欲望が対象との「距離」によって生じるものであるとすれば、それが手に入り、それに慣れ親しんでしまうと、この「距離」がなくなり、もほや欲望をかきたてなくなってしまう。したがって、欲望はさらに「距離」のある対象を探し求めることになるわけである。つまり、欲望は、たえず新奇なもの、刺激に飛んだもの、未開拓なものを求めて、無限に拡張するフロンティアをひろげていくという運動を行っているのである。
「福の神と貧乏神」 小松和彦
マシンを新調したばかりだというのに、早くもCPUを交換したくなってしまった。狙う獲物は、Celeron300A。コードネームをMenocino、128KByteの2次キャッシュを内臓した、INTELの新しいCPUだ。
これの特徴は、なんといってもコアのクロックと同期して動く2次キャッシュだろう。ペンティアム2ですら、2次キャッシュのクロックはコアの半分である。Menocinoはサイズこそペンティアム2の512Kに対して1/4と小さいが、この高速な2次キャッシュの効果は大きく、日常業務程度ならばペンティアム2より速いと感じるかもしれない。
そしてこの新Celeron、前のCeleronに続き、クロックアップ耐性が高いという。ベースクロックを100MHzに上げ、450MHzで稼動させることが出来たという報告が、あちこちのWEB上に発表されている。ただ以前と異なり、2次キャッシュの性能にバラつきがあるためだろうが、ベース100MHzで動かないという報告も多く聞く。当たりを引く率は、以前に比して低くなっていることは確実と言える。
当たりクジが少ないいう不安因子は、あっさりと物欲に負けた。目の前に売っている&懐に金が入っているという状況で我慢できるほどの自制心を私は持っていない。箱入りでは無く、バルク版でもあるに関わらず、私は購入していた。ついで、クーラーマスターの冷却ファンと、注射器に入れられた灰色のシリコングリスをお供に付けて。合計で3万円ほどの支払いとなった…。
家にたどり着くと、早速CPUを差し変えた。っと、その前に注意しなければいけないことがある。今回のCeleron300Aは、マザーボードのBIOSが対応していないと、認識すらされない。私のAX6Bは、既に対応した最新のBIOSに書き換えているので、この心配は無い。差し変えただけで、問題無くマシンは起動した。
次に行う作業はベースクロックを100MHzに上げて、450MHzでの駆動だ。BIOSメニューを呼び出し、設定を変える。わくわくしながら、マシンの起動を眺めているる。しかし、いくら待っても起動画面が出てこない。頭上を不安という名の灰色をした雲が覆い始めた。両の手のひらは緊張から、汗で湿り気を帯び、口蓋は反して乾き始めた…。そう、最悪なことに、今回購入したCeleronは大外れだったのだ。オーバー100MHzどころか、100MHzですら起動しない代物だった。さらに、電源を落としても、再起動しなくなってしまった。急遽、Celeron(266MHz)に差し変え、BIOSの設定値をデフォルト設定に戻した。
そう、ここで外れクジを引いたのだと、あきらめれば良かった。83Mhz*4.5倍の設定による373MHzでは問題無く動くし、キャッシュの効果は期待以上に高速で、普段の操作は格段に高速化されたのだ。しかし、その時の私の心は壊れていた。翌日に、速攻でBIOSからCPUコアに与える電圧を調整出来るABIT社製のマザーボードBH-6を買いに走ったのだ。
今度こそ!と気合を入れ、マザーボードを入れ換えた。まずは定クロック&定電圧で起動し、OSをインストールする。問題は次だ、0.1V電圧を上げ、ベースクロックを100MHzに設定しての450MHz起動だ。むむむ、OSの起動途中でどうしても固まってしまう。次は、成功例を良く聞く、電圧2.2Vだ!畜生、これも駄目か。では、2.3Vだ!おっ、起動した!じゃあ、まずはファイナルリアリティー(以下FR)でベンチを・・・、って、固まってしまった。うりゃあ2.4Vじゃい!よっしゃー、FRが動くそ…、途中で止まってしまう(T・T)。これ以上電圧上げる勇気は無い、ヘタレ者のわたし。いずれの日かの再戦を心に誓い、結局373MHzでの毎日を送るのだった…。
ここで格言。
ドツボにはまったときほど冷静さを欠き、更に不孝を呼び寄せる。
CPU | Intel Celeron300A-373Mhzで使用 交換 |
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Mother Board | A-OPEN AX-6B |
Memory | 128M |
Video | Diamond Viper330(AGP) |
HDD | IBM 6.4G(IDE) |
CD-ROM | TEAC(ATAPI,x32) |
Sound | SANYO 3Dサウンドカード |
ether | PLANET ENW-8300-2T |
FDD | TEAC 2mode |
本体ケース | TT-600(300W,フルタワー) |
ルーター | MN128SOHO/DSU |
Monitor | 飯山電気 MT-8617 |
CPU | AMD K6-200(200MHz) |
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Mother Board | GIGA-BYTE GA-586HX(512K) |
Memory | 128M(16M*4+32*2,EDO,60NS,ノンパリティ) |
Video | ATI XPERT@PLAY(8M) |
TV Tuner | ATI ATI-TV |
HDD | IBM DCAS-34330(4.3G、U-SCSI) IBM DAQA-32160(2.1G)*2 |
CD-ROM | プレクスター PX-20TSI/TO(SCSI、20倍速) |
CD-R | |
Sound | Creative Sound BlasterAWE32 |
SCSI | IOI IOI-9200DUW(UW,2ch) |
ether | PLANET ENW-8300-2T |
MO | メルコ MOS-E230S(EPSON製ドライブ) |
FDD | TOMCAT PC-FD35M・3B |
本体ケース | A5561(300W,フルタワー) |
Keyboard | KINESIS MAXIM KB200PC |
タブレット | WACOM ArtPadⅡ |
スキャナー | EPSON GT-5000WIN S |
ルーター | MN128SOHO/DSU |
Printer | CANON BJC-210J |
Monitor | 飯山電気 MT-8617 |