット WACOM ArtPadⅡ
スキャナー EPSON GT-5000WIN S
ルーター MN128SOHO/DSU
Printer CANON LBP-220Pro
Monitor 飯山電気 MT-8617
 
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