大月隆寛・98年春の最新刊情報



『もの書きがTVに出るということ』

(親紀元社 1998年2月10日 刊)

 大月氏が93年から94年に掛けてキャスターの一人として出演していたNHK

番組「ナイトジャーナル」の裏話を中心に、テレビ報道番組の作られ方と言論

文化人の関係をテーマにした一冊。

 「ナイトジャーナル」で大月氏がキャスターを務めた回の題材「浪曲」「肥

満」「アウトドアブーム」「名馬シンザン」などのトピックの再録の他、後半

では中野翠女史、西部邁氏、岡田斗司夫氏らとの対談が収録されている。

 「朝まで生テレビ」の定着あたり以来、テレビと活字の両方で活躍する言論

文化人が何ら珍しくなりなりつつある中、敢えて真正面からテレビメディア自

体を問う姿勢は貴重な視点とも言えるかも知れない。




『大月隆寛の大問答!』

(時事通信社 1998年3月15日 刊)

 95年から97年のはじめまで『社会運動』誌に連載された「世紀末日本世相診

断」の再録。市民運動系青年との時事対話で構成されている。

 95〜97年というのはまさに、オウム、都知事選、薬害エイズ、フランス核実

験、国会不戦決議、アメリカ大統領選、いじめ問題再熱……と様々なトピック

があった筈なのだが、振り返ってみると、その風化ってのも実に早いものだと

痛感させられる。




『ポケモンの魔力』

(毎日新聞社 1998年3月30日 刊)

 97年12月にTVアニメ「ポケットモンスター」を観ていた子供が大量に倒れ

た事件の背景を探ったムック。「ポケモン事件緊急取材班」チームによる編著。

 「民俗学の視点からポケモンを探る」と聞いて、ここで、妖怪や民話との関

係? などと考えてしまった人があれば、それは明らかに大塚×志や中○新一

に毒された80年代ニューアカ思考の曲解というものである。

 これは、ゲームソフトとして、テレビ番組として、玩具として、いつの間に

やら「子供をめぐる環境」の中に広がっていた「ポケモン」をひとつのケース

に、生活文化史的切り口から迫る研究の試みである。

 昨今、作品内容を批評する系統のアニメ・ゲーム関連本は多く出ているが、

改めてこうした「生活文化」や「産業」の観点からそれらを再点検する意義も

充分にあるとも思われる。



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