前回お話したCeleronをメインに、新しいマシンの制作を行う決意をした。今回は、低価格でハイスペックが目標。
さて、まずはパーツの選定から。
CPU もちろんCeleronの266MHz版。今回の肝となる。
マザーボード ABIT社のBX6。電圧をBIOSメニューから細かくいじることが出来る、現状で唯一のマザーボード。
メモリー 100MHz対応のSD-RAM(128Mバイト)。
ビデオカード 秋になれば、高速なカードが続々と発売されるので、今回は繋ぎとして安いものを買うことにした。かといってノーブランド物は好きでは無いので、DIAMONDのVIPER330(AGP)に決定。
CD-ROM パイオニアのスロット・インタイプにしてみようかと考えたが、構造上の不安があるので、周りでの評判の良いTEAC製のモデルを購入することにした。速度の違いによる価格さが小さいので、最高速である32倍速のものを買った。接続タイプはIDEにしておいた。
DVD-ROMを試してみようかとも考えたが、今回は見送ることにした。機能を活用できる機会が少ないこと、今後、性能が伸びるであろうことなどを考慮した結果だ。
ハードディスク 毎度お馴染みのIBM製。今回は価格性能比の一番良い6.4Gのモデルにすることにした。
サウンドカード ヤマハのサウンドチップ(YMF724V)を使ったPCIサウンドカードが何かと話題となっている。実際、これのMIDI音源は価格につりあわないほど出来が良い。今回はこれを使ってみよう。
ケース これは結構悩んだ。一番長く付き合うことになるからだ。安いケースは、後で泣かされることが多い。今回は出来るだけ良いものを買うことにした。
サイズはフルタワー(これを入れるために、部屋に特大のラックを設置)、重視するのは内部の空調ということで、選んでみた。
結果、TQ-700の兄貴分、TT-600にすることにした。フロントに一つ、CPU側のケース背面に1つ、5”ベイの背面に1つと、計3つの内部ファン増設スペースがあるのが決定の理由だ。2万円を超す価格に、ファンを足すと3万を超えてしまったが、末長く付き会うつもりなので、まあ良いだろう。
その他 FDはTEAC、キーボード、マウスはコレクションの中から選んで使うことにした。後々はCPU-SWITCHを使って、キーボード、マウス、ディスプレイを共有しようかと考えている。
CPU | Intel Celeron(266Mhz) |
---|---|
Mother Board | ABIT BX6 |
Memory | 128M:100MHz対応のSD-RAM |
Video | DIAMONDのVIPER330(AGP) |
HDD | IBM 6.4G(IDE) |
CD-ROM | TEAC(ATAPI,x32) |
Sound | Yamaha YMF724V搭載カード |
ether | PLANET ENW-8300-2T |
FDD | TEAC 2mode |
本体ケース | TT-600(300W,フルタワー) |
さて、パーツが決まったところで秋葉原に直行した。
お目当てのCeleronをあっさりコムサテライト1号店にて発見する。しかし、次が続かない。ファンは品切れ、マザーに至ってはいつ入荷するかも解らないという。しかたなく、他のパーツを購入していった。
買い物を終えてみると、予定していた構成とはかなりことなる結果となってしまった。異なる点だけを列挙してみるとこんな感じになる。
- マザーボード
需要に供給が追い付かず、ABIT社ののマザーボードBX6は納期未定になってしまった。後継のBH6が発売されるので、生産が縮小されていることも一因となっている。
いつまでも待っている気はないので、評判の良いA-OPEN製のAX-6B(PCI*4,DIMM*4)を購入した。こちらも後継のモデルであるAX-6BCが(PCI*5,DIMM*3)欲しかったのだが、品切れで入手出来なかった。
しかし、A-OPENである。ACERの子会社ということで、あまり良い印象は持っていないのだが、近年やたらと人気が上がっている。日本語マニュアルが付属しているからだろうか?ASUS、GIGA-BYTEに迫る人気だ。ものは試しという意味も込めて買ってみた。
- サウンドカード
YMF724を使用したカードは、メーカーの解らないものならば大量に売られていた。だが、ノーブランドなものはいまいち買う気がおきない。何か他に無いかと物色していると、ツクモ電気にてSANYOの3Dサウンドカードが\6,800で売られていた。このボードは、OAK Technology社製OTI610(Audio 3D)を搭載しており、現時点では標準の3Dサウンド規格であるA3Dに対応している。3Dサウンドを一度体験してみたいと考えていたので、これを購入した。
- メモリー
メモリーはHYUNDAI製の物が良い。ここのチップは相性での問題が他社製に比べて少ない。チップ自体の性能も高くお薦めなのだが、最近減産しているので、入手が困難になっている。探しまわったが、結局見つけることが出来ず、LG電子のものを買った。相性で、ちょっと不安。
と、いうような結果になってしまった。マザーボード以外は、おおむね満足のいく買い物だったと思う。さて、パーツがそろったので、組み立てに入る。
これまでに何台も組み立てているので手慣れたもの、1時間弱で組み立てを終える。しかし、電源を投入してもマシンは起動しない。注意深く内部の様子を探ると、CeleronにCPUファンを固定する金具の一部がコンデンサーと接触している。これが原因で、CPUがスロットに完全に挿さっていないようだ。干渉する金具部分をペンチで捻曲げると、奥まで挿すことが出来た。再度電源を入れてみると、問題無く起動した。
さて、まずはアレである。BIOS設定画面を呼び出し、内部クロックを100MHzに上げる。そう、いきなり400MHzでの起動だ。規定の266MHzで動かそうなどと、最初から考えていない。333MHz(83MHz*4)も論外だ。ここは男らしくいきたい。気合を込めて、再起動sる。するとどうだ、あっさり起動してしまった。次に、103MHzを試してみると、これも問題無しだ。これは無理だろうと思った112MHzもOKだった。112MHz*4というと、448MHzだ。立ち上げ時、Celeron-450MHzと表示される。現時点で最高速のペンティアム2より(クロックだけは)高速だ。2万円以下のCPUが10万円以上のCPUを超えるクロックを出すのだから驚きだ(実際に比較すると、明らかに同クロックP2より遅いですけど)。こうなると、キャッシュメモリーが付いただけのペンティアム2の価格に疑問が沸いてくる。CPUを覆うケースとキャッシュメモリーで数万円もするのだろう(^^;
放熱の問題もあるので、ベースクロックを100MHzに下げ、Windows98(ベータ3)で制作した起動DISKを使いマシンを立ち上げる。ハードディスクをFAT32でフォーマットし、発売されたばかりのWindows98をインストールした。この起動DISKはIDE接続のCD-ROM用に汎用のドライバーが入っているので便利。
Windows98の導入はあっさり終わった。しかし、音が出ない。メジャーなカードではないので、98にはドライバーが付いていないのだろうか?調べてみると、カード自体がOSに認識されていない。ケースを開けて調べてみると、カードが完全に刺さっておらず、少し浮いている。カードを固定するネジを外し、しっかりとはめ込みんで、マシンを再起動する。すると、カードが正常に認識された。問題は無いようだ。ネジ留を行い、ケースを閉める。
98のマシン環境を構築しようと、マシンを立ち上げると・・・。おや?音が出ない。さっきは正常に認識され、音も出ていたのに?もう1度ケースを開けて調べてみると、またもカードは浮いていた。注意深く調べてみると、マザーボードの固定位置が少しずれていた。これが原因で、PCIスロットにカードを挿入したのち、ケース本体のネジ留めを行うと歪みが生じ、カードの端が浮いてしまうようになっていたのだ。しかたなく、ケースからマザーボードを取り外し、正確に設置し直した。こんどはうまくいったようで、サウンドカードの認識も問題無くおわった。
とりあえず問題は解決したのだが、更なる驚きの事実が待ち構えていた。それはこのサウンドカード、MIDIがハードウェア再生ではなく、ソフトウェア再生だったのだ。CPU占有率が可変であるとはいえ、それは無いだろう。低価格なサウンドカードですら、ハードウェアでMIDI音源を鳴らすのに、中堅クラスのカードがソフトウェア再生とは・・・。このカードを取り外し、他のサウンドカードに乗せ換えることを考慮することにしよう。
その他のカードでは、これといった問題も不満も起きなかった。それぞれにメーカー供給の最新ドライバーを組み込み、とりあえずのベース環境を構築した。あとは各種アプリケーションソフトや、ツール類のインストールで完成ということになる。
とりあえずの環境が出来たので、CPUのクロックを412MHz(103MHz*4)に上げてみる。これは問題無く起動。次に448MHz(112MHz*4)に上げると、これも問題なく起動する。しかし、しばらく使用していると画面にゴミが出てくる。CPUの21ピンにマスキング処理を行っていないため、AGPがFSBクロックと同期しているためだ。VIPER330は112MHzまでは追従することが難しいようだ。また、しばらく使用していると、フリーズしてしまうことがある。やはり、CPUコアに与える電圧を上げないと、高クロックでの動作は安定しないようだ。ノーマルの電圧(2.0V)では、412MHzでの使用が限界だろう。まあ、発熱の問題もあるので、412MHzで使用していくことにした。
さて、400MHzにクロックアップしたCeleronを使用しての感想だ。通常の作業では、2次キャッシュが搭載されていないこともあって、1テンポもたつくことがある。これは、これまで使っていたK6-200Mhz搭載マシンよりも遅いと感じることがあるくらいだ。しかし、3D処理などの不動小数点処理を多用するようなプログラム、例えばQUAKE2などをやってみたときは、劇的なまでに高速化されていることを体感出来る。以前の環境下での表示を日本製の低予算アニメーション並だとすると、今の環境でのQUAKE2は、ディズニーの劇場版アニメ映画の様だ。恐ろしく滑らかに画面が表示される。これで、CPUの価格が2万円以下なのだから恐れいる。
CPU | Intel Celeron(266Mhz)-412Mhzで使用 |
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Mother Board | A-OPEN AX-6B |
Memory | 128M |
Video | Diamond Viper330(AGP) |
HDD | IBM 6.4G(IDE) |
CD-ROM | TEAC(ATAPI,x32) |
Sound | SANYO 3Dサウンドカード |
ether | PLANET ENW-8300-2T |
FDD | TEAC 2mode |
本体ケース | TT-600(300W,フルタワー) |
ルーター | MN128SOHO/DSU |
Monitor | 飯山電気 MT-8617 |
CPU | AMD K6-200(200MHz) |
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Mother Board | GIGA-BYTE GA-586HX(512K) |
Memory | 128M(16M*4+32*2,EDO,60NS,ノンパリティ) |
Video | ATI XPERT@PLAY(8M) |
TV Tuner | ATI ATI-TV |
HDD | IBM DCAS-34330(4.3G、U-SCSI) IBM DAQA-32160(2.1G)*2 |
CD-ROM | プレクスター PX-20TSI/TO(SCSI、20倍速) |
CD-R | |
Sound | Creative Sound BlasterAWE32 |
SCSI | IOI IOI-9200DUW(UW,2ch) |
ether | PLANET ENW-8300-2T |
MO | メルコ MOS-E230S(EPSON製ドライブ) |
FDD | TOMCAT PC-FD35M・3B |
本体ケース | A5561(300W,フルタワー) |
Keyboard | KINESIS MAXIM KB200PC |
タブレット | WACOM ArtPadⅡ |
スキャナー | EPSON GT-5000WIN S |
ルーター | MN128SOHO/DSU |
Printer | CANON BJC-210J |
Monitor | 飯山電気 MT-8617 |